韓国ドラマ「30だけど17です」(連載143)
「30だけど17です」第16話(深まる思い)⑨
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ソリの練習は日を追って熱が入って来た。今日もいつもの公園で練習を続けた。
拍手が聞こえてソリはその方向を見やった。
ベンチに腰をおろした女性がこっちを見て手を叩いている。
ソリは会釈を返した。
別の曲をと弾きかけた時、弦の緩みに気づいた。直そうとしたら雷が鳴りだした。辺りはにわかに曇りだす。
空を見上げた。慌てて楽器を用具の中に戻す。用具を抱えて雨宿りに走り出す。
石段をかけおりベンチのおばあさんに声をかける。
「おばあちゃん、早く帰ってください」
そうして再び石段を駆け上がった。
幸い雨に降られないで家に帰り着いた。
「セーフ」
家に駆けこんでソリは胸を撫でおろす。
「雨が降るから緩んだのね」
自分の無事を喜んでいてソリはふと気づいた。
「ジェニファーは傘を持ってたっけ?」
トックを見て呟いた。
「今日はバイトの日だったわ」
★★★
ヒョンテの言葉にジェニファーは恐縮した。
「先日はプロにも関わらず、体調を崩してしまい、代わりの者が担当しました。申し訳ありませんでした」
ヒョンテは笑顔を見せた。
「そのため、お金を返しましたよね。今日はその分も」
ヒョンテは引き出しに手をやった。
「いいえ」ジェニファーは即座に反応する。「お金は結構です」
「そう言うと思って―」
ヒョンテは引き出しから紙バッグを取り出す。
ジェニファーに差し出した。
「よく飲むビタミン剤です」
「…」
「セールで買ったんです」
ヒョンテのボソボソした声にジェニファーは苦笑した。
「それでは遠慮なく」
頭を下げ、土間に立つ。
ヒョンテは脱がれたスリッパに目をやる。先日の代務者は色違いのスリッパを履き残していた。それがずっと気になっていた
― また左右違う靴を履いている。ウ・ソリはほんと、慌てんぼうなんだな〜。
病院から行方を晦ましてる高校時代のウ・ソリとどうしても重なってくるのだった。
ヒョンテはドアを開けて出て行こうとするジェニファーを呼び止めた。
振り返ったジェニファーに訊ねた。
「代わりに来た人ですが」
「はい?」
しかし、次の言葉が出てこない。
いろいろ捜しまわって手がかりをつかめなかった。人に訊ねても妙な対応を受けることも少なくなかった。
世話になってるジェニファーにまで煩わしさを与えたくなかった。
「いや、何でもありません」
ヒョンテはつい具体的な言及を避けた。
「気を付けて帰ってください」
外に出ると日が射しているのに雨が降っている。
ジェニファーは足を止めた。冷静にサングラスを外した。
「今日は雨の予報じゃなかった…」
「ああ、もう〜、間に合うかしら。意地悪な雨だわ」
その頃、ソリはジェニファー用の傘を握って走っている。
雨空に目をやりながら、雨宿りしているジェニファーに横から開いた傘がさし向けられる。
ジェニファーは相手を見やった。
ヒョンテだった。雨が降るのを見て追って来たのだった。
「この傘を使ってください」
さしてきた傘を差しだす。
「ありがとう。この次、かならずお返しします」
そこにようやくソリの姿が見え始める。
ソリはジェニファーを見て一目散に駆けてきた。ジェニファーの前から歩き去る男の姿など目に入らなかった。
ソリはジェニファーを見つけて駆け寄った。
「どうしたんですか?」
「よかった。傘がないと思って届けに来たんです」
「雇い主のお医者様が追いかけてきて貸してくれました」
ソリはようやく引き上げていくお医者様に目をやった。
「あの人ですか〜親切な方ですね」
「行きましょう」
2人は並んで歩き出した。
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