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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載38)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
「プレーヤー」第3話→(検事と手を組む詐欺軍団)⑥
★★★
「こんなことだと思ったよ」
声の先に赤い服を着たハリが立っている。嘆息しながら歩み寄って来る。
「出所したばかりなのにまた問題を? 何してるこんなとこで…ついて来い」
アリョンを見て顎をしゃくった。
「何だお前は!」
存在を無視されて1人が声を荒げた。
「俺か?」
ハリは2人の前に立った。
「どうかしたか? ひょっとしてグルか?」
アリョンを見る。
「ん? どうなんだ?」
「…」
「待てよ」
ハリは1人の顎に手をやる。軽く持ち上げる。
「顔からして臭うな。そうだろ?」
男は苦笑する。
「一緒に署へ行ってチェックしよう」
男たちはシラケた。
ハリは言った。
「お前たちもついて来い」
男たちは顔を見合わす。ハリはもう一度促す。
「来いよ。お前たちにも警察署を見学させてやるから」
男たちはムカムカした顔になる。
「どうした? 嫌か? 警察署は嫌か?」
答えないでいる2人に向け、いきなり銃を取り出す。一人の顔にグイと突きだす。
「それならドンパチの真向勝負だ」
2人はギョッとしてたじろぐ。顔を見合わせる。
「わ、分かった。帰るよ」
アリョンを見る。
「またな」
「次はない。もう来るな」
ハリは2人に念を押す。
「”警察の対応じゃないよ”」
そんな疑念の表情を残して2人は退散していった。
2人が姿を消した後、ハリは呟いた。
「ガラの悪い奴らだな…」
服の襟を正してアリョンに言った。
「行こう」
「どこでそれを?」
「これか?」
ハリはアリョンの鼻先に銃を突きつける。それから引き金を引いた。銃は「カチっ」と音を立てた。
銃口から出て来たのはライターの火だった。ハリの口で吹き消す仕草を見てアリョンは笑った。
「ここまで何の用で?」
「有名人だから迎えに来たんだよ」
アリョンの頭に手をやった。粗雑に撫でた。
「行こう、仕事だ」
そう言ってさっさと歩き出す。
ハリの背を見てアリョンは首を傾げた。
「なぜか断れないのよね」
「早く来い」
振り返りもせずハリは言った。
★★★

ハリはアリョンを連れてアジトに戻ってきた。
「1日中ゲームか?」
2階から下りて来るビョンミンを見てハリは言った。
「…一緒に来たのか」
「途中で会ったんだ」
ビョンミンのそばに立った。
「ジヌンは?」
「ジヌン? 道に迷ってるんじゃないのか。身体しか動かないヤツは脳が黒豆だからな」
「黒豆! 黒豆は身体にいいぞ」
大きな声を返してジヌンも入ってきた。
「そうだろ?」
アリョンに同調を求める。
「相変わらずね」
ジヌンは手を出した。
「元気だったか?」
「暇してたわ。そちらは?」
「俺もすることはなかった。暇を持て余してたよ」
ジヌンは手を叩いた。
「みんな集まったから始めよう」
「ちょっと待て」
ハリが言った。
「話を説明してくれる人が来る」
どっかと椅子に腰をおろす。
「誰か来るの?」とアリョン。
ビョンミンがハリの前に歩み寄る。
「おい、ここに人を呼んではダメだろ」
テーブルに腰をおろし、上から物を言う。
「何を考えてるんだ。検事でも来たらお前が責任を取れるのか」


その時、メン係長を伴いチャン検事が中に入ってきた。
しかし、連中は揉めている。黙って顔出すわけにいかず、チャン検事はそのへんの壁をノックして来訪を告げる。
「誰?」
「わぁっ、検事だ」
ビョンミンらはびっくりする。
「見ろ、本物の検事が来たじゃないか」
ジヌンやアリョンもうろたえる。
「どういうこと?」
「お前ってヤツは」
ビョンミンはすっかり興奮している。
「静かに!」
ハリは自分の口に人差し指を立てる。
チャン検事が言った。
「騒がしいな。まだ何も話してないのか?」
ハリは両手を広げた。
「劇的な再会だな」
チャン検事は苦笑した。
しかし、ビョンミンとジヌンは警戒を緩めない。
「落ち着け。捕まえに来たんじゃない」
チャン検事はビョンミンらを宥めた。
「と、いうわけだ」とハリ。「正式に自己紹介しよう」
チャン検事がまず切り出した。
「私はソウン地検、特殊部所属のチャン・インギュだ。そしてこっちは…以前会っているな。メン係長だ」
チャン検事の紹介を受けてメン係長も挨拶する。
「また会いましたね。お会いできて光栄です」
「では、始めよう」
チャン検事は椅子を引いた。テーブルの前に腰をおろした。
「仕事の話を…」

「ちょっと待て」とジヌン。「仕事の話ってどういうことだ」
「すみません」
アリョンはハリの腕を引いた。3人がハリの前に顔を並べる。
「検事と一緒に仕事するのか」とビョンミン。
「お前たちの居場所はバレてた」とハリ。
「だったら逃げないとダメだろ」とジヌン。
「逃げても解決しない」
「だからって検事とじゃ…」
「大丈夫だ。この国はコネが大事なんだよ。だからコネをつけた」
ハリは懸命に説得する。
「心配ない。大丈夫だって」
3人はそれでも半信半疑だが、一応、話を聞くことにする。


チャン検事はテーブルの上にドサっと封筒を置いた。
「捕まえなきゃならん相手たちだ」
アリョンが封筒の中から書類を取り出す。
「腐敗した財閥、政治家、法曹人、長官、次官、そして組織のボス ―罪を犯しても特別な恩恵を受けてる」
ターゲットとなる人物のデーターはアリョンからジヌン、ジヌンからビョンミンへと回されていく。
「重罪を犯しても、懲役3年に執行猶予5年。弁護士の接見に刑執行停止と裏で手を回すやつら。何千億と盗んでも、保釈や特別赦免で出てきて、その金で悠々と暮らしてるやつら。そういうやつらを捕まえるのがお前たちの仕事だ」
ジヌンは満足そうに腕を組んだ。
「悪くないね」
「そんな怖い人たちを何で俺たちが捕まえるんだ…」
ビョンミンは不安そうにハリを見る。
ハリはチャン検事に訊ねた。
「最初のターゲットは誰だ?」
チャン検事は答えた。
「ナ・ウォナク」
「何だと」とジヌン。「華陽物産の社長か?」
「そいつが何を?」
「詳しいことはメン係長が話す。諸君らは絶対に逃れられない証拠を持ってくればいい」
「…」
「その過程で仕方なく手にする金は―」
チャン検事はメン係長を見た。
「半々か?」
「はいっ?」
「冗談だ。諸君らの懐に入れればいい」
ビョンミンらは電気に打たれた表情になる。
「約束しよう」
「そういうことか?」
ビョンミンらの堅い表情は一気にほぐれた。
「そういうことだったんですね」
ビョンミンの声は弾みを帯びてくる。
ハリは書類を持って立ち上がった。
「分かった。説明はそこまでだ。これ以上聞いてもつまらない」
「しかし、一筋縄じゃいかないぞ」とチャン検事。
「それは俺たちも同じさ」とハリも胸を張る。「一筋縄じゃやられない。なあ、みんな」
チャン検事はハリを見て言った。
「自信満々だな」
「俺たちはあんたを信じていいのか?」
チャン検事は懐から携帯を取り出した。
「今、話したことは―ここに録音されてる」
画面を開いて見せた。テーブルに置いて言った。
「これで連絡を」
ハリが携帯を手にする。チャン検事は言った。
「他に質問は?」
全員ないと答える。
チャン検事はメン係長を促して背を返した。
「お気をつけて」とハリ。
チャン検事らが立ち去った後、ビョンミンはハリに言った。
「俺はビビったんじゃなくて…本当は…」
「いや、検事はダメだ」とジヌン。
「仕事をもらったんだぞ。同じ船に乗ったも同然だ」とビョンミン。
ハリとアリョンはそのつもりのようだが、ジヌンとビョンミンはそれからも意見交換を行った。