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韓国ドラマ「ただひとつの愛」第1話(エピソード10)
〇主な登場人物
イ・ヨンソ(シン・ヘソン)
キム・ダン(エル)
チ・ガンウ(イ・ドンゴン)
クム・ニナ(キム・ボミ)
チョン・ユミ(ウ・ヒジン)
フ(キム・イングォン)
チェ・ヨンジャ(ト・ジウォン)
クム・ルナ(キル・ウネ)
パク・グァンイル(イ・ファリョン)
キ・ジュンス(イ・ジェヨン)
他
第1話(エピソード10)
チェ・ヨンジャは他人の目を気にしながら、角膜移植センターの医師を見つけてやってきた。
長椅子を背にしあって話を交わした。
「彼にどこまで知られたの?」
診察室に押し入ってきた彼を思い起こし、医師は苦虫を噛み潰した。
「角膜提供センターまで調べ上げていました。私はどう説明すればいいのか…」
後ろを見ると、チェ・ヨンジャはサングラスを外し、医師を睨みつけている。
「ごまかすにも」
「だからって正直に答えたというの?」
「今日は知らないふりを」
医師は弱々しい声で答えた。
「今日は?」
「私も医者なのでこれ以上の弁解はできません」
「医者なのは知ってるわ」
チェ・ヨンジャは薄笑いを浮かべた。
「だからこれまで丁重にもてなして来てるんでしょう。どうして逃げ腰の態度を取るの?」
医師は目を落した。
チェ・ヨンジャは小さく笑い声を立てた。
「私は何も知らないの。角膜移植はすべて医者が行うことでしょ。それを調査までされたら…」
医師はぎょっとした顔になった。
「いや」チェ・ヨンジャは首を振った。「そんなことはありえない」
拳で長椅子を叩く。
「絶対にダメ」
「ちょ、調査ですか?」
医師はチェ・ヨンジャの方に身を乗り出した。
「いい?」チェ・ヨンジャは指を立てた。「あなたは橋を渡ってしまったし、私はその橋を爆破した」
愛らしく笑みを浮かべた。
「二度と引き返せないってことよ。分かる?」
医師は力ない声でしぶしぶ頷いた。
チェ・ヨンジャをサングラスをした。大きく息をつき、拳を握って席を立った。
ヨンソはベッドの上でダンの落としていったハンカチを握って考え込んでいる。
チョン執事は誰も見なかったという。
しかし、彼女はすぐ隣に人の存在を感じていた。会話まで交わしたのだ。
目の見えるチョン執事の言葉が解せなくて、辺りの草むらに人の気配を捜しまわっていたらこのハンカチが手に触れた。
なぜか得体のしれないその人が落としていったような気がして仕方ないのだった。
― 悲劇に見舞われた人でもそこまでひねくれない。
どこか、自分のことを知っている口ぶりだった。
「何なのよ…」
思い返せばまた苛立ちが戻って来る。
「嫌味な人だったわ」
ヨンソはハンカチをもみくちゃにした。
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