雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「ただひとつの愛」第1話(エピソード13)





韓国ドラマ「ただひとつの愛」第1話(エピソード13)


〇主な登場人物 
イ・ヨンソ(シン・ヘソン)
キム・ダン(エル)
チ・ガンウ(イ・ドンゴン)
クム・ニナ(キム・ボミ)
チョン・ユミ(ウ・ヒジン)
フ(キム・イングォン)
チェ・ヨンジャ(ト・ジウォン)
クム・ルナ(キル・ウネ)
パク・グァンイル(イ・ファリョン)
キ・ジュンス(イ・ジェヨン)



第1話(エピソード13)


 先輩は額に皺を作った。鼻を膨らましてダンを説教する。
「24時間も残ってるから心配なんだ。お前なら”天使の消滅”をやりかねない」
「わかりましたよ」
 ダンは仕方なく先輩に合わせた。
 さっき会った女を思い浮かべながら言った。
「ひねくれてる人は恐ろしいので気をつけます」
 ”神は悪いやつよ”と言ってた女だ。下手にかかずらったら、とんでもないことになりかねない。
 彼女の顔をズームアップしたら身震いまでした。
 ヤバいヤバい。
 彼女のことはもう忘れよう。
 ダンはその時、上着のポケットにハンカチが入ってないのに気付いた。
 どういうことだ?
 あの時か! ダンは一部始終を思い出し、顔をしかめた。
 息をひそめている自分に彼女は掴みかかってきた。とっさのことでダンは身をかわせなかった。
 ダンは胸元を抑えた。ハンカチはない。
 あの時、彼女の手が胸のポケットからハンカチを引っかきだしたのだろう。
 先輩はダンに背を向けたまま言った。
「時間は明日の12時までだ。忘れるなよ」
「分かりました。12回鳴り終わるまでに戻ります」
 明るく答えて、ダンは教会を飛び出した。


 公園に駆け付けたダンはハンカチを探し回った。しかし、ハンカチは見当たらない。
「ない。どこなんだ?
 風は吹いてないし、逃げる物でもない。
 しかしいくら探しても見つからない。
「ウソだろ!」
 ダンは焦った。
 あのハンカチは自分が”動物担当”の”派遣天使”であるのを証明する大事な身分証だった。


 ダンは”派遣天使”になれたことが嬉しかった。
「これは派遣だけに配られる物ですよね?」
 命名を受けた時、ダンは嬉しくてならなかった。
 先輩はハンカチを恭しく取り出した。ダンに見せた。
「天使として認められ、天とのつながりを示す物だ。絶対に無くすなよ」
 そう言って上着の胸ポケットに押し込んでくれた。
「いつも身に着けておくようにしなさい」


「ダメだ」
 ダンは焦った。途方に暮れた。
 紛失したことを知られたら天に戻れなくなってしまう。
 いくら”天の身分証”と言っても勝手に独り歩きはしないはずだ。
 使用頻度の高い場所でもなさそうだし、今日は風も出ていなかった。
「まさか…!」
 ダンは思わず天を睨んだ。
 同時に嫌な予感も覚えたからだった。



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