雨の記号(rain symbol)

キムヨナの最終章プログラム

2013-05-13 23:55:07

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キム・ヨナのアイスショー、ミュージカル『レ・ミゼラブル』と出会う

“フィギュアクイーン”キム・ヨナ（２３）のアイスショーがミュージカル『レ・ミゼラブル（Ｌｅｓ　Ｍｉｓｅｒａｂｌｅｓ）』と出会う。

キム・ヨナのマネージメント事務所である（株）オールザットスポーツは、来月２１日から２３日までの３日間、ソウルオリンピック公園体操競技場の特設アイスリンクで開かれる『サムスン・ギャラクシー★スマートエアコン・オールザットスケート２０１３』のコンセプトが「レ・ミゼラブル－夢を見よ、挑戦せよ、愛せよ」に決まったと明らかにした。

今回のアイスショーのコンセプトは、『レ・ミゼラブル』の原作が見せた愛と許し、希望と救いについての意味や、日常に疲れた人々に差し伸べる慰安とこの時代に挑戦するすべての人々へ送る激励と応援のメッセージを込めている。今年３月のフィギュア世界選手権大会でキム・ヨナが金メダルを獲得した伝説的なプログラムとして人々の記憶に残った『レ・ミゼラブル』の感動をアイスショーを通じてさらに極大化するものだ。また、キム・ヨナのフリースケーティングプログラム選曲で始まり、映画とミュージカルに続く『レミゼラブル』の熱風をアイスショーでも受け継ぐという意味も込められている。

キム・ヨナは今回のコンセプトに合わせて自身のフリープログラム『レ・ミゼラブル』を韓国のアイスショーファンの前でもう一度披露する。キム・ヨナは「多くのファンがレ・ミゼラブルを心から愛してくれ、私も好きなプログラムなので、これを越えるプログラムが他に出てくるかと不安に思うこともある」と話し、格別の愛着を見せていたことがある。

今回のアイスショーの総演出を引き受けたオールザットスポーツのク・ドンフェ副社長は「本アイスショーでミュージカル『レ・ミゼラブル』を鑑賞するような雄大壮厳な雰囲気を演出するため、本作の空間的背景を直観的に表現する建物、バリケードなどの象徴的オブジェや映像装置を積極的に活用する計画だ。またミュージカル『レ・ミゼラブル』の感動的な場面をフィギュアスケーティング選手が氷の上で群舞として表現する予定だ」と説明した。
（フィギュアスケートニュースより）

――多くのファンがレ・ミゼラブルを心から愛してくれ、私も好きなプログラムなので、これを越えるプログラムが他に出てくるかと不安に思うこともある。

　キムヨナが話したように僕もそう感じる。
　『レミゼラブル』のようなすばらしい作品（プログラム）がオリンピック本番でなく、前哨戦的意味合いを持つ世界選手権でどうして出てきてしまったのであろう、と。
　彼女が不安に思う気持ちはよく分かる気がする。
　
　だったらこの『レミゼラブル』を持ってオリンピックに臨めばいいではないか、と外野の僕らは単純に考えてしまう。
　前年の世界選手権で『レミゼラブル』を演じたから、次のオリンピックでこれを演じてはいけない、という決まりがあるわけではないだろうからだ。
　ここまでフィギュアファンを沸かせたプログラムだから、これでオリンピックに臨めばそれこそ金メダルの可能性はますます高いはずではないか、と。
　しかし、彼女は意地でもそうはしないはずである。

　――あなたにとってもっとも自信のある作品は？

　と問われ、黒澤明は答えている。

――次回作です（記憶違いではないと思ったが）。

　名文句である。芸術家はこうでなくてはいけない。
　いや、スポーツマンにも通じる話であろう。
　１００メートル９秒５８の世界記録を持つウサイン・ボルトは、これでいいと思っているであろうか。現役選手である以上、彼は自身のこの記録を塗り替える野望は決して失っていないであろう。記録を塗り替えるか塗り替えないかは別にして、そういったモチベーションを失ってしまった時はたぶん彼の負ける日も近くなる。

　『レミゼラブル』を超える作品（プログラム）を生み出せるだろうか？　
　そういった不安を抱え込みながらも『レミゼラブル』は過去の作品とし、新しいプログラムで来年のオリンピックに臨もうとするキムヨナへの期待はますます高まる。
　過去の優れた芸術家、スポーツマン（ウーマン）のたどってきた前向きで困難（棘）の道だからだ。
　キムヨナは『レミゼラブル』を超える作品（プログラム）を生み出してオリンピックに登場してくれるだろう。
　彼女の最終章はどんな作品（プログラム）で飾られることであろう。
　前回（死の舞踏ＶＳガーシュイン（Piano Concerto））のように甲乙つけがたいのか？　それとも『レミゼラブル』を超えるのか？　注目して待つとしよう。