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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載18)

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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載18)


「30だけど17です」第2話(美しい縁)⑧


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)



★★★


 となりの署員が耳元に口を寄せた。
「言動が変ですね」
 頷いて署員は言った。
「困ります」
「困るって何がです?」
「個人情報なので勝手に身分照会はできないのです」
「よその人ではなく、一緒に暮らしてた唯一の身内なんです」
「ですが…親であるとか特別な事情でもない限り、警察はおいそれと動き出すわけにいかないのです」
「でしたら私はどうすればいいのです? あった家には他人が住んでて、近くにあった叔父の会社も消えてて…頼る当てもないのです。私はどこに行けばいいの?」
 署員はさらに説明を続けた。
「”この辺は再開発されたから―ビルが立ち、住民の変動も起こりました。とっくに引っ越したのでしょう”」
 ソリは知ってる家を探して辺りを歩き回った。
「あっ、ここの店は覚えてる…」
 その店の前から反対側を見やった。高層の建物が並んでいる。
「ここの建物にスミとヒョンテが住んでいたはずだけど…すっかり変わっちゃった」
 高層の建物を見回してソリは呟いた。
「みんなどこへ行ったのかしら? 叔父さん夫婦は? スミとヒョンテは? いったい、どこへ消えちゃったの?」 
 歩道を歩いて来た人がソリに身体をぶつけた。よろめいたソリに声もかけず目も合わせずにその人は歩き去っていく。
 道行く人たちに目をやりながら、ソリは次第に孤独感に見舞われていった。


★★★


チャンらが食事しながら話を弾ませていると、ウジンが玄関から入ってきた。
 チャンが食堂から声をかけた。
 ウジンに気づくとドクスらは食べるのを中断して立ち上がる。
「ああ、ドッグフードを買いに」
 気を付けをしてる2人を見てチャンは言った。
「そうか、ちゃんと紹介してなかったね」
 チャンも席を立つ。ウジンの方に腕を伸ばす。
「叔父のミスター・コン」
 ウジンは手を止めて2人を見た。
「この2人は…」
「ああ、友達…」ウジンはドクスを見て少し思案する。「と、コーチさん?」
 ドクスは口を開け、豪快に笑った。
「はい、私はボート部のコーチを…あっははは~なわけじゃないです。叔父さ~ん」
 悲しそうにする。
 ウジンの苦笑を見ながら、チャンはきちんと紹介を続ける。
「老け顔だけど、同い年のハン・ドクス。そして町の再開発で成金になったトン・へボム。部活の友達だよ」
「お話はよく聞かされています」とへボム。「あらためてご挨拶を~」
「必要ない」とウジン。「ゆっくりしていきなさい」
 きちんと紹介がならず、チャンは物足りない表情になる。
「挨拶は、また今度にしよう」とドクス。
「そうだな、そうしよう…」
「叔父さんのヒゲは立派だな」
「山奥でも薬草でも採ってる~?」
 ドクスたちは笑った。
「いや、叔父はプライベートと仕事は区別してるよ。仕事してる時はびしっと決めてるんだ」
 チャンは叔父についてしっかり弁明してやるのは怠らない。
「ああ、そうなのか」
「憧れちゃうな」
 ドクスらの明るいリアクションにチャンは表情を曇らせる。
 叔父の他人嫌いはいつになったら直るのかな~もっと普通に気楽に生きてほしいんだけど…。
 ウジンを話題にするドクスらの話し声や笑い声はウジンの耳に届かなくなった。




 夜は深まった。バイクの暴走集団が走り抜けていった。
 走り抜けたバイクをよけたソリは歩道で誰かにぶつかる。あわててその人から離れようとしたら、酔いどれから手を掴まれている。
「暇なんだろ。一緒に飲もう。行こう」
 ソリはびっくりする。
「離して、私はまだ未成年です」
 酔いどれの手を振り切って逃げだす。
 銅鑼声が追いかけてきた。
「その顔で未成年者だと? ふざけるな!」
 ソリは夢中で逃げた。気が付くと人通りの絶えた場所だった。不安に駆られていると、何やら怪しげな男が歩いてくる。
 手に何やら持っているのを見て背を返す。
「まさか…」
 急ぎ足で男から遠ざかる。しかし、男は同じ方向をついて来ながら離れない。それどころかどんどん近づいて来る。
 振り返ったソリは男と目を合わせてしまった。
「はっ」
 恐怖の息をもらすと同時に走って逃げだす。
「キャーッ! 助けて~!」
 逃げるソリを見て男は呟く。
「何だ、あれは?」
 包んだ銀紙を剥がして男は焼き芋を食べだした。
「わあ、美味い。まだ温かい」




 愛犬が雨の降りだした外を見てしきりに鳴く。じつに悲しげだ。しかも鳴きやまない。
「トック、どうした?」
 しかし、トックはウジンを振り返らない。
 ウジンは腕を組んだ。
「夜中に遠吠えか…」
 2階から降りてきていたチャンが歩み寄った。
「それともミスター・コンが吠えた?」
「ああ」
「ほんと?」
「違うよ」
 チャンは笑う。
「真顔で冗談を」
 トックはまた啼いた。
 トックの後姿を見てチャンは言った。
「悲しげだね。あんな鳴き方は初めて見た」
 ウジンは何やら呟く。
 いつの間にか誰かがそばに来ている。
「犬が鳴くのには理由があります」
 振り向くとジェニファーだった。
「”ワンワン”と鳴くのは何かに対する警戒などストレスを受けている場合、”クゥーン”と鳴くのは不安を感じている場合です」
 ジェニファーは両手をつなぎ、口の上に持ってきた。
「あのように”アオーン”と、長く遠吠えするのは、別れた家族に対して―自分の居場所を伝えるための合図です」
 チャンは感心した。
「知識の宝庫だね」
「だけど、家族はここにいるのに…」
 チャンの脳裏にちらと豆球が点った。

「ひょっとして、さっきのおばさんを?」
「…」
「きっとそうだ。あんなに懐いてたんだもの」

 ウジンは言下に否定した。
「バカ言ってないで、もう寝ろ」
 ジェニファーに挨拶し、ウジンも部屋に戻ろうとした。
 しかし、そのまま動かないでいるトックを見て、ウ・ソリに抱かれて大人しくしていた姿が思い浮かんだ。その時の彼女の姿は写真のようにしっかり焼き付いていた。

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