雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話⑮






 韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話⑮

Korean drama "The Legend of the Blue Sea" Episode 9 ⑮


第9話⑭

 シアは冷淡な声で言った。
「またとない機会と思わせて判断力を鈍らせる。それって典型的な詐欺の手口よ」
 ジンジュ夫妻は黙って目を見合わせる。
「だったら」
 ジンジュは切り出した。
「うちで食事する時、あなたも同席してよ」
 ドンシクも頷く。
「そうだ、それがいい」
「いいわ。そうしましょ」
 この時、シアの携帯が鳴った。

 事が上手く運んで、ナムドゥたちは帰りのクルマの中でご機嫌だった。
「今日のシムチョンは最高だったな」

★★★


「そうだった?」
 ソファはご機嫌だった。
「ああ、それはもうスパイさながらだった。なあ、ジュンジェ」
「まあな…」
 ジュンジェは一瞬浮かぬ顔になった。考え事をしていたようだった。
 素直な心を持つソファを詐欺の仕事に引き込んだ後ろめたさでも感じていたか…。
 すぐもとの表情に戻った。
「シムチョンは賢いから事の飲み込みが早い。そうだろ?」
「親ばかみたいだな」
「単なる事実だ」
「私も国の仕事を手伝えてよかったわ」
 ジュンジェは苦笑いする。
 ソファは車窓に目をやる。
「知ってる? あのゲーム機を置いた人は詐欺師なんだって」
「あん? 誰が言ったんだ?」
 とナムドゥ。
「みんながそう言ってたわ。ぜんぜんぬいぐるみを取れないから。悪いヤツよ」
 車内で笑い声が起きた。
 テオだけが真顔で苦い反応を見せる。
 ナムドゥが自分たちの弁護を始めた。
「基本的に詐欺師は悪いヤツだけど…ひどいヤツばかりじゃないぞ。もっと悪いヤツをだます詐欺師もいるんだ」
「でも、人を騙すのに変わりはないでしょ?」
 とソファ。


 ナムドゥはブスっとして言った。
「一度も人を騙したことはないのか? どうなんだ?」
 ソファは黙った。
 …自分もみんなを騙している。
「何の秘密もないか?」
「…」
「あるんだろ?」
 そう言われてソファは沈み込んでしまう。
 ソファを見てジュンジェは言った。
「シムチョンを責めるなよ」
「何だ。ほんとに親のつもりだな。シムチョンの肩を持ってさ」
「…」
「お前たち何かあったのか?」
「俺の車だ」
 ジュンジェは怒鳴った。しかめた顔で言った。
「騒ぐならクルマからおりろ!」
 その時、シアから電話が入った。



 シアは出土品を補完する博物館の臨時倉庫にジュンジェを案内した。
「出土品とは思えないほど保存状態が良好だそうよ。完全密閉の箱に入った状態で埋められてたって…」
「埋められてたって?」
「うん。後世に発見されるのを望んでたみたいに…」
 二人は臨時倉庫のドアの前に立った。シアがセンサーにスマホをかざす。
 ドアが開いた瞬間、ジュンジェは「もしや」の感情に見舞われた。脳裏に戻ってくるものがある。シアに気持ちの動揺を読まれたくない。
「先に1人で見てもいいか?」
 ためらいを見せながらシアはそれを容認する。
 ジュンジェは1人で広い倉庫に入った。ジュンジェが入るとシアはドアを閉めた。
 ジュンジェは暗い照明の点る倉庫を奥へ歩いていった。そして一幅の肖像画の前に立った。 
 ライターを取り出し火をつけた。肖像画に向けてかざした。
  ジュンジェの目に浮かび上がってきたのは夢の中に登場した武官の姿だった。その顔を見た瞬間、彼の表情は固まってしまった。



<script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb


名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「青い海の伝説」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事