「チャン・チョルス。携帯が変になった」
携帯をもらったアンナは嬉しくてしょっちゅうチョルスに電話を入れる。
チョルスはやむなく電話に出る。
「またかよ。どこが?」
「外に出たら声が小さくなったわ」
「外はうるさいからそうなるんだよ。大したようでもないのに電話してきたら没収するぞ。切るからな」
アンナは携帯をにらみつけて舌打ちする。
「何よ、偉そうに・・・!」
しかし、彼女は携帯を持たされているだけで満足だ。
「ジャージャー麺でも注文してみようかな・・・」
そこに聞き知った声がかかる。
「お姉さ~ん」
カンジャが花を握って駆け寄ってくる。
「久しぶりね」
「そうだね」
アンナは髪をかきあげる。
「お姉さん、携帯を買ったの?」
「そうよ。電話のかけ方わかる? 電話番号教えてあげようか?」
「うん、教えて」カンジャはバッグから携帯を取り出す。「何番? 言ってみて」
「あんたも携帯持ってたのね」
「うん」
カンジャまで持ってる物を自分は持たされてなかった。アンナは腹が立ってチョルスに電話を入れた。
「チャン・チョルス。カンジャも持ってるのにどうして今まで買ってくれなかったの?」
アンナは言うだけ言って電話を切った。
「ほんと、ケチなヤツ!」
一方的にまくし立てられた上、電話を切られたチョルスは顔をしかめた。
「まいったなもう・・・いったい何のことだ? 何かと面倒くさいやつだ」
ぼやくチョルスにドッグは言った。
「電源を切るか、出なきゃいいじゃないか」
「電話する相手が俺しかいないんだ。かわいそうだろ」
そう答えてチョルスは事務所に向かった。
この時、ドッグに声がかかった。小学校の教師をやってるヒョジョンだった。
「何か用?」
ドッグはそっけなく訊ねた。
「電話が通じなくて心配でやって来たんです」
「・・・」
「何してるの?」
「見りゃわかるでしょ。仕事です」
「ドッグさんがどうしてそんな仕事を?」
「ただの趣味さ。文句でもあるの? まったく」
ドッグはヒョジョンを無視してそこを離れた。
彼に無視されてヒョジョンは落ち込んだが、すぐに立ち直ってつぶやいた。
「やっぱり趣味だったのね。よかった・・・何せ”牛100頭”だものね」
おつむの中に明かりを点し、ヒョジョンは思い切り可愛い声でドッグに呼びかけた。
「ドッグさん、家のトイレも故障したのよ」
アンナはカンジャと電話番号の教えっこをした。
「サンシルね・・・できたわ」
「これはどうやるの?」
「今、やってあげる・・・カンジャ・・・できた」
アンナに携帯を渡す。
「これ、カメラはあるの?」
「うん、ゲームもテレビもあるわ」
「ゲームも?」
「うん、こうして・・・」
「それ、見せて」
「こう・・・? 大きいわね」
「うん、全体画面にする・・・こうね」
ビリーはプリンセスを抱いてチョルスの家に現れた。
誰もいる気配はない。
「今回はきちんと段取りを考えよう
チョルスの家の前に立ってビリーは想を練った。
「何があっても偶然を装うんだ・・・アンナが来る頃に・・・プリンセスをここに置く。そして・・・猫を拾っていただいたお礼にお食事でも・・・」
臭い芝居のリハーサルをやっているビリーに気付き、コッスンが吠え立てる。
(怪しいやつだ。ここに何しに来た! ワンワンワン)
プリンセスは吠え立てる犬に動揺した。
「プリンセス、どうした?」
ビリーがなだめるいとまもなくビリーの腕から飛び出していった。
ビリーはあわててプリンセスを追いかけた。
「プリンセス、どこへ行く? 待ってくれ、プリンセス! プリンセス!」
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