雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載79)






韓国ドラマ「30だけど17です」(連載79)



「30だけど17です」第9話(戸惑いと心地よさ)⑤


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)



★★★ 

 ウジンはドリップコーヒーを落としている。給湯室にやってきて、ソリはウジンがいるのに驚いた。
「出かけたと思ったら、もう戻ったんですね」
 ウジンは振り返ってソリを見たが、また黙ってドリップコーヒーを落とし始める。
「そうだ、やることがあった」
 ソリは振り返って出て行こうとした拍子に故障中のドアを押して閉めてしまった。ドアは外に出られないようにロックがかかってしまった。
 あわててドアを開けようとしたが無駄だった。外の者しか開けられなくなった。
 ウジンに対しバツの悪さを感じながらソリは弁解口調で言った。
「ストッパーを外したらドアが締め切りになるのに…すみません」
「…」
 ソリと2人だけの密室空間に置かれたことでウジンにも別の緊張が発生していた。ウジンはウジンで何もなく時間が過ぎてくれるのを願っていた。
 会話も話題もなく沈黙の中で流れていく時間はたとえようもなく長かった。 
 重苦しい時間の流れに耐えかねて、ソリはうっかりコーヒー豆のグラインダーのスイッチを押してしまった。こういう時はスイッチの切り方さえ分からなくなる。ウジンが歩みよってボタンスイッチを切った。
「すみません。ありがとう」
 ソリはたどたどしく詫びてお礼をいう。所定に戻ったウジンは何のリアクションも出さない。ただ黙っている。
 この時、外で声がした。
「あれ? ドアが閉まってる」とヒョンの声。
 ソリはすぐさまドアに張り付いた。
「先輩、ここです、ここです」
「中にいるの?」
「閉じ込められたんです。早く開けてください」
 ドアを開けるなりヒョンは文句を言った。
「だから、外すなって…」
 ソリの顔を見てヒョンは驚く。
「れれれっ! ソリさんの顏がやけに老けて見えるぞ」
 ヒョンの話は聞かず、ソリは外に飛び出していった。
 ウジンが中にいるのを見てヒョンは言った。
「何だ、ウジンさんも一緒にいたんですか?」
「ドア、早く直さないとな…」
 ヒョンの質問に答えず、ウジンはそう言って給湯室を出た。

★★★


 席に戻ったソリは急いで仕事の続きに着手する。
 ウジンも黙って席に戻った。ヒスがやってきてウジンの背後に立った。
「リン・キム監督の演奏会は今夜よ」
 ウジンは振り返る。
「分かってるわね。私たちはパジュ(坡州 )に寄るから―」
 ヒスはソリを見た。
「あなたがソリさんを必ず連れて来るのよ」
 びっくりしてソリは席を立った。困惑しながら言った。
「わ、私は〜、バスで行きます」
 ソリに合わせてウジンも言った。
「俺も用で出かけるから一人で行くよ」
「えっ?」ヒョンが口を挟んだ。「会議はないはずだけど」
「そうじゃなくて、ファンハク(黄鶴洞)でオブジェを見る」
 ウジンはヒスを見て言った。
「じゃあ、後で」
 ウジンはひとり先に事務所を出ていった。
 ヒスは怪訝そうにウジンを見送った。
「急に何だよ」とヒョン。「週末に行くといってたのに…」
 ヒスは言った。
「ほっときましょう」 
 ソリはウジンが出て行くのを黙って見送った。
 ヒスはソリの前に立った。
「荷物が届くから受け取って」
 カードを出しながら言った。
「その後、タクシーで会場へ来て」
「…」
「場所は分かる?」
 ソリは頷いた。
 そして着席したがウジンの自分への態度がどうにも納得できない。
 そっと立ってウジンの後を追って外に出た。車に乗って出かけようとするウジンを呼び止める。
「待ってください」
 ウジンは振り返る。
「私が何かしましたか?」
 ストレートに訊ねた。
「…」
「いくら考えても思い当たらないけど、おじさんの態度を見たら私が悪いみたい…。何も言ってくれないから、先輩には老け込んだと言われたりして、滅入ってます」
「…」
「理由が分かれば直すなり謝るなりします」
「話すことはないです」
 そう答えてウジンは車に乗り込もうとする。
「おじさんとは―」
 叫んだソリにウジンは振り返る。
 ソリは必至の思いで続けた。
「親しい関係と私は思ってます」
「…」
「どうせ会わない、というけど…家においてくれて、私をいろいろ心配してくれて」
「…」
「それを心から感謝してるんです。だから…、家を出ても恩返しのために会いに行きます。これからもずっと顔を合わせるつもりです、私は」
 ウジンの表情は苦悶で歪んだ。
「目覚めてから、一番親しい人なのに」
 ウジンはソリを見た。
 いたためれない気分で背を返す。ドアの取っ手を握ってせわしく乗り込んだ。
 ソリは駆け寄って言った。
「私たち、親しいですよね?」
 ウジンはエンジンをかけ、黙ったまま車を発進させた。
 遠ざかる車に向かってソリは必死に叫んだ。
「おじさん待ってよ。こんなに親しい仲じゃないの〜!」
 ソリは無念さともどかしさをにじませながら走り去る車を見送った。
 
 カン・ヒスとチン・ヒョンはついでで件の作業場にに立ち寄り、資材注文の確認を行っていた。
 その時、携帯が鳴った。
「カンです。はい…えっ、何ですって?」
 ヒスの顔色は一変した。


 ヒスは急いでウジンに連絡を入れたがつながらない。
 苛立っていると事務所に連絡を入れたヒョンが言った。
「つながりました」
 事務所にはソリがいた。
「ソリさん、漏電で部隊の一部が焼けたの」
「えっ?」
「補修が必要だから―ウジンに来るよう伝えて。頼むわね」
 ソリは急いでウジンの携帯に電話したがつながらない。
「ファンハク(黄鶴洞)だ」
 ソリはファンハク(黄鶴洞)の場所を検索し、急いでそこに駆け付けた。
 市場は人でごった返している。探し出せなくて落胆していると”迷子の案内放送”が流れた。
「これだ」
 ソリは市場を管理する放送室に駆け込んだ。
 駆け込むなり切り出した。
「コン・ウジンを捜してください」




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