韓国ドラマ「30だけど17です」(連載196)
「30だけど17です」第23話(新たな旅立ち)②
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
「キム・テジン」
ジェニファーは怒りの言葉を絞り出した。
「キム・テ〜ジン。この名に覚えは?」
「…」
「聞き覚えがあるでしょ?」
ジェニファーは男の首根っこを掴んだ。男は返事できない。
「あなたに殺された人よ。あなたが殺したんだ。私の夫を」
思わぬ事実にソリとウジンは言葉を失った。
「あなたが荷物を落さなければ―」
ジェニファーは男の身体を揺さぶった。手で胸を叩いた。叩きながら涙を流した。
「お腹にいた子は―」
男を突き放す。
「死なずにすんだのに…」
最後は地面に泣き崩れた。
ウジンが慌てて駆け寄った。
ソリは呆然とジェニファーに目をやった。
亡くなったもう一人の人はジェニファーの旦那さんだった…。
「すみませんです。この通りです」
男は手を合わせることしかできなかった。
ソリはジェニファーのそばに歩み寄った。泣き乱す彼女をそっと抱きしめた。
抱きしめながら自分もまた涙を流した。
★★★
ジェニファーはあの頃、幸せの絶頂の中にいた。
オルゴールを鳴らして訊ねた。
「ねえ、当ててみて」
「この曲をか?」
夫は笑みを浮かべた。腕を組んだ。
「子守歌みたいだが…」
突然、表情を変えた。
「まさか、お前〜、ひょっとして俺はパパになるのか?」
笑顔を返すと、夫はジェニファーの顔を両手で挟みつけた。キスを浴びせた。
顔を離してはしゃいだ。
「嬉しいな。顎が外れそうだ。はっははははは」
ジェニファーは夫の肩を叩いた。
「落ち付いて」
夫は胸に手をやった。
「俺が、ほ、ほんとにパパに?」
笑顔を見せるジェニファーの前で、夫は両手を天に突き上げた。
「バンザ〜イ! 俺はパパだ。やったぞ、はっはははははは」
しかし、あれは束の間の幸せに終わった。
あの事故が夫の笑顔も命も奪っていってしまった。
ジェニファーはあれから、夫の遺影を抱きしめて泣きはらす日々を送った。
胸の奥には鉛のように暗く深い絶望だけが残されたのだった。
ジェニファーはソリとウジンの前で重い口を開いた。
「ソリさんの友達以外に、もう1人の犠牲者となったその人が、私の夫です」
あの暗い日々を思い起こしながらジェニファーは話を続けた。
「夫は事故でなくなりましたが、子供は―私が殺したんです」
「…」
「私は悲しみに打ちのめされ、あの現実を乗り越えられませんでした。雨の中をさまよいながら、身も心も限界だったのです」
そんな中、駆け寄ってきて傘をさしかけてくれた人がいた。
『雨でびしょ濡れだ。身体を壊します。これをどうぞ』
その人は路上に落としたオルゴールを拾い上げた。ジェニファーの手に戻し、自分の傘を一緒に差しだした。
『濡れないようにこれを差して行ってください』
そう言い残してその人は雨の中を走り去った。
「あの日、私を助けてくれた―通りすがりの人のおかげで、悲しみを乗り越える方法を見つけました」
あの直後、軽く肩をぶつけて走り去った若者がいた。
振り返った時、ジェニファーは自分が”ヘイン情報図書館”の前に立っているのを知った。
それからジェニファーはせっせとその図書館に通うようになった。
「家にいると夫や子供のことが頭に浮かび ― 辛くいたたまれなくなるので図書館に通い続けました」
「…」
「私には何かを恋しがる資格などありません」
「…」
「家族を持つ資格なんてない人間なんです」
ジェニファーの言葉はソリの胸にも重く響いた。ソリはもう一度、ジェニファーを抱きしめた。一緒に涙を流した。
「ソリ、私は大丈夫よ。大丈夫だから」
「ううん」ソリはかすかに首を振った。「今日は我慢しないで! 平気なフリはしなくてもいいんです」
そう言ってジェニファーの身体を揺さぶった。
「しないでいいの」
2人は一緒に涙を流し合った。
ソリとジェニファーの前で深々と謝罪をすませた男は、警察署の前に立った。
見張り番の警察官に声かけて、告げた。
「自首をしに来ました」
「30だけど17です」第23話(新たな旅立ち)②
