韓国ドラマ「30だけど17です」(連載54)
「30だけど17です」第6話(開かない天窓)⑤
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
★★★
外に走り出たソリは周囲を見回した。発見は早かった。ウジンは何かの寸法を取ったあと歩き出している。
「あそこにいた…」
ソリは急いでウジンを追いかける。
しかし、赤信号にかかって追いつけなくなった。
ソリは焦ってつぶやく。
「ああ~、私が家を出ると言えば帰ってくれるだろうに…」
目でウジンを追っているとカフェラウンジに入っていくのが見えた。
ソリはカフェラウンジにやってきた。ウジンを見つけて歩み寄った。
声をかけようとする直前、男が現れてウジンの前に腰をおろした。
「お待たせ」
ソリは慌てて背を返す。近くのテーブルに落ち着いた。
そこからウジンらの様子を窺っていると店のスタッフがやってきた。
「ご注文はカウンターでお願いします」
★★★
ソリはメニューを見に席を立った。
手持ちの金を取り出し、一番安い飲み物を注文する。
「ショットをお願いします」
店のスタッフは困惑して答える。
「それは…ご注文内容にショットを追加する場合のみです」
「そうですか…、では一番安い物を」
ソリは飲み物を手にテーブルに戻った。飲み物を口にしながらウジンの様子を窺ってるうち、口中に違和感を覚えて水を飲みに走った。
苦い顔で水を口に流し込む。
「何、この味は?」
口中を整えてウジンらのテーブルを窺うと、2人の姿はすでにない。
辺りをさがすと2人の姿は表にある。
「いつの間に?」
持ち物を手にあわててウジンを追いかけて店を飛び出す。
話し相手と別れたウジンはいつもの調子で通りにある物の計測を片っ端に始めていた。
座っていた椅子の計測を始めたウジンを見て女はびっくりする。気味悪そうにしてる女のもとに男が現れた。
「どうしたんだ?」
「この人、変なの」
女の話を聞いて男はウジンに声をかける。
「おい、何してるんだ」
ウジンは男を無視して立ち去ろうとする。
「聞いてるのか、コラッ! 人を無視しやがって」
男はウジンの後を追い、肩に手をかける。
「待てよ」
ウジンは無愛想に振り返る。
「何だ、その顔は」
パンチを繰り出そうとする男の腕を駆け寄ったソリが両手でつかむ。
「ちょっと待って」
「何だ?」
ソリはウジンの代わりに弁解する。
「この人は変な人じゃありません」
男はソリの手をふりほどく。
「誰だ、お前は!」
ソリは両手を広げた。
「パッと見にはイカれた…いえ、風変わりな人ですけど…でも実は職業病なんです、職業病」
ソリはウジンに言った。
「メジャーを出して」
ウジンはそのまま行こうとする。ソリは引き留めた。ウジンの手から強引にメジャーを奪い取った。男たちに見せた。
「こうして長さを測って、模型を作るのが仕事なんです」
話を聞いていたウジンは黙ってソリの手からメジャーを取り返す。
ソリは男たちを見たまま低姿勢で続けた。
「気分を害されたなら私がおわびします」
「変わってる連中だ」
男は女を促して背を返す。
「すみませんでした~」
その背に向けてソリはペコリと頭を下げた。
振り向くとウジンはもう先を歩いている。ソリは慌てて後を追った。
追いついて手を伸ばすとイヤホーンの端子を握っている。
ソリはまじまじと端子に目をやった。
「どうして…?」
ウジンは音楽を聴いてるわけでも、何かを学習してるわけでもなかったのだ。
ウジンは黙ってソリの手から端子を取り返す。イヤホーンをバッグに押し込んで先を歩き出す。
ウジンについて歩きながらソリは言った。
「疑いを招いたらちゃんと説明すべきです。黙ってたら誤解されますよ」
「…」
「外でメジャーを使うのはやめたら?」
「他人の君に何の関係があるんだ」
ソリはウジンの前に立ちはだかった。
「ほっとけないわ」
「いいからほっといてくれ」
「では、変態扱いされてるのを―黙って見てろと言うんですか? おじさんはそれでいいんですか?」
「いいんだ、それで」
「…!」
「僕なら見て見ぬフリをする。分かった?」
行こうとするウジンの前にソリは再びたちはだかる。
「今のは本心ですか? 人から無視されてもバカにされてもおじさんは平気だと言うんですか?」
「そうだ、僕は一向にかまわない」
「…」
「僕は人と関わりを持つのがイヤなんだ」
「だとしても…」
ウジンは言葉を荒げた。
「好意が人を傷つけることもあるからだ」
「そうですか」
ソリも反論する。
「だから目を背けてるんですね。私の謝罪やチャン君の心配なんか―おじさんにとってはどうでもいい。眼中にはないんですね」
「また僕のことを勝手に判断してる。君は何様のつもりだ。僕の何を知ってそんなことを言う」
「ええ、知りません!」
ソリは叫んだ。
「でも、これだけは確かです」
「…」
「こんな時は”関わるな”ではなく、”ありがとう”と言うんです」
「…!」
「これからもそうやって心を閉ざせばいい」
「私も変な大人だけど、おじさんの方がもっと変ですよ」
口を突き出して背を向けた。ウジンの前から歩き去った。
ウジンはしばしそこを動けなかった。
「30だけど17です」第6話(開かない天窓)⑤
