雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載125)




韓国ドラマ「30だけど17です」(連載125)




「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)①


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)


★★★

 自宅前に到着した。
 ソリは車をおり、抱いていたおもちゃのバイクを路上におく。続いてバイオリンのケースを取り出す。
 そしたらおもちゃが坂道を走り出していく。ソリは慌てて追いかける。
「あっ、オブジェ、どこいくの? 大事なオブジェが」
 ウジンも追いかけ、ウジンの前に立った。
「そんなに慌てたら怪我するだろ」
「…」
「これがオブジェなわけないだろ」
「だって、おじさんが…」
 ウジンはため息をつく。決然とした口調になった。
「考え事をしながら歩いて、怪我でもしたらと心配で一緒について来たんだ」
 ソリは何の言葉も返せなかった。

★★★


「本当に心配なんだよ」
 ウジンは訊ねた。
「悩みはバイオリンのことでしょ?」
 ソリは驚いた。
「どうしてそれが?」
「分かるさ。大好きなバイオリンが直ったのに、表情は暗いんだもの」
「…」
「僕にできるのは心配することくらいだから、それしかできなくて」
「励みになりました」
 ソリは答えた。
「誰が? この僕が?」
「はい。心配ばかりしてたから逆にもどかしかったの」
「どういうこと?」
「今、思いつきました」
 ソリは白い歯を覗かせた。
「先に行きます」
 駆けだしてから慌ててウジンを振り返る。
「おじさん、おかげで助かりました」
 そう言って家の中へ駈け込んでいった。
 ソリが視界から消えた後、ウジンは訳がわからず頭に手をやった
「何が僕のおかげなんだ?」
 その時、ポケットの携帯が鳴った。メールの送り主はカン・ヒスだった。
「6時に会議でしょ。ぶっ飛ばす…!」
 
 部屋に戻ったソリはケースからバイオリンを取り出した。
 弓を持ってバイオリンをあごに当てた。シム・ミョンファン先生と息を合わせた自分を思い出しながらバイオリンを弾いた。
 17歳だった自分の音楽の感触を求めて何度も何度も弾いた。夢に出て来るほど弾き続けた。
 しかし、弾けば弾くほどその感触は遠のいていってしまう。ソリは絶望を覚え弓を足元に落とした。不安はやはり現実のものだった。
 
 ― ブランクは長そうね。


 脳裏にバイオリン教室の先生の言葉が蘇って来る。
 10年以上に及ぶブランクをにわかの特訓で取り戻すなんてやっぱり無理だ。
 ソリは悲嘆に暮れ、肩を落とした。


 ジェニファーは夫の義妹からショートメールを受け取った。


 ― 重荷をおろして楽になってください。


 ジェニファーはオルゴールを手にした。中から人形を取り出して立てた。夫の死が自分の人生を変え、お腹の子を犠牲にせざるを得なかった。
 バレリーナの人形を見つめるジェニファーの目から涙が溢れた。
 その時、ドアがノックされソリの声がした。
 ジェニファーはとっさに人形を中に押し込んだ。
「すみませんが携帯を…」
 ジェニファーは涙を見せないようにして答えた。
「そこにあるからご自由に使ってください」
 ソリは携帯を手にした時、ジェニファーがいつもと様子が違うのに気づいた。
「もしや、何かありましたか?」 
 訊かれてジェニファーは立ち上がった。涙にむせんだ顔をソリに見せた。
「私はいつでも大丈夫です」
「…」
 


「委員長の決定ですか! プロの舞台に彼女をですか?」
 リン・キムは興奮口調で訊ねた。
 シム・ミョンファンはリン・キムを怪訝そうに見つめ返した。
「失礼しておトイレへ」
 リン・キムは席を立った。
 トイレにやってきて苛立ちの感情を静めた。
 鏡に自分の顔を映し出しながら、高校時代の自分を思い起こした。
 ウ・ソリの存在はずっとトラウマだった。コンテストの時の記憶が蘇ってくる。
「ウ・ソリって子、上手だったわね。シム先生の演奏にも、全然、負けていなかった」
「確かに」
「ほんと、いい音を出す」
「写真を一緒に撮ろう。後に有名になるかも」
「それがいい」
 2人が出ていって部屋に自分だけになった時、彼女は嫉妬心に駆られた。その時、母親からメールが入った。


― 自分に何が足りないのか彼女を見て学びなさい。
 
「キム・テリンよりはるかに上手よね」
「テリンにはコネがあるでしょ」
 何かにつけて比較され、悔しさも感じていた。彼女のバイオリンを壊そうとした時もあったのだった。
 彼女はそのトラウマを今も引きずっているのだった。


 リン・キムはテーブルに戻ってきた。
 シム・ミョンファンは電話中だった。
「わかったよ、ソリさん。ここまで説得してダメなら諦めよう。ただ、助けがいる時は力になるから」 
 そのやりとりを後ろで立ち聞きし、リン・キムは笑みを漏らした。
 テーブルに戻って切り出した。
「考えてみました。彼女を助けてあげるべきかと…先生のご意向でもありますし」
「今、無理そうだと連絡を受けた」
「…そうですか。それは残念だわ」
「…」
「先生も気がかりでならないでしょう。私にできることがあればいつでも言ってください」
 リン・キムはそう言って気さくに笑った。


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