雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「青い海の伝説」第15話⑪

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韓国ドラマ「青い海の伝説」第15話⑪



韓国ドラマ「青い海の伝説」第15話⑩



★★★

 病院のエレベーターの扉が開く。そこからナム部長の奥さんが出てくる。
 その時、電話が入った。
「私、ジュンジェの母です」
「奥様…! お久しぶりです」
「つながってよかったわ。聞きたいことがあるの。ジュンジェだけど…留学中じゃなかったの? 本当は家出してたの?」
「申し訳ありません。ご傷心が新倍でじつはウソをついていました」
「それで…ジュンジェはどうしてるか、知ってる?」
「知ってますよ。主人が事故に遭って入院してるんですが、お見舞いによく来てくれます」
 モランは涙を浮かべた。
「連絡先を…教えてくれます?」
「もちろんです。細かい字が見えないから、病室にいってメガネをかけます。切らずに待っててくださいね」


 病身のナム部長は身体の痙攣に必死で耐えていた。
 そこにはチヒョンもいた。酸素吸入器を外したものの苦しみもがくナム部長を見て、チヒョン自身もどうしたものか気持ちの混乱を起こしたようだった。その首根っこを後ろからつかんだ者がいる。チヒョンはその男に外へ引っ張り出された。
 マ・デヨンだった。
 チヒョンはマ・デヨンと向き合った。

★★★

 ナム部長の奥さんが病室に急いでいるとストレッチャーを押して白衣の医療団が追い越していく。医療団はナム部長の病室に慌ただしく流れ込んでいった。
 立ち止まって見ていた奥さんは血相変えて駆け出す。
「心肺停止状態だ」ドクターは言った。「心臓マッサージを行う」
 そこへ奥さんが飛び込んで来る。ベッドに駆け寄ろとする彼女を看護師が制した。
「ダメです。出てください」
 酸素吸入器を当てがい、胸を叩き心臓マッサージを始める。1回、2回、3回…意識混濁の中で、ナム部長は繰り返す(頼んだぞ。忘れるな)。彼も昔の夢の中にいた━そんな頼み事をしてどうやって生きるのだそう言った覚えがある。…タムリョンは答えた(死んだとしても私たちは必ず再会する。またよき友として…)。
 夢はさらに若き日に飛んだ。彼は子供だったジュンジェと約束した(おじさんはお前の友達だ)。しかし、ジュンジェは母の姿を求めて泣きじゃくった(ママに会いたいよ)。彼に母親と合わせあげられなかったのはこの世の悔いだった…。
 10回、11回、12回とBLSは繰り返される。しかし、ナム部長が息を吹き返す様子は見られない。奥さんは床にへたり込んだ。大声で泣きわめく。
「あなた、私よ!」
 あまりの興奮状態で奥さんも失神状態に陥る。後ろに倒れそうになったのを看護師が抱き留める。…

 雨の中、マ・デヨンはチヒョンを車に乗せた。病院から立ち去った。
 後部席のチヒョンは訊ねた。
「あんたは誰だ?」
「…あんな外し方では警報が鳴る」マ・デヨンはクールに答える。「警備員の交代時間で助かったな」
 チヒョンはバックミラーを覗き込む。
「あんた、マ・デヨンか?」
「…」
「なぜ、父さんの車を?」
「今後は直接手を下すな。母親の苦労を無駄にする気か?」
「大口叩かないで質問に答えろ! どうして僕と母さんの周りをうろついてるんだ!」
「黙れ!」
「…」
「よく聞け。お前は自分の幸せだけを考えろ。お膳立てはしてやったぞ。いいな?」
 

 電話を待ちわびていたモランの携帯が鳴る。急いで出たら違う相手からだった。
「ああ、シムチョンさん…」
「そうです。明日は私の誕生日でパーティーやるんだけど、誕生日会に来られるかしら?」
「ごめんなさい。とても行けそうにないわ。知ってたらプレゼントくらいは準備できたのに…」
「気にしないで。誕生日を知らないから、今日、自分で決めたの」
「…じゃあ、祝うのは初めて?」
「ええ、初めてよ」
「ご両親はいないの?」
「ええ」
「…わかった、行くわ。明日何時にどこへ行けばいい?」




 翌日、デリバリーサービスのバイクが三台、ジュンジェ邸へ走りあがって来て止まった。



 邸宅の中もユナがすでに来ていて準備で大わらわ状態だ。
 ナムドゥは携帯で誰かに説明を行っている。
「知らないよ。急に誕生日会をやると言い出したんだ…そうだ。自分で誕生日を決めたらしい」
 セファがチャラチャラお目化しして出てくる。姿を見せるなり、ナムドゥとユナに尖がり帽子をかぶせる。
「ありがとう。ユナ可愛いな」
 セファの姿を見てナムドゥは電話相手に話す。
「テレビの見過ぎだわ。そうそう、ドラマにそんな女が出てくる」
 ナムドゥの話相手は花屋で花束を作らせていたジュンジェだった。
「わかった。すぐ帰るよ」
 ジュンジェは出来上がった花束を握って店を出た。
 