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
「キム・テジン」
ジェニファーは怒りの言葉を絞り出した。
「キム・テ〜ジン。この名に覚えは?」
「…」
「聞き覚えがあるでしょ?」
ジェニファーは男の首根っこを掴んだ。男は返事できない。
「あなたに殺された人よ。あなたが殺したんだ。私の夫を」
思わぬ事実にソリとウジンは言葉を失った。
「あなたが荷物を落さなければ―」
ジェニファーは男の身体を揺さぶった。手で胸を叩いた。叩きながら涙を流した。
「お腹にいた子は―」
男を突き放す。
「死なずにすんだのに…」
最後は地面に泣き崩れた。
ウジンが慌てて駆け寄った。
ソリは呆然とジェニファーに目をやった。
亡くなったもう一人の人はジェニファーの旦那さんだった…。
「すみませんです。この通りです」
男は手を合わせることしかできなかった。
ソリはジェニファーのそばに歩み寄った。泣き乱す彼女をそっと抱きしめた。
抱きしめながら自分もまた涙を流した。
★★★
ジェニファーはあの頃、幸せの絶頂の中にいた。
オルゴールを鳴らして訊ねた。
「ねえ、当ててみて」
「この曲をか?」
夫は笑みを浮かべた。腕を組んだ。
「子守歌みたいだが…」
突然、表情を変えた。
「まさか、お前〜、ひょっとして俺はパパになるのか?」
笑顔を返すと、夫はジェニファーの顔を両手で挟みつけた。キスを浴びせた。
顔を離してはしゃいだ。
「嬉しいな。顎が外れそうだ。はっははははは」
ジェニファーは夫の肩を叩いた。
「落ち付いて」
夫は胸に手をやった。
「俺が、ほ、ほんとにパパに?」
笑顔を見せるジェニファーの前で、夫は両手を天に突き上げた。
「バンザ〜イ! 俺はパパだ。やったぞ、はっはははははは」
しかし、あれは束の間の幸せに終わった。
あの事故が夫の笑顔も命も奪っていってしまった。
ジェニファーはあれから、夫の遺影を抱きしめて泣きはらす日々を送った。
胸の奥には鉛のように暗く深い絶望だけが残されたのだった。
ジェニファーはソリとウジンの前で重い口を開いた。
「ソリさんの友達以外に、もう1人の犠牲者となったその人が、私の夫です」
あの暗い日々を思い起こしながらジェニファーは話を続けた。
「夫は事故でなくなりましたが、子供は―私が殺したんです」
「…」
「私は悲しみに打ちのめされ、あの現実を乗り越えられませんでした。雨の中をさまよいながら、身も心も限界だったのです」
そんな中、駆け寄ってきて傘をさしかけてくれた人がいた。
『雨でびしょ濡れだ。身体を壊します。これをどうぞ』
その人は路上に落としたオルゴールを拾い上げた。ジェニファーの手に戻し、自分の傘を一緒に差しだした。
『濡れないようにこれを差して行ってください』
そう言い残してその人は雨の中を走り去った。
「あの日、私を助けてくれた―通りすがりの人のおかげで、悲しみを乗り越える方法を見つけました」
あの直後、軽く肩をぶつけて走り去った若者がいた。
振り返った時、ジェニファーは自分が”ヘイン情報図書館”の前に立っているのを知った。
それからジェニファーはせっせとその図書館に通うようになった。
「家にいると夫や子供のことが頭に浮かび ― 辛くいたたまれなくなるので図書館に通い続けました」
「…」
「私には何かを恋しがる資格などありません」
「…」
「家族を持つ資格なんてない人間なんです」
ジェニファーの言葉はソリの胸にも重く響いた。ソリはもう一度、ジェニファーを抱きしめた。一緒に涙を流した。
「ソリ、私は大丈夫よ。大丈夫だから」
「ううん」ソリはかすかに首を振った。「今日は我慢しないで! 平気なフリはしなくてもいいんです」
そう言ってジェニファーの身体を揺さぶった。
「しないでいいの」
2人は一緒に涙を流し合った。
ソリとジェニファーの前で深々と謝罪をすませた男は、警察署の前に立った。
見張り番の警察官に声かけて、告げた。
「自首をしに来ました」
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb