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雨の記号(rain symbol)

「アイリス」 第6話の感想

まずは秋田、青森、岩手にまたがる「三湖伝説」から

 八郎太郎は村の娘と旅の男との間の息子で、父親は寒風山で竜に姿を変えて消えたと言われており、母親は難産で死んでいたので祖父母に育てられ、マタギをして生活していた。
しかしある日仲間の掟を破り、仲間の分のイワナまで自分一人で食べてしまったところ、急に喉が渇き始め、33夜も川の水を飲み続け、いつしか33尺の竜へと変化していった。自分の身に起こった報いを知った八郎太郎は、十和田山頂に湖を作り、そこの主として住むようになった。この湖が十和田湖である。

仙北郡の神成村に辰子(たつこ)という名の娘が暮らしていた。
辰子は類い希な美しい娘であったが、その美貌に自ら気付いた日を境に、いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたいと願うようになる。
辰子はその願いを胸に、観音菩薩に百夜の願掛けをした。必死の願いに観音が応え、山深い泉の在処を辰子に示した。そのお告げの通り泉の水を辰子は飲んだが、急に激しい喉の渇きを覚え、しかもいくら水を飲んでも渇きは激しくなるばかりであった。
狂奔する辰子の姿は、いつの間にか竜へと変化していった。自分の身に起こった報いを悟った辰子は、泉を広げて湖とし、そこの主として暮らすようになった。この湖が田沢湖である[6]。
『ウィキペディア(Wikipedia)』より


 最初のうちは韓国や北朝鮮の政情、日本やアメリカ、中国を巻き込んだ世界情勢みたいなものを念頭においたりして、かなり深刻に見始めたドラマだった。だが、暴力団絡みの日本のトップ政治家の狙撃なども入った今話にいたって、そういう四角四面な考えは頭の中から取り外した方がいいと思い至った。
 鋳型は借りても中身はぜんぜん別のものが入ったビスケットとでも考えた方が気が楽である。

 
 始まってまもなく、ヒョンジュンとスンヒはNSS(国家安全局)のメンバーに黙って旅行で日本にやってくる。この際、湖のほとりでスンヒがヒョンジュンに、十和田湖に残る悲しい話をする。
 ドラマではかいつまんだ話として出てきたが、竜になった太郎と辰子(たつこ)の伝説は上記の通りである。
 太郎は貪欲があだになり、辰子(たつこ)は自らの美しさに執着して竜になってしまったが、このドラマのヒロインであるヒョンジュンはどうであろう。自らは願ってもいないのに、ヒョンジュンをとりまく状況が彼をどんどん怪物へのお膳立てをしていっているようである。このヒョンジュンの動きにしたがって各国のおかれた事情やら立場やら思惑やら陰謀やらが浮かび上がってくるという仕掛けである。
 金をかけたハードボイルド・タッチのこのドラマを三宅久之は「あれはほんとに面白い、比べて日本のドラマは金かけないので安っぽい」とテレビタックルで言っていた。
 三宅久之の言葉を借りるまでもなく、国内市場の小さい韓国は、最初から外国に売ることを想定してドラマを作っている。それで金をかけるし、ドラマ制作にかける情熱も半端でないものがある。
 いいドラマが生まれてくるはずである。
 「朱蒙」では中国の「三国志」の魅力や面白さをあますところなくドラマ化してしまった。
 この「アイリス」の主人公モデルは、ここにきてやっとわかったが、どうやら超一流のスナイパー(狙撃手)である「ゴルゴ13」ことデューク東郷から来ているように思われる。
 「ゴルゴ13」は女を寄せつけない孤高のスナイパーである。女は関わってはくるが、すべて一過性である。
 しかし、キム・ヒョンジュンの場合は違う。きれいでカッコイイ女が次々と関わってくる。そこから「ゴルゴ13」とは違う、「007」でもないヒーロー像を生み出しかけているようである。
 「三国志」がモデルの「朱蒙」でも同じことが言える。スペクタクル時代劇の本家「三国志」は女をほとんど主旋律の中に置かないのに、「朱蒙」ではきれいな女優たちを見事に配し、勇壮だが殺伐な物語に男女の色恋や女性のかもし出す華やかさを見事に溶け込ませてしまった。
 ここへきて「アイリス」はその魅力が爆発しかけていると僕は見る。笛木優子は「オールイン」でもよかったが、この「アイリス」でもじつにいい。ちょっと出ただけだが存在感と怪しい魅力がある。日本のドラマに出ているのをちょっと見たことはあるが、魅力を打ち出せなくて気の毒に感じたことがある。上戸彩と出ていたのなどはひどいものだった。あんなコメディーみたいな役をやる女優ではないのに・・・。日本のドラマには収まらない線の太い女優なのだからであろう。

 第6話のストーリーを追うのは後ほど。
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