韓国映画「ビューティ-・インサイド」から④
家に入って帰宅の挨拶をすると父の優しい返事がした。父は食器を洗っていた。
「遅かったな。夕食は?」
「食べたわ。すごくおいしいのを」
気分の乗った声を返し、イスは二階の部屋へ向かう。
キッチン兼リビングで食後の腹ごなし運動をやっていた姉(?)がからかいの言葉を投げる。
「あら、何かいつもと違うわ」
その声を無視し、イスは駆け足で上がっていく。
「男と会ってたのね。匂うわ」
イスは歯を磨きながらデートしてきたキム・ウジンのことを思い浮かべる。
「今まであんな人には会わなかった。いるのね、映画の中にだけいるような男性…」
寝床に入ってからも今日初めて会った人のことを考えていたら、携帯が鳴った。メールだった。
手にして覗く。
━ 明日、夕食を一緒にどおっ?
イスは微笑んだ。
━ 仕事の終わりは6時よ
と返事を返した。
━ 6時に迎えに行きます
約束のメールを返した後、ウジンは机上の目覚まし時計を片っ端にセットした。この日に備えて買っておいたものだった。
(今夜は徹夜だ。寝ないでいれば今の姿でいられる。絶対寝ないぞ。死んでも目を開けて寝るぞ!)
携帯を含め、目覚ましツールを全部セットした後、ウジンは寝ないための努力を開始した。
デザインを考えたり、読書をしたり、お茶を飲んだり、と…
翌日、イスは仕事を終え6時に店の表に出てきた。ウジンは近くで車のハンドルを握って待っていた。
あたりを見回すイスに向かって手を振った。
二人は車を置き、おしゃべりしながら街を散策した。
材木屋など見て回っている時にイスは問いかける。
「今日は何しましょうか?」
「音楽は好きですか?」とウジン。
頷くイスを行きつけの場所へ案内する。
そこはアンチークな蓄音機とスピーカーをセットして音楽を流す店だった。
「こんな場所へも?」
イスはウジンを見て言った。
二人はソファー腰をおろし蓄音機で音楽に聴きいった。この日の気分、この日の気候、この日の温度や湿度、に沿ってギターは音色を奏でた。
「木って本当に不思議ですね」
とウジン。
イスは目を返す。
「木がギターに変わると━こんな音になるなんて…」
「ラミレス…ホセ・ラミレス。このギターの名前」
「…曲も知ってる?」
頷くイス。二人は笑みを交わす。
「この曲が流れて驚きました」
「えっ、なぜ? どうして?」
「なんとなくです…ウジンさんは私と似てる」
蓄音機の方を見てイスは答える。
音楽でアンチークの郷愁に浸った後、二人は昨日同様、アレックスの工場へやってきた。
ほのかな明かりの下で二人はくつろいだ。
「遅かったな。夕食は?」
「食べたわ。すごくおいしいのを」
気分の乗った声を返し、イスは二階の部屋へ向かう。
キッチン兼リビングで食後の腹ごなし運動をやっていた姉(?)がからかいの言葉を投げる。
「あら、何かいつもと違うわ」
その声を無視し、イスは駆け足で上がっていく。
「男と会ってたのね。匂うわ」
イスは歯を磨きながらデートしてきたキム・ウジンのことを思い浮かべる。
「今まであんな人には会わなかった。いるのね、映画の中にだけいるような男性…」
寝床に入ってからも今日初めて会った人のことを考えていたら、携帯が鳴った。メールだった。
手にして覗く。
━ 明日、夕食を一緒にどおっ?
イスは微笑んだ。
━ 仕事の終わりは6時よ
と返事を返した。
━ 6時に迎えに行きます
約束のメールを返した後、ウジンは机上の目覚まし時計を片っ端にセットした。この日に備えて買っておいたものだった。
(今夜は徹夜だ。寝ないでいれば今の姿でいられる。絶対寝ないぞ。死んでも目を開けて寝るぞ!)
携帯を含め、目覚ましツールを全部セットした後、ウジンは寝ないための努力を開始した。
デザインを考えたり、読書をしたり、お茶を飲んだり、と…
翌日、イスは仕事を終え6時に店の表に出てきた。ウジンは近くで車のハンドルを握って待っていた。
あたりを見回すイスに向かって手を振った。
二人は車を置き、おしゃべりしながら街を散策した。
材木屋など見て回っている時にイスは問いかける。
「今日は何しましょうか?」
「音楽は好きですか?」とウジン。
頷くイスを行きつけの場所へ案内する。
そこはアンチークな蓄音機とスピーカーをセットして音楽を流す店だった。
「こんな場所へも?」
イスはウジンを見て言った。
二人はソファー腰をおろし蓄音機で音楽に聴きいった。この日の気分、この日の気候、この日の温度や湿度、に沿ってギターは音色を奏でた。
「木って本当に不思議ですね」
とウジン。
イスは目を返す。
「木がギターに変わると━こんな音になるなんて…」
「ラミレス…ホセ・ラミレス。このギターの名前」
「…曲も知ってる?」
頷くイス。二人は笑みを交わす。
「この曲が流れて驚きました」
「えっ、なぜ? どうして?」
「なんとなくです…ウジンさんは私と似てる」
蓄音機の方を見てイスは答える。
音楽でアンチークの郷愁に浸った後、二人は昨日同様、アレックスの工場へやってきた。
ほのかな明かりの下で二人はくつろいだ。