雨の記号(rain symbol)

62枚の小説

二三日前だが、夢の中で62枚の小説を書きあげた。最初から最後まで、細部は一字残らず目に入っていた。もちろん、夢を見ている時の話である。
 それをどこかの編集部だかどこかに持っていくと、やけに若い編集者が出てきて、鼻をふんふん鳴らし、目玉だけ上下させて読み、あとひと息です、と言ってつき返してきた。
 家に帰って読み直したら、ぜんぜん直すところがない。そしたらそこにとある有名作家が登場して僕の作品を読み、もう一度読み直したいから、と家に持ち帰った。
 その後、有名作家からは返事がこない。ナシのつぶてである。
 どうせそのうち跡形もなく脳内から消え去る話には違いないが、妙にリアルな夢だった…

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