雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載74)







韓国ドラマ「30だけど17です」(連載74)



「30だけど17です」第8話(13年前の少女)⑧


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)



★★★ 

 ジェニファーからプレゼントされた靴の履き心地を確かめているとチャンがおりてきた。
「どうしたの?」
「出勤です」
 チャンは柱時計に目をやった。まだ朝の5時を回ったところだ。
「バスも走ってないけど…」
 ソリはにこにこして答える。
「早く出社したくて…どうせ、歩いて通います。行ってきます」
 ソリは手を振る。
「歩きじゃ遠い…あっ!」
 チャンは手を叩いた。
「何て偶然なんだ。俺もこれから早朝トレーニングなんだ」
「…?」
「いつもこの時間は自転車に乗るんだ。知ってる?」
「えっ、そうなの?」
「今日、知ったね。ついでに送ってあげますよ」
 チャンは急いで庭を探し回った。
「どこかに転がっていたはずだ…」
 自転車を物置から引っ張り出してきた。
「さあ、乗って」
 ソリは自転車を見てしばらく動かない。
「…古い自転車だけど、本当に毎日乗ってるの?」
「も、もちろんさ。ビンテージだ。お祖父ちゃんが、昔、乗ってたやつなんだ」
 ソリはしどろもどろで答えるチャンに話を合わせた。
 そして、ふと見て「おっ!」と声を出す。
「どうしたの?」
「ポロロに覚えが…」
「ポロロ? ああ〜、これ。ポロロ。子供の頃、このアニメが大好きだったんだ。まだ残ってたのか」
「…」 
「おばさんも好きでした?」
「いいえ、ちょっと思い出しただけ…行きましょう」
 ソリは荷台にひょいとまたがった。
「行きますよ」
「はい」
 ソリはチャンの腰に腕をまわした。
「うひゃうひゃ、こそばゆい」
 ソリは腕を離した。
「くすぐったいのね」
「…」
 
 チャンはギコギコ自転車を漕いだ。スピードは出ないが自転車は重い二人を載せて目的地に向かって順調に走った。
 ソリを後ろに乗せてチャンはご機嫌だった。

★★★


「下り坂だ。さあ、スピード出るよ。それ行け〜ッ!」
 しかし、チャンは調子に乗り過ぎた。
 スピードが出過ぎてソリは怯えて叫んだ。
「あ、危ない。速い速い、速すぎるよ」
 ソリが怖がってるのにチャンはビュンビュン自転車を飛ばした。
 自転車の荷台から放り出されまいとして、ソリはチャンのシャツやパンツを力いっぱい握りしめる。
 パンツのゴムはギューンと伸びた。ひんやりした風がパンツの中に流れ込んでくる。チャンは焦った。叫んだ。
「ワア〜、それ、やめて! 引っ張るとパンツが食い込む。ダメ、ダメ、引っ張らないで。ダメだってば〜!」
 
 ともあれ、ソリは無事に事務所に出勤した。代表のヒスやチン・ヒョンも出勤して業務はごく普通に始まった。
 ウジンの出勤が遅いのを気にし合っているとヒスの携帯が鳴った。
「えっ! うちのコンが?」
 ソリやチン・ヒョンはヒスのやりとりを気にした。
「分かりました。ではワークショップでお目にかかります」
 電話のやりとりを終えるとヒスは小首をかしげた。
「おかしいわね」
「どうしたの? ウジンさんに何かあったの」とチン・ヒョン。
 ヒスは頷きながら説明した。
「コンが会議の時間を早めて―終わらせて帰ったそうよ」
「変だな」とチン・ヒョン。「そんな積極的なタイプじゃないのに」
「最近、外出が多いわね」
 ヒスは難しい顔でつぶやいた。
「どういうこと…」
「ジャズ公演の曲目は〜」
 チン・ヒョンは冊子を手にし、ページを繰り始める。
「17ページです、先輩」
 ソリがすかさず答えた。
 ソリを見てヒスはふと思い当たった。
 ひょっとしてこの人のせい…? 誰にも無関心なコン・ウジンだが、この人に対しては別の人格を発生させている。それはどうしてなんだろう…。
「おお、あった。本当だ」とチン・ヒョン。「ありがとう」 
 ウジンとこの人の間には私たちの知らない何かがある…。
 チン・ヒョンはソリを見て考え込んでいるヒスにご機嫌な声で提案した。
「ヒスさん、新人歓迎会はやらないの? やりましょうよ」
 チン・ヒョンとソリは、何の反応も見せないヒスを怪訝そうに見やる。
 2人に見つめられてヒスは我に返った。
「ええ、そうね。やろう。やりましょう」
 ヒスはソリに訊ねた
「ソリさんの好物は?」
 ソリは即座に答える。
「トッポッキの麵入り」


 目に飛び込んでくるすべての物という物をサイズ化し測量せずにいられないウジンの奇異なクセは再びぶり返していた。
 その日、早々と仕事の用向きをすませたウジンは、メジャーとカメラを手に日が暮れるまで目に飛び込んで来る文明の利器や生産物を測量して回った。
 
 その頃、ヒスたちは3人でソリの歓迎会を始めていた。
「新人歓迎会ならやっぱり豪勢な食事会にしないとね。それにはやっぱり牛肉だ」
 チン・ヒョンはチャミスルのビンを握り、ソリにすすめる。
 するとソリは戸惑いながら言った。
「私はお酒を飲んだことがなくて…」
 チン・ヒョンとヒスは「えっ?」という表情になった。
 仕方なくソリは両手に握った小さなグラスを差し出す。
「では少しだけ」
 チン・ヒョンは腕を伸ばしてチャミスルを注ぐ。
「まさに天然記念物だな」
「初めて…?」
 ヒスはソリに不思議なものを感じたが、そんなことを考える場所ではない。
「ソリさんを歓迎する意味で乾杯しましょう。乾杯」 
「乾杯」
「乾杯」
 3人はカチンとグラスを重ねた。
 グイと飲んでソリは顔をしかめた。
「どう? やっぱり飲めない?」とヒス。
「おいしいわ」
 ソリはケロリとした声で答える。
「いいね」とチン・ヒョン。「もう一杯いこう」
「では少しだけ」
 と言いながら、何杯も飲むソリを見てチン・ヒョンは訊ねる。
「本当に初めて?」
 頬を染めながらソリは答えた。
「こぼしたらもったいないから…」
 そのうち、ソリは自分でビンを握りチャミスルをグラスに注いだ。
「お酒って美味しいものですね」
 そう言いながらグビグビ飲んだ。
 酔いが表情やしぐさに出始めたころヒスは訊ねた。
「コンとの同居は大変でしょ?」
 ソリはパチっと目を開けた。
「とんでもない。住まわせてくれて感謝してます」
「…」
「もうじきそこを出ますけど…」
 ヒスはウジンでソリが苦労してると察して切り出した。
「あいつはよく他人を不愉快にするけど、根は悪い奴じゃないからソリさんが理解してあげて」
 ソリは首を横に振った。
「私はちっとも不愉快じゃないです。おじさんはいい人だし、気遣いのある人です」
「怒らせるんじゃなくて気遣いを?」
 ヒスはソリの反応を意外そうにした。チン・ヒョンの歓迎会に乘ったのもソリが対ウジンで苦労してるらしいのを慰める思いもあったからだった。



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