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
★★★
外に走り出たソリは周囲を見回した。発見は早かった。ウジンは何かの寸法を取ったあと歩き出している。
「あそこにいた…」
ソリは急いでウジンを追いかける。
しかし、赤信号にかかって追いつけなくなった。
ソリは焦ってつぶやく。
「ああ~、私が家を出ると言えば帰ってくれるだろうに…」
目でウジンを追っているとカフェラウンジに入っていくのが見えた。
ソリはカフェラウンジにやってきた。ウジンを見つけて歩み寄った。
声をかけようとする直前、男が現れてウジンの前に腰をおろした。
「お待たせ」
ソリは慌てて背を返す。近くのテーブルに落ち着いた。
そこからウジンらの様子を窺っていると店のスタッフがやってきた。
「ご注文はカウンターでお願いします」
★★★
ソリはメニューを見に席を立った。
手持ちの金を取り出し、一番安い飲み物を注文する。
「ショットをお願いします」
店のスタッフは困惑して答える。
「それは…ご注文内容にショットを追加する場合のみです」
「そうですか…、では一番安い物を」
ソリは飲み物を手にテーブルに戻った。飲み物を口にしながらウジンの様子を窺ってるうち、口中に違和感を覚えて水を飲みに走った。
苦い顔で水を口に流し込む。
「何、この味は?」
口中を整えてウジンらのテーブルを窺うと、2人の姿はすでにない。
辺りをさがすと2人の姿は表にある。
「いつの間に?」
持ち物を手にあわててウジンを追いかけて店を飛び出す。
話し相手と別れたウジンはいつもの調子で通りにある物の計測を片っ端に始めていた。
座っていた椅子の計測を始めたウジンを見て女はびっくりする。気味悪そうにしてる女のもとに男が現れた。
「どうしたんだ?」
「この人、変なの」
女の話を聞いて男はウジンに声をかける。
「おい、何してるんだ」
ウジンは男を無視して立ち去ろうとする。
「聞いてるのか、コラッ! 人を無視しやがって」
男はウジンの後を追い、肩に手をかける。
「待てよ」
ウジンは無愛想に振り返る。
「何だ、その顔は」
パンチを繰り出そうとする男の腕を駆け寄ったソリが両手でつかむ。
「ちょっと待って」
「何だ?」
ソリはウジンの代わりに弁解する。
「この人は変な人じゃありません」
男はソリの手をふりほどく。
「誰だ、お前は!」
ソリは両手を広げた。
「パッと見にはイカれた…いえ、風変わりな人ですけど…でも実は職業病なんです、職業病」
ソリはウジンに言った。
「メジャーを出して」
ウジンはそのまま行こうとする。ソリは引き留めた。ウジンの手から強引にメジャーを奪い取った。男たちに見せた。
「こうして長さを測って、模型を作るのが仕事なんです」
話を聞いていたウジンは黙ってソリの手からメジャーを取り返す。
ソリは男たちを見たまま低姿勢で続けた。
「気分を害されたなら私がおわびします」
「変わってる連中だ」
男は女を促して背を返す。
「すみませんでした~」
その背に向けてソリはペコリと頭を下げた。
振り向くとウジンはもう先を歩いている。ソリは慌てて後を追った。
追いついて手を伸ばすとイヤホーンの端子を握っている。
ソリはまじまじと端子に目をやった。
「どうして…?」
ウジンは音楽を聴いてるわけでも、何かを学習してるわけでもなかったのだ。
ウジンは黙ってソリの手から端子を取り返す。イヤホーンをバッグに押し込んで先を歩き出す。
ウジンについて歩きながらソリは言った。
「疑いを招いたらちゃんと説明すべきです。黙ってたら誤解されますよ」
「…」
「外でメジャーを使うのはやめたら?」
「他人の君に何の関係があるんだ」
ソリはウジンの前に立ちはだかった。
「ほっとけないわ」
「いいからほっといてくれ」
「では、変態扱いされてるのを―黙って見てろと言うんですか? おじさんはそれでいいんですか?」
「いいんだ、それで」
「…!」
「僕なら見て見ぬフリをする。分かった?」
行こうとするウジンの前にソリは再びたちはだかる。
「今のは本心ですか? 人から無視されてもバカにされてもおじさんは平気だと言うんですか?」
「そうだ、僕は一向にかまわない」
「…」
「僕は人と関わりを持つのがイヤなんだ」
「だとしても…」
ウジンは言葉を荒げた。
「好意が人を傷つけることもあるからだ」
「そうですか」
ソリも反論する。
「だから目を背けてるんですね。私の謝罪やチャン君の心配なんか―おじさんにとってはどうでもいい。眼中にはないんですね」
「また僕のことを勝手に判断してる。君は何様のつもりだ。僕の何を知ってそんなことを言う」
「ええ、知りません!」
ソリは叫んだ。
「でも、これだけは確かです」
「…」
「こんな時は”関わるな”ではなく、”ありがとう”と言うんです」
「…!」
「これからもそうやって心を閉ざせばいい」
「私も変な大人だけど、おじさんの方がもっと変ですよ」
口を突き出して背を向けた。ウジンの前から歩き去った。
ウジンはしばしそこを動けなかった。
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