韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第16話(最終回)(14)
Korean drama "You're Handsome" Episode 16 (Final) (14)
控え室はシーンとしている。
「遅いな・・・」
フニたちはテギョンらが戻ってくるのを心待ちにしていた。
そこに当人が一人で入ってくる。
「どうした? 連れてきたか?」
「客席にいるはずだ」
「客席? 一万五千分の一ってことか?」とジェルミ。
みんな沈黙する。
どうしたらいいかすぐには思いつかない。
「予定を変更してくれ」
テギョンはスタッフに言った。
テギョンは準備してステージに立った。ステージから客席に目を凝らした。順に客席をなぞっていった。
暗い。これではやっぱり無理だ。見つけようがない。
どうしたら見つけられる?
オープニングの曲が流れ出す。
「ん?・・・この曲は?」
ミニョは流れ出した音楽に気を奪われた。
ステージに立ったテギョンはミニョを見つけるために歌いだす。自分の思いのすべてをこめて歌いだす。
あなたを一歩 見送るたびに
涙があふれる ♪
あなたが一歩 踏み出すたびに
涙がまたあふれる ♪
どんなに手を伸ばしても
届かないところへ ♪
去っていくあなたを 引き止められず
私はただ泣いています ♪
どうしよう どうしよう ・・・♪
・・・・・・♪
愛してる 愛してる ♪
・・・・・・♪
テギョンの歌を聴きながら、ミニョは去りがたい気持ちを揺り動かされるのだった。
だけど、”行く”と決心したこと。ミニョはその気持ちを制してつぶやく。
「あなたが一番輝いている姿を心に刻んで出かけていきます・・・」
ミニョはチケットを握った。歌はまだ残っているが出発の時刻は迫っている。
そっとステージに背を向ける。観客の間を抜けて歩き出す。
歌は間奏に入った。
「聞こえているだろ!」
テギョンは会場にいるミニョに向かって呼びかけた。
ミニョはピクンと足を止めた。
「お前の居るところは暗くて、俺にはお前を見ることが出来ない。見えない場所にいるな。俺の前に姿を見せろ」
テギョンの言葉を聞きながら、ミニョは気持ちを抑えている自分が切なくなった。目に涙があふれるのを止めることが出来ない。
「お前を見ることを許してくれ」
観客はどっと沸いた。黄色い声が会場を包んだ。
ためらいつつミニョはステージの方を振り返る。
(続く)
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