 ジュンジェ邸に女がやってきた。髪に大きなリボンをつけている。応対に出たナムドゥは手土産を握らされて訝しむ。
「どなたです?」 
「私の友達よ」とセファ。
「友達?」
 渡された袋を覗いてナムドゥは匂いを嗅ぐ。
「何だ、これ? 生ごみですか?」
「何言ってるの?」とホームレスの彼女。「シムチョンの好きなサバじゃない」
「そうですか? …ちょっ、ちょっと、クッションを敷いてください」
 ナムドゥは慌てて駆け寄り、彼女がソファに腰を下ろす前にクッションを挟み込む。
 足を気にしながら彼女はいう。
「おしぼりも出してくれないの?」
 足を弄った手で皿に盛られた蒲鉾を握る。ひと口食べるとユナがそれを見ている。ナムドゥも気色悪そうな顔になる。

 ジュンジェは花束を握って自宅に向かう。足取りは弾んでいる。

 祝いの食卓にはたくさんの食べ物が乗りきれないほどに並んだ。
「私は火を通してない物は食べないのよ」
「じゃあ、タラのスープをどうぞ」
「…このタラは冷凍ね。白子も入ってはずなのにないし」
「…」
「じゃあ、要らないってこと?」
「頂くわ。誕生日会だから」
 顔をしかめるナムドゥ。
「青唐辛子はありますか?」



 モランの携帯が鳴った。
「シムチョンさん。今、向かってるところよ」
 応接しだしたモランの手荷物がいきなり奪い取られる。
 驚いて立ち止まると横に立ってるのはセファだ。
「こんにちは」
「出迎えなんていいのに」
「これは何ですか?」
「ウニ入りのわかめスープよ。息子の誕生日に作ってたの。口に合うといいけど…」
「私ね」とセファ。「今日を誕生日にして生まれ変わった気分よ。新しい人生を手に入れたみたいなの」
「…私も今の家を出るつもりよ。長年、隠れるように暮らしてきたけど、これからはやりたいことをやって自分の人生を取り戻すの」
 二人は満ち足りた目で向き合い、笑みを交わした。



 歩いて家に向かっていたジュンジェはふと左手に目をやった。目に飛び込んできたのはセファの姿だった。
 セファは誰かと並んで歩いている。
 友達だな…ジュンジェは得心する。
 誕生日会に呼んだんだな…ずいぶん嬉しそうだ。笑顔がいい。
 セファがこっちを見る。ジュンジェは手を上げた。しかしセファは気づかない。
 広い通りの向こうだ。仕方ないか…どうせ交差点で合流することになるからいいだろう。
 ジュンジェとセファたちはその交差点に立った。
 その時、セファはジュンジェに気づいた。手を振った。
「誰?」
 モランは訊ねる。セファは答える。



「私の彼氏」
 モランは微笑む。セファはジュンジェを呼んだ。
「ホ・ジュンジェ!」
 モランはびっくりした。ジュンジェ?
「あいつはもう…恥ずかしいじゃないか…でかい声で名前を呼ぶなよ!」
 セファは繰り返す。
「ホ・ジュンジェ!」
 モランは訊ねた。
「彼の名前はジュンジェなの?」
「はい」
 セファは襟を正した。
「すごくハンサムなの」



 モランはこっち向きに立つ青年をまじまじ見やった。
 自分の息子に間違いなかった。
 セファは言った。
「小さい頃はお母さんが…俺を連れて出かけるたびに、周りの人たちが抱かせろと騒いでたそうだ…」
 そういうこともあった…モランの目は次第に潤んでくる。
「どうしたの?」セファ。
「息子の名前と同じなの」
 そう答えたモランはすでに確信していた。目の前に立つ彼が自分の息子なのを…。
「ホ・ジュンジェ…(やっと会えたわ)。幼いころに生き別れ━今までずっと会えなかった…」
 セファも思い出した。
「ヘラクレスの塔…?
(ヘラクレスの母親はここで生き別れた息子を思い続け…その姿を見た人々があの灯台を作ったのよ。ヘラクレスが灯台の光をたどって、母親に会いに訪ねて来られるようにね)
(それでヘラクレスは来たの?)
(どうかしら…でも、ここで別れた人たちは…必ず)」
「再会できると言われてるって…」
 驚きで倒れそうになったモランの腕をセファはがっしりつかむ。
 セファはこの人が母親なのだと確信してジュンジェを見た。
「ホ・ジュンジェ。伝説は本当だったわ。あの場所で別れた人たちは必ず再会できるって…おめでとう」
 セファの言葉はしっかりジュンジェの耳に届いた。
「この人があなたのお母さんよ」
 横断歩道の信号が青に変わった。ジュンジェは母親に向かってまっすぐ歩き出した。




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