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雨の記号(rain symbol)

素直な気持ちで

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「フィギュアの女王」は今後も世界のライバルと激しい争いを続けるのか。それとも、世界中の華やかな舞台でファンの前に立つのか。

 キム・ヨナの「苦悩」はこれからだ。16-18日に開催されたアイスショー「フェスタ・オン・アイス2010」(ソウル・オリンピック公園第一体育館特設リンク)に出演したキム・ヨナは、自身の今後については依然明らかにしなかった。アイスショー終了後のインタビューで、「今後についてはまだ何も決まっていない。もう少し休んで、気持ちに余裕を持ちたい」と語った。
 だが、遅くとも来月にはキム・ヨナの去就がはっきりしそうだ。「5月末には、どういう道に進もうと、再び選手としてトレーニングをするとか、プログラムを作ることになる。それは、わたしがどういう道に進むかで決まると思う」と語った。
 選手生活を続けるにせよ引退するにせよ、キム・ヨナがスケートを続けることだけは確実だ。3月の世界選手権終了後には、「(現役選手として)大会に出場し続けるのか、アイスショーの舞台などでプロとして活躍するのか悩むことになると思う」と話していた。キム・ヨナは練習拠点のカナダに戻るまで、感覚を維持するために週3、4回ほど練習しながら休養する予定だ。
 世界選手権終了後は、韓国でのCM撮影や各種のイベント、アイスショーの準備などのスケジュールに追われ、十分に休めなかったキム・ヨナは、ようやく自由な時間を満喫できる。気持ちに余裕を持ってこれまでの自分を振り返り、将来について設計する時間でもある。
 ブライアン・オーサー・コーチや振り付け師のデービッド・ウィルソン氏は、キム・ヨナの将来について、「ヨナ自身がハッピーになれるよう、やりたいことを決めるべき」と常に語っており、キム・ヨナの両親も「本人が決めたことを全面的にサポートする」と話している。
 五輪の金メダルだけを夢見て休む間もなく走り続けてきたキム・ヨナが、しばし立ち止まって新たな道について考える。キム・ヨナは果たしてどんな道を選択するのか。
(ニュース記事より)

 アイスショーが終わった後、彼女が今後についてどんな発言をするだろうと思っていた。
「今後についてはまだ何も決まっていない・・・」
 それはそうであろう。
 ずいぶん経ったように思うが、世界選手権からひと月、オリンピックが終わってからもまだふた月と経っていないのだ。
 だが、繰り返される彼女の発言をこまかく拾っていくと、おぼろげながらその道筋は見えてくる気はする。
「5月末には、どういう道に進もうと、再び選手としてトレーニングをするとか、プログラムを作ることになる。それは、わたしがどういう道に進むかで決まると思う」
 どういう道を選択しようと、フィギュアスケーターであり続けたい、との思いは伝わってくるではないか。となれば、彼女がいちばん気にかけているのは、バンクーバーを目指した時の強い意志を次に向けても保ち続けられるかどうかの一点にあると思われる。
 選手生活を続けるとなればソチ五輪を目指すことになる。バンクーバーを目指した期間を振り返って彼女自身も述懐していたが、バンクーバーを目指した四年間はじつに長い道のりだったようである。それをまたあと四年続ける。四年かけてやっと勝ち得たものは栄光の終焉を意味するのではない。そこを終焉とするかどうかは選手個人が決めることで、栄光そのものはそこに留まらず、新たな指標として四年先にセットされる。次のチャンピオンとの出会いに向け時間の上を永久のシナリオとして突き進んでいく。折り返し点に入ったマラソンランナーのように、その栄光を追いかけていく者にはこれまで以上のエネルギーが要求されるだろう。時間としては同じでも、ディフェディングチャンピオンの彼女にとって、今まで以上に長い道のりとなりそうなのは明白なのだ。
 彼女の技量について僕はまったく心配していない。しかし、モチベーションの下がった世界選手権のような例もあるし、彼女にとってソチへの四年はバンクーバーまでの四年より厳しいことは間違いないようだ。それは彼女が追われる立場となったからだ。
 トリノオリンピックとバンクーバーオリンピックを並べてみればいい。
 トリノオの表彰台を占めた選手は、バンクーバーに姿すら見せなかった。レベル向上の著しいフィギュアスケート界にあって、オリンピックの連覇どころか表彰台に乗るのさえいかに難しいかを示すものだ。
 ソチを目指したとしてもキムヨナ選手がこのような運命をたどらないとは限らない。
 次の表彰台に乗れなかったからと言って過去の栄光は消えはしないが、彼女もやっぱりそこを考えてしまっているのだろうと思う。
 とりあえず、彼女について現実の問題を拾ってみよう。
 これまで、膝や腰の不調に悩んだこともあった。身体の成長期を過ぎてそれは重要な問題でなくなったにしても、今度は身体のバネや体力維持の問題が課題として浮上する。一番心配なのはジャンプのレベルや質が落ちていきはしないかということだ。トリプル・トリプルを今後も回転不足なく飛び続けることができるかどうか。3Aが規定要素としてショートプログラムに組み入れられるようになれば、それだって飛べるようにならないといけない。それよりも何よりも自分が、台頭しつつある次世代選手の勢いある演技に対抗していけるものを今後も生み出し続けることができるのかどうか。
 選手生活を続け、結果が思わしくなければ後悔することになってしまうかもしれない。そこが一番彼女の怖れるところなのだろう。
 しかし、調子は決してよくなかったのにバンクーバー目指して予選に出てきたコーエン選手を僕は好きである。予選落ちしたが、あれでトリノの銀が色あせたとも思わない。かえってフィギュアスケートに賭ける思いが強く伝わってきて親しみが強まった。
 失敗するかどうかにこだわり、彼女が選手生活を続けるのを怖れているのなら、どうかそこのところは消してほしいなと思う。周囲の意向も、そういうのもみんな消して、選手生活を続けるか、競技に疲れたからショーなどやりながら自分の時間を過ごしていくか、を素直な気持ちで決めてほしいと願う。
  
 またしばらく、気になる日々が続きそうだ。
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