


韓国ドラマ「30だけど17です」(連載132)
「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)⑧
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
「え〜っと、リン・キム監督の資料は…」
資料を持ってソリはチン・ヒョンの許に走る。
「おお、助かるよ」
「”クラシック紀行”の下巻…」
ソリはその本を持ってすかさずヒスの許に走る。
「ここです」
振り向いたヒスにソリは説明する。
「チェックも入れてあります」
ヴァイオリンの練習に励みだして、ソリは仕事もテキパキこなせるようになっていた。
音楽祭のステージづくりにウジンもいつも以上に力が入っていた。ソリが舞台に立つのだから当然だった。
ヒスもヒョンも同様だった。
「4曲目からは特殊ライトを使おう」
「いいわね」
横から液晶画面を覗き込んでヒスは指さした。
「中央から始めて、こうして…」
ウジンも頷く。
練習に励みながら、ソリは叔父さんたちの姿を思い浮かべた。両親の代わりに演奏会場に足を運び、応援してくれたのは叔父さん夫婦だったのだ。
★★★
電話を終えたクク・ミヒョンは携帯をしまった。
「ミンギュ、あなたの恩人に電話したわよ」
シートベルトを締めながら続ける。
「お礼を言いにソウルへ行かないとね」
ミンギュは返事をしない。
バックミラーを覗き込むと寝入っている。後ろを見て笑みを浮かべる。
「もう、寝ちゃったのね…出発するわよ」
ライトを照らして車を走らせた。
ヒスたちはテーブル上にデーターを広げ、音楽祭のステージについてミーティングを行った。部門ごとに特徴的なデザインでステージを彩りたい。
ヒスは首を傾げた。
「歌謡曲とジャズは完璧なのに、クラシックが悩ましいわね」
鉛筆をいじくりまわしていたヒスはその手を止めた。対面のウジンを見た。
「資料は見た?」
「資料って、何の?」
ヒスはヒョンを睨みつけた。
「渡してないの!」
ウジンはヒョンを見た。ヒョンの表情は凍り付く。足でウジンの靴をつつく。無言の合図を送る。
「ああ、あれか〜、ヒョンからもらった」
ウジンは笑みを浮かべる。
ウジンに合わせてヒョンは頷く。
「渡しましたよ」
ヒスはウジンに目を戻した。
「ん〜、参考になりそうだったけど、どうだった?」
「今、検討してる最中なんだ。慎重を期して」
「そう…」
ヒスは含み笑いをヒョンに向ける。
「では、検討がすんでから話そう」
そう言って手を挙げた。
「コーヒーを飲む人は?」
「僕はいいよ」
「僕も」とヒョン。
ヒスは鉛筆を置いて給湯室に立った。
ウジンは口を寄せてヒョンに訊ねた。
「何の資料だ?」
難しい表情になりながらヒョンは答える。
「じっくり考えて思い出します」
「…」
「それより明日はクラシック公演の会議ですよ。何とかしないと」
「そうだな…」
ステージの下絵を手にウジンはため息をついた。
ヒスとウジンは音楽祭組織委員長とリン・キムに会った。クラシック公演に関する報告を行った。
「私たちが考えたクラシック公演の下絵ですが…」
タブレットを開いて画面を見せようとする。
それをウジンが制した。
「何? どうしたの?」
ウジンは呟くように答える。
「手直ししよう」
そう言って組織委員長を見た。
「申し訳ないですが、もう少し考える時間をいただけませんか?」
「いや、特に求めるものはない」と組織委員長。「クラシック公演なので無難な感じでいい」
「それはイヤです」とヒス。「時間をください」
組織委員長は渋い顔になる。
「適当にやってもらえば」
「待ちましょう」
リン・キムが組織委員長を見た。
すぐに続けた。
「舞台デザインも芸術です。期待しています」
「わかった」
組織委員長も頷く。
「では、好きにしてくれ」
ヒスたちは晴れやかな顔になる。
「クラシック公演の成功は決まってるようなものだ」
続いたこの言葉にウジンらは怪訝そうな表情に変わりだす。
「チケットの争奪戦になってくるはずだから」
ウジンたちは顔を見合わせた。
「どういう意味ですか?」
と、リン・キム。
「まあ、蓋を開けてのお楽しみというところだ」
「…」
「さあ、舞台の話は次にして、一杯、飲みに行きましょう」
ヒスはウジンを見た。
アイコンタクトで言葉を送る。
― これでいいってさ。
ウジンは首を横に振る。
― いいわけないだろ。
組織委員長に続いてリン・キムも席を立って出て行く。
ヒスはあわてて組織委員長を追いかけた。
「待ってください委員長。どこへ行きますか?」
ウジンは釈然としない気分で最後に立ち上がった。
