雨の記号(rain symbol)

新たな夢の始まり


English Version
한국어

‘フィギュアクイーン’キム・ヨナ(20、高麗大)が新しいプログラムの曲名を発表した。
キム・ヨナのマネジメント会社オールザットスポーツは30日、「ショートプログラムはバレエ曲のジゼルを、フリーはアリランをはじめとする韓国の伝統音楽を編曲した‘Homage to korea’を選んだ。 今回の振り付けは過去4年余りキム・ヨナと一緒にしてきたデビッド・ウィルソン・コーチの作品」と明らかにした。
ウィルソンコーチは「フリーはキム・ヨナがファンに送るラブレター。 キム・ヨナがオリンピック(五輪)チャンピオンになるまで惜しまず声援を送ってくれたファンと祖国に対する感謝の気持ちを込めた」と説明した。
10月からピーター・オペガード・コーチと一緒にロサンゼルス近隣のイーストウェストアイスパレスで練習しているキム・ヨナは「これまでもウィルソンコーチが何度かアリランを推薦してきた。 その度にまだ適切な時期ではないと考えて断ってきたが、五輪を成功させた今、これまでの国民の愛と関心に報いるよい時期だと判断して同意した」とし「バレエ曲ジゼルをプログラム曲に選定したのも初めてで、新しい試みになりそうだ。 ジゼル自体が持つストーリーが気に入っている。 音楽に含まれるさまざまなストーリーをうまく表現したい」と期待を表した。
キム・ヨナは来年3月に東京で開催される国際スケート競技連盟(ISU)フィギュア世界選手権大会に出場し、プログラムを初めて披露する。
(ニュース記事より)

 キム・ヨナの新プログラム完成 → とうとう完成したのか。待ち焦がれていた。具体的な検証(細部の修正やデフォルメ)はこれから始まっていくのであろうが、常に前向きでクリエイティブなスケーターである彼女には、世界選手権まで気の緩む時間はないであろう。新しいプログラムと向き合い、格闘と苦悶の厳しい道のりとなりそうだからだ。
 彼女はジャンプやスピンの組み合わせからなる演技や技術の上に、しっかりしたイメージやコンセプトを明示できるたぐい稀なスケーターだ。バンクーバーオリンピックで彼女は渾身をこめた演技でそれを立証(少なくとも僕の前で)した。
 そこに到達した彼女には、念願だった目標と合致したその演技が二度やれるものでないように思えたかもしれない。
 何でもいい、すべてが終わってしまったと感じた時、人は何を求めるだろう。求めるものがないとわかれば何をするだろう(結局は満ち足りた思いだけがそこに残ることになるだろう)。あの後、身体に宿っていたフィギュアの魂と天使が、いっぺんに抜け去りいなくなってしまったような虚脱感と反動が彼女の空っぽになった心を覆ってしまったのはわかる気がする。
 オリンピック後の世界選手権での彼女の演技が、覇気の乏しいものだったのは、フィギュアの天使は去り、萎みきった情熱がただ機械的に疲れた身体にムチを入れていたからだろう。
 
 「今季の振り付けはファンへのラブレター」 → デビッド・ウイルソンの薦めによるという。

☆フリーはキム・ヨナがファンに送るラブレター(デビッド・ウイルソン)

 一ファンとしてグッときた。感激した。
 個人的な見解だが、スケーターとしてのキムヨナは技術として極点に達していると思う。コーチを務めたブライアン・オーサー指導の賜物というべきか。それ以上にキムヨナの努力が大きかったというべきか。おそらく双方の情熱の結集が二倍、三倍の結果につながったと思うが、ジャンプ、スピン、いずれをとっても彼女の技術はすでに完成域であり、取り入れるプログラムによって、今後は細かな変更が行なわれていく程度のものだと考える。
 ピーター・オペガードの彼女への指導も、基本的にはブライアン・オーサーの手法を継承するものだろう。異なってくるといえば、キムヨナの意向を十分に取り入れた練習となりそうなことだ。それが吉と出るか凶と出るかなんて極端な結果に至ることはほとんど考えられない。彼女自身がすでにコーチもやれるほどであるに加え、選手だった経験を持つピーター・オペガードとデビッド・ウイルソン二人のチェックが入り続ける限り、彼女が現在のスキルと自分を見失うことはないだろう。

 キムヨナの最大の功労者(バックボーン)はブライアン・オーサーではなく、デビッド・ウイルソンではないか、と以前から思っていた。振り付け師としてキムヨナの才能を引き出す力が優れている、と見ていたからだが、今回の発表でひとつ加わった。彼はキムヨナの最高の理解者でもあったようだ。
 バンクーバーオリンピックで死力を尽くし、金メダルを取ったが、反動としてキムヨナはそれまで保ってきたモチベーションを消失した。
 彼女のモチベーションの再生(高揚)手段として、ブライアン・オーサーは(3Aを飛ぶ)という指標を持ち出した(たぶん)。これはブライアン・オーサーの(夢)となり始めていたものかもしれないが、彼女の心を動かすことはなかったようだ。それは彼女にとって、四年前の一から始めた冒険の(ただのやり直し)のように感じられたのかもしれない。
 しかし彼女の心をデビッド・ウイルソンは動かしたようだ。 
 最初の四年間は韓国民の応援を背景にキムヨナ自身が夢であり続けた。
 次の四年間はこれに始まる。
 ‘Homage to korea’!
 デビッド・ウイルソンお見事!
 キムヨナのモチベーションは猛然と復活しだしていることだろう。
 彼女は「アリラン」の歌を背負ってソチを目指すと僕は見た。
 来年の世界選手権では、彼女の「魔術」ではなく「闘志」を見ることが出来そうだ。

 (ケガがないことを祈っています)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「キムヨナ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事