韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第6話(10)
Korean drama "You're Handsome" Episode 6 (10)
聖母マリア像にお祈りを捧げて引き返してくる院長にミニョの声がする。
「ジェムマ」
ミニョは駆け寄ってきた。
「院長様」
「とてもつらそうね」
「私は何もお話できないのです。だから元気が出ないんです。元気になれるよう抱きしめてください」
ミニョが心の素直な娘だとわかっている。院長はひしとミニョを抱きしめてあげた。
テギョンは露天でアクセサリーを商う店の前に車を横付けした。
「おばさん」
「そこの女性用の髪飾りをください」
「たくさんあるからここで選んでくださいな」
テギョンは手で制した。
「何でもいいですから女性用のをください」
「何でもいいといわれても・・・」
店の女は困ったようにした。
「それでしたら」
テギョンは壊れた髪飾りを見せた。
「これよりいい物をお願いします」
女は現物を見てすぐ類似の髪飾りをテギョンに示した。
「これはどうです? 3千ウォンです」
それでいいとばかりにテギョンは財布を取り出した。中を開くと紙幣がない。小切手しかない。
焦っていると後ろの車がクラクションで急かした。
やむなく小切手を出して渡した。すぐ車を走らせた。
店の女はあわてて叫んだ。
「お客さん、お釣りだよ!」
3千ウォンの髪飾りを眺めながらテギョンはつぶやいた。
「10万ウォンのアクセサリーだ・・・」
この時、携帯が鳴った。
電話したのはユ・ヘイだった。オレンジのスポーツカーに乗っていた。
「誰?」
「誰なのかわからない? 私・・・ユ・ヘイよ」
「お前が何の用だ?」
「どうしてかけたと思う?」
「切るぞ」
「あの女よ」
「何?」
携帯を切りかけたテギョンは問い返した。
「あの女の写真――もう一枚持ってるのよ」
テギョンはサングラスをはずした。
「うちのスタッフが二人が走ってるのを撮っていたの。人の多い場所では気をつけないとね」
「デタラメいうな」
「デタラメだって? そう思うなら思えばいいよ」
「・・・」
「キム記者に送る前に話すべきだと私は思っただけなの。それじゃ、切るわね」
「今、どこだ?」
テギョンはすばやく呼びかけた。
テギョンは川沿いの公園でユ・ヘイと会った。
ユ・ヘイは車輪を模した足場のベンチに腰掛けてテギョンがやってくるのを待っていた。
「やっと来たわね」
「・・・」
「さっきはドアも開けてくれなかったのに・・・気持ちは変るものね」
「・・・写真を見せてみろ」
「あの女、誰なの? 何か見覚えのある気がするんだけど・・・?」
ユ・ヘイはテギョンを見上げた。
「事務所の子?」
「写真を見せろと言ってるだろが」
「図星ね。でしょう? 芸能人? 職員?」
「・・・」
「アン社長に見せればすぐわかるわね」
「・・・俺をからかってるのか?」
ユ・ヘイは笑い出した。
「今頃、気付いた? 写真なんてないわ。もしあったら黙って記者に送ってるわ」
テギョンは呆れて口を曲げた。
「あなた、偉そうにカッコつけてるけどけっこうバカなのね」
「・・・車はどこにある?」
「どうして? 車に八つ当たりするつもり? でも無理、遠くにあるから」
「そうか」
テギョンは口を曲げた。
「それは好都合だ」
ユ・ヘイのハイヒールをすかさず抜き取った。川に向かって思い切り投げた。
「何するのよ!」
ユ・ヘイは叫んだ。
「どこ行くのよ!」
もう片方のハイヒールを脱ぎとってテギョンに向かって投げつけた。テギョンはそのヒールも蹴り飛ばして歩き去った。
「ちょっと、私はどうなるのよ! ちょっと待ってよ!」
テギョンはユ・ヘイのもとから歩き去りながらぼやいた。
「あいつのせいで富んだ時間を食っちまった・・・!」
(続く)
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