韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第6話(12)
Korean drama "You're Handsome" Episode 6 (12)
「・・・」
「兄貴」
「テギョンさんは行けないわ。待たないで」
ユ・ヘイの声にミニョは愕然となった。次の言葉が出なかった。
携帯を切ってミニョは力なくつぶやいた。
「一緒にいるのね・・・」
頃合を見てテギョンは助手席に回りこんだ。ドアを開けて言った。
「そろそろ戻れ」
「マネージャーが来るまで一緒にいてよ。こんな姿じゃ困っちゃうよ」
ユ・ヘイは甘えるような声で言った。
テギョンはユ・ヘイを睨んだ。
「靴もはいてないのよ」
テギョンはドアを閉めた。苛立って時計を見た。約束の時間はとっくに過ぎてる。
その頃、A.N.JELL事務所はアン社長を中心にひっきりなしでかかってくる電話の対応に追われている。
「2ショットがアップされてるじゃないか。まいったな、もう・・・!」
他のスタッフは相槌を打つどころじゃない。
そこへチャン記者からアン社長に電話が入る。
「ああ、チャン記者。ネットの写真は誤解だ。ほんとだって」
他のスタッフも答えている。
「アップしないでください。誤報ですから」
フニやワンも対応に必死だ。
「事実ですが、二人きりではありません。他のスタッフも一緒です」
とフニ。
「マネージャーも一緒だったんです」
とワン。
「それは認めます。ただ、兄妹みたいに親しいから・・・だから、兄妹といったら兄妹なんです。兄妹の意味がわからないんですか!」
興奮気味にフニは声を荒げる。
「絶対にそれはやめてください」
と別のスタッフ。
「それはですね・・・テギョンがユ・ヘイを助けただけなんですって!」
とアン社長。
フニは立ち上がった。
「俺はヘイの兄だ。あんたは何者だ?」
ジェルミたちも携帯にかじりついていた。
「リアルタイムで写真が上がってくるな。まさか、ヘイと逃避行でもやってるのか?」
「そりゃ、すごい。カッコイイ」
「ほんとほんと、すごい」
ジェルミたちの姿に距離をおきながらシヌは考え込んでいた。
「一緒ではなかったのか・・・俺の推測は間違いなかったはずだが・・・すると、ミナムはどうなってるんだ・・・?」
ミニョは約束の場所に座り込んでいる。そこを離れがたい気持ちが残っているからだった。
「だけど、待ってもムダよね・・・あの人と一緒なんだし・・・」
ミニョは立ち上がろうとする。その時、胸を押さえ、またしゃがみこんだ。
「胸が・・・チリチリしてる。しびれる感じがまだ続いてる・・・水をたくさん飲んだのに変だわ。どうしたんだろう・・・?」
ミニョはため息をついた。踏ん切りをつけて立ち上がった。
「そろそろ帰らないと」
だが立ち上がって気付いた。
「この格好じゃダメだったわ・・・服を買わなくちゃ・・・」
ミニョは重い気分で歩き出した。
だが、街中を一人で歩くうち、彼女の心は少しずつ軽くなっていった。
「そういえば一度もソウルを観光してなかったわ」
ミニョは立ち止まってあたりを見回した。
「ここが、明洞なのね・・・」
気に留まった店に入った時、携帯が鳴った。
「シヌ兄貴! ・・・明洞にいます。・・・えっ! 迎えなんてけっこうです」
シヌの電話にミニョは自分の姿を気にした。
ミニョに電話しながらシヌも明洞の街中に降り立った。彼も完全に変装しきっている。
シヌは別人、ミニョは当人になりきっている。つまり二人とも別人の姿で明洞の街角に降り立っているわけだった。
「そうか、わかった」
シヌは答えた。
「食事は?」
「まだなんです」
「うどんを食べないとな」
「うどんですか?」
(続く)
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