韓国ドラマ「青い海の伝説」第5話⑧
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 5 ⑧
第5話⑦
ジュンジェの気配が消えてしばらくすると、何か美味しい匂いがしだす。匂いに引かれてセファはそろそろと下におりた。ロングコートを引っかけてバルコニーに出た。広いルーフベランダでジュンジェがバーベキューをやっている。セファは立ち止まった。
「来いよ」
セファを見ないままジュンジェは言った。
★★★
セファはバーベキューに向かって駆け寄る。
ソーセージを掴み上げ、口に持って行こうとする。
「熱いぞ」
ジュンジェに言われてフーフー息を吹く。
あんまり続けているので「もういいぞ」とジュンジェが言う。
バーベキューで食事をすませ、二人はテーブルで落ち着く。
セファは満腹感で満たされた上、恋敵のシアを追い出した後でもあって気分は上々だった。
「思う存分食べたか?」
セファは小さく頷く。
「手を出せ」
ジュンジェはポケットから何か出した。セファの手に差し出す。
「携帯だ」
セファに握らせてから訊ねる。
「それが何かは分かるな?」
「…」
ジュンジェはやっぱりの顔になる。
「ちょっと貸せ」
携帯を手にし何か操作した。
「こうやって、1番を長く押せば俺と話せる」
言われた通り、セファは1番を押した。ジュンジェの握った携帯が鳴った。セファは驚く。
「むやみに押すんじゃないぞ」
「…」
「スペインでのことを話す気になったらこれを押せ。そのための携帯だからな」
「…」
「それと…」
もう一つポケットから取り出した。
「これは乗車カードだ」
テーブルに置く。
「以上だ」
あらぬ方を見て冷たい表情に戻る。
「分かったら、行け」
セファは立ち上がれないでジュンジェを見ている。
「行けよ」
ジュンジェは強い声で言い放つ。
「ここから私を追い出すの?」
「ああ。約束は何のためにあると思う?」
”約束”の言葉がセファの脳裏に一瞬蘇る。
”約束は何のために?”
スペインでもジュンジェは同じ話を口にした。
「守るために」
と答えるとジュンジェは頭を撫でてくれた。
「守るために…」
セファは重い気分で答える。
「分かってるんだな…話す気がないならここから出て行け」
「あなたも約束して」
セファは言った。
ジュンジェは意外そうにする。
「俺が何を?」
「ギブ・アンド・テイクよ」
セファの口から出た言葉に混乱を覚えつつ訊ねる。
「何の約束を?」
「次は初雪の日に会いましょ」
「何言ってる? この状況で次なんてないぞ」
「初雪の日に私から話したいことがあるの」
「何の話だ? 今話せよ」
「今?」
セファは口に手を当ててつぶやく。
「今は話せない…」
顔を上げた。
「私たち、次に会うのはあそこで」
セファは前方を指さした。
「どこ?」指差した方向を振り返る。「南山か?」
「ええ、あそこで会いましょう」
「断る。雪の日は混むから行きたくない。俺はそんなのに興味はない」
「必ず話したいことがあるの」
「…」
「約束したら出ていくわ」
「…分かった。分かったから…行け」
ジュンジェは席を立った。行けとばかりにセファを見た。
セファは立ち上がってジュンジェの家を出た。
去りかけてルーフバルコニーを見上げると、ジュンジェもそこからセファを見下ろしている。目が合うとジュンジェは中に消えた。
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb