韓国ドラマ「30だけど17です」(連載208)
「30だけど17です」最終話(幸せの扉)⑥
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
数日後、ジェニファーもこの家を後にした。静かに彼女を送りだし、この家に残ったのは僕とソリとトックだけになった。
賄の契約期間を果たし終えて出て行く時、この家での出来事の多くがジェニファーにとっても貴重な宝物となった。
この家を出ていく時、ジェニファーは贈られた選別の品をとりだし、しばしそれらの記憶に浸った。
― ジェニファーのおかげでメダルが取れました。お茶を飲んでたのを思い出して用意しました。 ヘボム ドクスより
― お世話になりました。この半年、ジェニファーが母親代わりでした。そうだ、同じように見えても微妙に違います。 チャンより
ジェニファーが出て行こうとした時、トックも寝床から飛び出してきて尻尾を振った。
ジェニファーはトックの頭を撫でて別れの挨拶をした。
「元気でね」
玄関先に立つとそこにも贈り物が置かれていた。
― 約束通り、ステキな靴を贈ります。 ソリより
靴を履きこんだところに部屋からソリが飛び出してきた。
振り返ったジェニファーをソリは抱きしめた。
「照れても省略したくない。トゥクチョカヨン(得肇佳縁)。美しい縁に初めて巡り会った」
ジェニファーはその日のことを思い出した。
― 袖すり合うも他生の縁。今の私の心情を四字熟語で表現したものです。
ソリは涙ながらにお礼の言葉を伝えた。
「美しい出会いをありがとう。感謝してます」
ソリの言葉にジェニファーの目からも涙が溢れ出た。
「必ずまた会いましょう」
ソリの肩先を撫でながらジェニファーは涙を流した。
トランクを引っ張り、手荷物を抱えて玄関を出てくると、そこではウジンが待っていた。
「送ります」
「ノーノー、タクシーで…」
いつもの調子でジェニファーは答えた。
「ですが、どうしても僕が見送りたいんです」
「お心遣いには感謝いたします。でも」
「…」
「自分の足で―出ていくところから始めたいんです」
「はい」
ウジンはジェニファーの心を理解した。
歩み寄りジェニファーをハグした。
「いろいろとありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
ジェニファーは通りに出た。
力強い足取りで人生の再出発を開始した。
こうしてジェニファーは出ていった。
ドクスとヘボムはウジンとソリに挨拶した。
「2人とも元気でね」
ソリは2人に両手を振った。気持ちのどこかにはドクスとヘボムのような高校生気分が残っていた。
「悲しい顔しないで」とヘボム。「すぐ会えるでしょ」
「…」
「また遊びに来ます」
「それではまた」
一礼して2人もここを出ていく。
背を返すとピアカの巣箱をかかえてチャンが階段を下りて来る。
ウジンが訊ねた。
「マンションでピヤクを飼えるのか? 最近、よく鳴くし」
チャンはピアカを見た。ため息をついた。
「一緒にいたいけど、見送る時が来たみたいだ」
「…」
「家も狭くなったしね」
ウジンを見て言った。
「いい環境に送りだすよ」
「チャン君、元気でね」
ソリが両手を振る。
「遊びに来てね」
「たまに、のつもり?」とチャン。「毎日、来ても歓迎してよ」
そう言い残してチャンも家を後にした。
半年前、ヒヨコとうちに来たチャンは、立派な鶏に成長したピヤクとこの家を後にした。
家に残った僕たちは、穏やかで平凡な日々を過ごしていった。
そうして2年の歳月が流れた。
ソリは両親のお墓参りにやってきた。何気によそに目をやったソリの視界に見覚えのある者の姿が…。
思わずソリは声をかけた。
「ミンギュ。キム・ミンギュ」
2人のそばに駆けていった。
ミンギュはすぐ反応した。ソリに向かって駆けてくる。
「ソリ、お姉ちゃん」
クク・ミヒョンも足を止めて振り返る。
「ステキな服ね」
ミンギュの前でソリはしゃがんだ。
「誰のプレゼント?」
ミンギュは笑って答えた。
「お姉ちゃん」
「いい子ね」
ソリはミンギュのホッペをつねる。
横を向いたままミヒョンはミンギュを呼ぶ。
「ミンギュ、行くわよ」
どこかにまだわだかまりを残しているらしい。
ソリはミヒョンをちらと見てミンギュに訊ねた。
「美味しい物を食べてく?」
「うん」
ソリはミンギュの手を取った。
ソリはミヒョンとも元通りの関係に戻りたいと願っている。
「ママの手も握って」
ミンギュはソリの手を引いてミヒョンの所に戻った。
いわれた通り母親の手を取った。
3人は並んで歩き出す。ミヒョンは頑なな表情を崩さない。
並んで歩きながらソリは笑顔で言った。
「私、大学に入りました」
「…そうだったの。おめでとう」とミヒョン。
「でしたら、お祝いにごちそうしてください」
ソリはミンギュを見た。
「ミンギュ、ママに何をごちそうしてもらおうか?」
手を引いて先に歩き出す。
ミヒョンの表情からも思わず笑顔がこぼれ出た。
大学に進んだウ・チャンはボート競技でメキメキ頭角を現していた。
「第15回全国ボート大会」のニュースが流れた。
― 体育大学のユ・チャン選手がプロ選手に勝ち、個人戦で2年連続金メダルを獲得しました。
表彰台をおりてきたチャンに役所ボート部の監督が声をかけた。
「スカウトするなら、年俸を上げないといけないな。おめでとう」
ユ・チャンは苦笑しながら監督の悪手を受けた。
「30だけど17です」最終話(幸せの扉)⑥
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
数日後、ジェニファーもこの家を後にした。静かに彼女を送りだし、この家に残ったのは僕とソリとトックだけになった。
賄の契約期間を果たし終えて出て行く時、この家での出来事の多くがジェニファーにとっても貴重な宝物となった。
この家を出ていく時、ジェニファーは贈られた選別の品をとりだし、しばしそれらの記憶に浸った。
― ジェニファーのおかげでメダルが取れました。お茶を飲んでたのを思い出して用意しました。 ヘボム ドクスより
― お世話になりました。この半年、ジェニファーが母親代わりでした。そうだ、同じように見えても微妙に違います。 チャンより
ジェニファーが出て行こうとした時、トックも寝床から飛び出してきて尻尾を振った。
ジェニファーはトックの頭を撫でて別れの挨拶をした。
「元気でね」
玄関先に立つとそこにも贈り物が置かれていた。
― 約束通り、ステキな靴を贈ります。 ソリより
靴を履きこんだところに部屋からソリが飛び出してきた。
振り返ったジェニファーをソリは抱きしめた。
「照れても省略したくない。トゥクチョカヨン(得肇佳縁)。美しい縁に初めて巡り会った」
ジェニファーはその日のことを思い出した。
― 袖すり合うも他生の縁。今の私の心情を四字熟語で表現したものです。
ソリは涙ながらにお礼の言葉を伝えた。
「美しい出会いをありがとう。感謝してます」
ソリの言葉にジェニファーの目からも涙が溢れ出た。
「必ずまた会いましょう」
ソリの肩先を撫でながらジェニファーは涙を流した。
トランクを引っ張り、手荷物を抱えて玄関を出てくると、そこではウジンが待っていた。
「送ります」
「ノーノー、タクシーで…」
いつもの調子でジェニファーは答えた。
「ですが、どうしても僕が見送りたいんです」
「お心遣いには感謝いたします。でも」
「…」
「自分の足で―出ていくところから始めたいんです」
「はい」
ウジンはジェニファーの心を理解した。
歩み寄りジェニファーをハグした。
「いろいろとありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
ジェニファーは通りに出た。
力強い足取りで人生の再出発を開始した。
こうしてジェニファーは出ていった。
ドクスとヘボムはウジンとソリに挨拶した。
「2人とも元気でね」
ソリは2人に両手を振った。気持ちのどこかにはドクスとヘボムのような高校生気分が残っていた。
「悲しい顔しないで」とヘボム。「すぐ会えるでしょ」
「…」
「また遊びに来ます」
「それではまた」
一礼して2人もここを出ていく。
背を返すとピアカの巣箱をかかえてチャンが階段を下りて来る。
ウジンが訊ねた。
「マンションでピヤクを飼えるのか? 最近、よく鳴くし」
チャンはピアカを見た。ため息をついた。
「一緒にいたいけど、見送る時が来たみたいだ」
「…」
「家も狭くなったしね」
ウジンを見て言った。
「いい環境に送りだすよ」
「チャン君、元気でね」
ソリが両手を振る。
「遊びに来てね」
「たまに、のつもり?」とチャン。「毎日、来ても歓迎してよ」
そう言い残してチャンも家を後にした。
半年前、ヒヨコとうちに来たチャンは、立派な鶏に成長したピヤクとこの家を後にした。
家に残った僕たちは、穏やかで平凡な日々を過ごしていった。
そうして2年の歳月が流れた。
ソリは両親のお墓参りにやってきた。何気によそに目をやったソリの視界に見覚えのある者の姿が…。
思わずソリは声をかけた。
「ミンギュ。キム・ミンギュ」
2人のそばに駆けていった。
ミンギュはすぐ反応した。ソリに向かって駆けてくる。
「ソリ、お姉ちゃん」
クク・ミヒョンも足を止めて振り返る。
「ステキな服ね」
ミンギュの前でソリはしゃがんだ。
「誰のプレゼント?」
ミンギュは笑って答えた。
「お姉ちゃん」
「いい子ね」
ソリはミンギュのホッペをつねる。
横を向いたままミヒョンはミンギュを呼ぶ。
「ミンギュ、行くわよ」
どこかにまだわだかまりを残しているらしい。
ソリはミヒョンをちらと見てミンギュに訊ねた。
「美味しい物を食べてく?」
「うん」
ソリはミンギュの手を取った。
ソリはミヒョンとも元通りの関係に戻りたいと願っている。
「ママの手も握って」
ミンギュはソリの手を引いてミヒョンの所に戻った。
いわれた通り母親の手を取った。
3人は並んで歩き出す。ミヒョンは頑なな表情を崩さない。
並んで歩きながらソリは笑顔で言った。
「私、大学に入りました」
「…そうだったの。おめでとう」とミヒョン。
「でしたら、お祝いにごちそうしてください」
ソリはミンギュを見た。
「ミンギュ、ママに何をごちそうしてもらおうか?」
手を引いて先に歩き出す。
ミヒョンの表情からも思わず笑顔がこぼれ出た。
大学に進んだウ・チャンはボート競技でメキメキ頭角を現していた。
「第15回全国ボート大会」のニュースが流れた。
― 体育大学のユ・チャン選手がプロ選手に勝ち、個人戦で2年連続金メダルを獲得しました。
表彰台をおりてきたチャンに役所ボート部の監督が声をかけた。
「スカウトするなら、年俸を上げないといけないな。おめでとう」
ユ・チャンは苦笑しながら監督の悪手を受けた。
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb