雨の記号(rain symbol)

ときわ荘のぼんくら談義⑯

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  KARAの解散⑯

 
 二つの大福をペロリと平らげ、ボンタは満足そうに話し出した。
「彼女の人気が爆発して上昇しだしたのは、KBSのテレビ番組”青春不敗”によってだったよ」
「さっき聞いた」クラヤは口を挟んでくる。「それに”青春不敗”じゃなくて”青春不敗2”だろ? 確かそう言った。ま、”青春不敗2があれば”青春不敗”もあるのだろうけどね」
「そうだったっけ?」
「俺の耳は確かだ。地獄耳ってよく言われる。ハラの駆けっこが速いのも聞いたし、運動神経のよさを生かしてのゲーム感覚も優れてるってのも聞いた。ちょっと俺の若い頃と被るけどね。その先から話してくれ」
 ボンタは首をかしげる。
「細かい注文つけるなあ。素面じゃないんだ。少しくらい話が重なろうと前後しようといいじゃないか」
「ダメだ。酒飲んだら貴殿の話はくどくなるって他の連中に言いふらしてもいいっていうんだな?」
「いや、やめてくれ」
 ボンタはシャックリをして大福入りのパックに輪ゴムを巻いた。クラヤの前に押し戻した。
「ヒックッ! これをお宅にあげるから。ヒックッ!」
「ジョークのつもりか? 金の出所は俺じゃないか。辛党を自負する俺がこんなの幾つも食えるもんか」
「いつだったか食べてみて…ヒック!、こんな食べ方も、ヒックッ! あったのかと感心してたじゃないか」
「ほらほら嘘っぽいシャックリはやめろ」クラヤは口を曲げる。「舌の根も乾かないうちにまたこれだ。話しそらすのほんとにやめてけれ」
 そう言って大福パックをボンタに押し返す。
「帰る時、持ち帰ってくれ。一週間後に冷蔵庫から出されるのが嫌ならね」
 クラヤはボンタのシャックリに呆れながら、テレビのリモコンを握った。見てもいないテレビのボリュームを下げた。
 テレビのボリュームが下がったせいか、喋るのをやめたせいか、ボンタのシャックリは次第に収まってきた。
 嘘っぽいシャックリをひとつしてボンタは話し出す。
「”青春不敗”と”パート2”はKBS第二で放送されたものだ。韓国江原道(カンウォンド)のある農村が舞台だった。そこにK-POPのアイドルたちを連れて行き、農業体験や動物の飼育、地元住民との交流を通じ、世の中の仕組みを学んでいくドキュメンタリータッチの番組だった。そうそう思い出した。ハラは”パートⅠ”も”パートⅡ”も出てたけど、”パートⅡ”の頃は日本での人気は頂点に達していて、この番組にかかりっきりで出られる状態ではなかったんだ。そうそう、だんだんはっきりと思い出してきた」
「…」
「この番組はKARAが日本にやってくる前年に始まってる…。ここに出てるのは今から思うと錚々たる顔ぶれだったよ。まず、少女時代のサニとユリが出ていた。それから…それからと…ハラが出てて、他には…あれ? ぜんぜん思い出さない~やっぱり酔ってるよ…」
 クラヤは呆れて席を立った。
「コーヒーでも飲まなきゃ付き合ってられん。貴殿はココアでいいのだったな? まったく…コービー・ブライアントも引退が近づくわけだな」
「あっ、そうか」
 ボンタは頷きながら口を開いた。
「ブラウン・アイド・ガールズのナルシャも出てた」
 クラヤはポットのお湯を出すのをやめてこっちを見た。
「ブラウン・アイド? 誰だ、それ?」 
「アブラカタブラ(Abracadabra)のブラウン・アイド・ガールズ(Brown Eyed Girls)だ。言ってみりゃK-POPガールズを世界に知らしめた元祖みたいな存在のグループだな。いや~これできたきた…それにヒョナ、ビクトリア、ヒョミンなどがいた」
「おい、話はそこでストップだ。コーヒーで一息つこう」
 クラヤはマグカップを二つ並べ、ポットのお湯で飲み物を作りだした。




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