韓国ドラマ「青い海の伝説」(最終話)⑨
韓国ドラマ「青い海の伝説」(最終話)⑧
★★★
セファはシアの言葉が気になった。前からジュンジェにゾッコンだったのは知っている。
プロポーズするのはジュンジェに対して…?
2人は向こうでこそこそ話をしている。
セファは2人のところにツカツカ歩み寄った。
シアがセファに訊く。
「私に何か話でも?」
「結婚を?」
「ああ…そうよ」
シアは髪をひと撫でした。
「誰と?」
シアはちらとナムドゥを見た。
「ここに住んでる人と」
「3人のうちの誰と?」
「3人いることをなぜ知ってる?」
「誰なのか答えて、シア」
シアはびっくりした。
「どうして私の名前を知ってるの?」
「まさか、ジュンジェと結婚を?」
「だったら?」
セファの表情は見る間に沈んでくる。
「またなの?」
シアはナムドゥを見た。
「ああ。俺にもそう見える…」
「諦めなさい」
シアは昔の意地悪さで言った。
「彼には忘れられない女性がいて、誰もその女性には敵わないわ。だから無理」
「…」
「私の結婚相手は…」
「興味ないわ」
セファは背を向けた。笑みを浮かべた。結婚するのはジュンジェじゃなかった…。
一方、あっさり背を向かれてシアは気分を害した。
「どうしてこんなにむかつくのかしら?」
ナムドゥはシアの肩に手をやった。シアを連れて二階に上がっていった。
「やっぱりプロポーズされるのを待った方がいいぞ」
セファはシアに微笑ましい目を向けた。
★★★
セファは表に人の気配を感じた。
振り向くとジュンジェが入って来る。
ユランがすぐ話しかけた。
「お客様が来てるわ」
ジュンジェは女を見た。セファがこっちを見ている。
2人は黙って歩み寄る。ジュンジェは表情泣くセファを見つめる。
「どなた?」
「…(またステキになったわね、ジュンジェ。元気でよかった)」
「どなた様ですか?」
「(私は…あなたが生まれ変わっても愛すると言ってくれた女よ)」
シアとナムドゥは興味深そうに階段のところで2人を眺めている。
「黙って答えないわね…」とシア。
「そうだな。かわいそうに覚えてもいないのか…?」
ナムドゥが聞こえる声で言ったのでユランは表情でクレームをつける。
ジュンジェは冷たい声で訊ねる。
「どんな用でここへ?」
「それは…(もう元気になったと伝えに来たの。そしてとても会いたかったから…)」
「僕を…ご存じで?」
「ええ(誰よりもね)。いいえ。特に知っていたわけではなくて…ずっと前に…少しだけ会ったことが…あなたは覚えてないかも…」
「なるほど」ジュンジェは頷いた。「それで僕に何かお話がおありに?」
「(愛してる…)いいえ…ただ(愛してる…)元気そうな姿を見られてよかったです(愛してる、ジュンジェ…)」
「そうですか」ジュンジェは頷いた。「困ったな。これから約束があって出かけないといけないんだ」
「はい…」
力なく応じるセファ。
「待ってよ、ジュンジェ」
すぐにシアからも声がかかる。
「私がテオにプロポーズする記念すべき日なのに、どこへ行くのよ」
と肩を振る。
「悪い」とジュンジェ。「悪いけど行かないと…おめでとう、シア」
ジュンジェはさっと背を返した。
「お客さまをほっといてどこへ行くの!」
ユランが止めるのも聞かないで出ていった。
悲しそうにしていたセファもさっとコートを握った。
ユランらに挨拶もそこそこに急いで出ていった。
セファはジュンジェを追って街に出た。通りを捜しまわった。
「いったいどこへ行ったのかしら…」
折しも雪が降り出した。通りのあちこちで傘が開きだす。セファは雪に濡れそぼりながらジュンジェの姿を追った。
いつしかジュンジェと待ち合わせをした場所に来ていた。セファはあの日のことを思い出した。この場所でジュンジェが戻ってくるのを待った日のことを…。
その時、傍らをバイクが走り過ぎた。溶けかかった雪を散らしてそれが足元にかかった。セファは思わず後ろにのけぞった。
ジュンジェはどこへ行ったかわからない。不安にさいなまれだしたセファはしゃがみ込んだ。
「幸せに暮らしてるのね。私のことは思い出せないみたいだった…結局、要らなくなったのね…」
セファは諦めて雪の降るままに身を預ける…。
そこへ一人の男がやってきて傘をさしかけた。
人の気配にセファは顔を上げる。
「どうした? また帰る気か?」
2人は目を合わせた。ジュンジェが左手を差し出す。セファはその手を握った。
「これが望みか?」
「…」
「自分が忘れ去られることを…俺にまで…どうして皆の記憶を消した? だから言っただろ」
「私を覚えてるの?」
「ああ…俺はお前を忘れなかった」
「どうやって?」
ジュンジェはセファを抱きしめた。
「バカだな」
「…」
「何度試しても二度と忘れない」
「そんなはずは…ないのに…」
ジュンジェはセファの身体を離した。
「お前の力の限界だ。…俺がお前とどこで何したか、お前が何を言ったか、どんな風に笑ったか…お前はすべて消そうとしたが、俺には効かなかった。俺の奥底に刻まれていた記憶だから、それはどうやっても消えなかったんだ」
「…」
「だけど、努力もした。時間が経つと記憶が混乱し始めたから。だから、毎日、必死に努力した…ノートに記録し続けたんだ。お前が去る前から、いつかお前に記憶を消されたら、記録の中ででも会いたいと思って…”俺は覚えてる””お前は俺の記憶を消すことを選んだようだが””俺の中には今もお前がいる””永遠に忘れない””必ずまた会おう”と書き連ねていった。そして折に触れ、それを読み返した。そしてお前が去ってからは、一年かけて、それらの記憶をつなぎ合わせた。次の一年はお前を捜した。水難にまつわる色んなニュースに触れたりしながらお前の姿を捜した。次の一年でお前と暮らす家を用意した」
―もっと海の近くの家はありませんか?
―ではこれは?
―大きすぎる。
―これは?
―狭すぎる。
―これはどうです?
―周りに人が多すぎる。
―これは逆に人けがなさすぎる。
そしてお前の帰りを待ってたんだ。
ナムドゥから電話もらった時、「やっとその日が来たか」と涙が出たよ。「ほんとに待たせやがって、お前ってやつは…」
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