雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「プレーヤー」（連載25）

2021-02-19 21:08:24

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韓国ドラマ「プレーヤー」（連載25）

☆主なキャスト＆登場人物　
○ソン・スンホン➡（カン・ハリ（チェ・スヒョク））
○クリスタル➡（チャ・アリョン）
○イ・シオン➡（イム・ビョンミン）
○テ・ウォンソク➡（ト・ジヌン）
○キム・ウォネ➡（チャン・インギュ）

　「プレーヤー」第２話→（警察も検察も思いのまま）⑪

★★★
「早く来い」
　ハリはジヌンらを急かし先頭を切って逃げる。　
「もう走れないよ」
　泣きの入りだしたビョンミンの手を取ってジヌンがブルドーザーのように走る。
「お前たちはこっちへ行け。お前らはあっちだ」
　ハリらを見つけられないシムチーム長は、部下たちを方々に向かわせて
自分はまっすぐ前に走った。
　ハリたちは橋を渡った。川の向こう側に逃げ込んだ。
　ハリは後ろを見て叫ぶ。
「早く来い」
「待ってくれよ」
　ビョンミンたちは口をゼーゼー言わせながらついて来る。

　追手の動向を窺いながら、アリョンはハリに情報を送る。
「気をつけて。追手が増えてヤクザも出てきたわ」

★★★　
　
　ハリたちは刑事にヤクザまで加わった連中に追いつかれた。立ち向かうしかなくなった。

　ジヌンが1人で彼らの前に立ちはだかる。連中が足を止めたのを見て、ハリとビョンミンは再び走って逃げだす。
　怖い顔をした武闘ボスの男がハリとビョンミンを単独で追った。
　ハリたちは建物に飛び込み、階段を駆け上がる。屋上に逃げ込んでハリはドアを閉めた。押さえた。
「ここで復元しろ。早く」
　ビョンミンはショルダーバッグからノートパソコンを取り出す。
　ドアを押さえたままハリは叫んだ。
「早くやれ」
「やってるよ」

　ドアが強引に押され、ハリの身体は飛ばされた。武闘ボスが飛び出して来る。
　ハリは肩を打ち付けて腕を押さえる。武闘ボスはビョンミンに向かっていく。
　ビョンミンは叫ぶ。
「奴が来る。止めてくれ」
「おい、こら～！」
　ハリは後ろから挑発する。
　ビョンミンは逃げ腰で言った。
「ほら、あっちに呼ばれてるぞ」
　武闘ボスは振り返る。
「押したんなら謝れよ。痛いだろ」
　武闘ボスは笑う。
「イカれた野郎だ」
「おっ、何で分かる？　秘密なのに…」
「ほざくんじゃない。お前から先だ」
　殴りかかってくる男の攻撃を交わしながら、ハリは質問を飛ばす。
「まだか？」
　ビョンミンの両手は秒速10倍で動き出している。
「あと少しだ」　
　ハリは男の攻撃を交わし、投げ飛ばす。男はすぐ起き上がってくる。

男のパンチをさらにかわし、脚に蹴りを入れる。よろめいて倒れたところを抑え込む。
　その最中、パソコン画面のインストールボックスは赤から緑に染まった。
　ビョンミンは叫んだ。
「できた～！」
　その瞬間、男を抑え込んでいたハリの身体は横に飛ばされた。男は起き上がりビョンミンに向かっていく。
　ハリは後ろから男目がけて走った。追いついて肩に手をかけ飛びあがった。宙空から男の顎に蹴りを炸裂させた。　男は大木のように倒れた。

　その頃、ジヌンは向かってくる相手を千切っては投げ、千切っては投げを繰り返し、最後の相手を川に投げ入れて格闘に終止符を打った。
　そこにハリたちが駆け戻って来た。
「どうだ、終わったか？」
　ジヌンは答えた。
「ああ、終わったぞ」

　ハリたちはジヌンにハイタッチして走り過ぎる。
「まったく、あいつらときたら…」
　呆れて2人を見送るジヌンのところへ武闘ボスが駆けてくる。ハリたちを追いかけて戻ってきたのだ。
　ジヌンにパンチを見舞って部下たちに武闘ボスは叫んだ。
「何してるんだ！　立て！」
　男たちは起き上がり、ハリたちの追跡に立ち上がる。
　不意打ちを食らったジヌンは口に血を滲ませて立ち上がった。
　行こうとする武闘ボスに向かって言った。
「お前は残れ」
「借りはすぐ返すタチ（性質）だからな」

　ヤクザの連中はやっつけたが、刑事たちの追跡はまだ続いていた。
「奴らはどこに潜んでるんですかね」
「このへんに間違いはないはずだがな…」
　ハリたちは身をひそめて彼らの様子を窺った。
　ハリはビョンミンを見た。
「USBをくれ」
「どうして？」
「いいから、早く」
　シムチーム長は近くをうろうろし続けている。
　ビョンミンはヒソヒソ声をハリに返す。
「俺が持ってるよ」
「早く…！」
　ハリはヒソヒソ声で怒る。
「俺が持っててもいいだろう」
　ハリは黙って手招きする。
　ビョンミンは舌打ちしてショルダーの中をまさぐる。USBを取り出してハリに投げる。
　ハリは頷いて言った。
「先に行け」
「えっ？」
　ハリは手を振って姿を消した。
「どこに行ったんだ」
　ビョンミンもぼやきながら行動を起こした。
「連中からどうやって逃げるんだよ、もう…」

　その頃、ジヌンと武闘ボスは果てしのない格闘を続けた。
　最後に立ち上がったのはジヌンだった。口元に血を滲ませながら相手を見下ろした。
「まだまだだな。運動でもして鍛え直せ」
　ジヌンは男に背を向けて立ち去ろうとする。
　男は近くにあった板を握って立ち上がった。気合もろとも殴りかかろうとする。
　しかしジヌンは相手の緩慢な動きを素早くかわすと同時に重いパンチを見舞った。後ろに吹っ飛んだ相手は、大の字になってそのまま動かなくなった。

　