「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)⑧
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
「え〜っと、リン・キム監督の資料は…」
資料を持ってソリはチン・ヒョンの許に走る。
「おお、助かるよ」
「”クラシック紀行”の下巻…」
ソリはその本を持ってすかさずヒスの許に走る。
「ここです」
振り向いたヒスにソリは説明する。
「チェックも入れてあります」
ヴァイオリンの練習に励みだして、ソリは仕事もテキパキこなせるようになっていた。
音楽祭のステージづくりにウジンもいつも以上に力が入っていた。ソリが舞台に立つのだから当然だった。
ヒスもヒョンも同様だった。
「4曲目からは特殊ライトを使おう」
「いいわね」
横から液晶画面を覗き込んでヒスは指さした。
「中央から始めて、こうして…」
ウジンも頷く。
練習に励みながら、ソリは叔父さんたちの姿を思い浮かべた。両親の代わりに演奏会場に足を運び、応援してくれたのは叔父さん夫婦だったのだ。
★★★
電話を終えたクク・ミヒョンは携帯をしまった。
「ミンギュ、あなたの恩人に電話したわよ」
シートベルトを締めながら続ける。
「お礼を言いにソウルへ行かないとね」
ミンギュは返事をしない。
バックミラーを覗き込むと寝入っている。後ろを見て笑みを浮かべる。
「もう、寝ちゃったのね…出発するわよ」
ライトを照らして車を走らせた。
ヒスたちはテーブル上にデーターを広げ、音楽祭のステージについてミーティングを行った。部門ごとに特徴的なデザインでステージを彩りたい。
ヒスは首を傾げた。
「歌謡曲とジャズは完璧なのに、クラシックが悩ましいわね」
鉛筆をいじくりまわしていたヒスはその手を止めた。対面のウジンを見た。
「資料は見た?」
「資料って、何の?」
ヒスはヒョンを睨みつけた。
「渡してないの!」
ウジンはヒョンを見た。ヒョンの表情は凍り付く。足でウジンの靴をつつく。無言の合図を送る。
「ああ、あれか〜、ヒョンからもらった」
ウジンは笑みを浮かべる。
ウジンに合わせてヒョンは頷く。
「渡しましたよ」
ヒスはウジンに目を戻した。
「ん〜、参考になりそうだったけど、どうだった?」
「今、検討してる最中なんだ。慎重を期して」
「そう…」
ヒスは含み笑いをヒョンに向ける。
「では、検討がすんでから話そう」
そう言って手を挙げた。
「コーヒーを飲む人は?」
「僕はいいよ」
「僕も」とヒョン。
ヒスは鉛筆を置いて給湯室に立った。
ウジンは口を寄せてヒョンに訊ねた。
「何の資料だ?」
難しい表情になりながらヒョンは答える。
「じっくり考えて思い出します」
「…」
「それより明日はクラシック公演の会議ですよ。何とかしないと」
「そうだな…」
ステージの下絵を手にウジンはため息をついた。
ヒスとウジンは音楽祭組織委員長とリン・キムに会った。クラシック公演に関する報告を行った。
「私たちが考えたクラシック公演の下絵ですが…」
タブレットを開いて画面を見せようとする。
それをウジンが制した。
「何? どうしたの?」
ウジンは呟くように答える。
「手直ししよう」
そう言って組織委員長を見た。
「申し訳ないですが、もう少し考える時間をいただけませんか?」
「いや、特に求めるものはない」と組織委員長。「クラシック公演なので無難な感じでいい」
「それはイヤです」とヒス。「時間をください」
組織委員長は渋い顔になる。
「適当にやってもらえば」
「待ちましょう」
リン・キムが組織委員長を見た。
すぐに続けた。
「舞台デザインも芸術です。期待しています」
「わかった」
組織委員長も頷く。
「では、好きにしてくれ」
ヒスたちは晴れやかな顔になる。
「クラシック公演の成功は決まってるようなものだ」
続いたこの言葉にウジンらは怪訝そうな表情に変わりだす。
「チケットの争奪戦になってくるはずだから」
ウジンたちは顔を見合わせた。
「どういう意味ですか?」
と、リン・キム。
「まあ、蓋を開けてのお楽しみというところだ」
「…」
「さあ、舞台の話は次にして、一杯、飲みに行きましょう」
ヒスはウジンを見た。
アイコンタクトで言葉を送る。
― これでいいってさ。
ウジンは首を横に振る。
― いいわけないだろ。
組織委員長に続いてリン・キムも席を立って出て行く。
ヒスはあわてて組織委員長を追いかけた。
「待ってください委員長。どこへ行きますか?」
ウジンは釈然としない気分で最後に立ち上がった。
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