雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載164)






韓国ドラマ「30だけど17です」(連載164)




「30だけど17です」第19話(愛の告白)④


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 会場に設置された薬局で痛み止めを処方してもらい、名前を書き込んでいると後ろで女性の声がした。振り返るとソリの姿がある。チャンは呑み込んだ水を器官に流し込みかけてむせた。
 急いで外に走り出た。
「遅かったよ」
 ソリの前でつい愚痴った。
「試合前に会えないかと思った」
 ソリは花束を抱えて申し訳なさそうにした。
「そうだ。音楽祭の舞台はどうだった?」
 一瞬、迷ってソリは笑顔になった。
「はい。すごく楽しかったです」
 そこに集合の声がかかった。
「もう、行かないと」
「…」
 チャンはソリの前に手を出した。
「ハイタッチしよう」
 ソリはチャンの手に自分の手を思い切りよくぶつけた。
 チャンはその手をしっかり握った。
「必ず優勝します」
 ソリの前で誓った。

★★★

 ソリはチャンの目を受けて少し面食らった。すぐ思い直した。
「ええ、応援してるわ。ドント・シンク・フィール!」
 チャンもソリの手を握ったまま吠えた。
「ドント・シンク・フィール!」
 集合場所に向けて駆けだした。


 クク・ミヒャンは店に戻ってきた。
「ご苦労さま。忙しかったでしょ?」
 カウンターを見て驚く。
「すごい予約の数ね」
 エプロンをかけ、カウンター上に置かれた予約のメモを確認する。
 手帳もひとつ置かれている。
「これは何?」
 スタッフは答える。
「お客さんの忘れ物です」
「そう? 連絡してあげないとね―連絡先はあるかな?」
 手帳を手にしたミヒャンはぎょっとした。手から力が抜けた。足元に落とした手帳を拾えない。
「どうしました、社長?」
「いえ、何でもないわ」
 ミヒャンは足元に落ちた手帳をそ〜っと拾った。マジックで書かれた”ウ・ソリ”という名をあらためて確認する。
 手帳の中に一枚の写真が挟み込まれている。取り出してみると音楽コンクールの記念写真が出てきた。
 そこにソリの姿を見てかすかに悲鳴を漏らした。
 その時、腕がぶつかって花瓶が床に落ちた。過敏は大きな音を立てて割れた。
「大丈夫ですか?」
 スタッフはびっくりして叫んだ。
 ミヒャンはワナワナしながら写真を拾い上げた。胸をドキドキさせながら写真に見入った。




「頑張れよ」 
 ハン・ドクスはチャンを励ました。
「チョン・ジヌンだ」
 チョン・ジヌンはチャンの前で足を止めた。サングラスを外してチャンを見た。
「今回も俺の次だから、つまらないだろうな」
 チャンも応じた。
「焦ってるみたいだな」
 2人は不敵な笑みを浮かべ合った。
 チャンが先にドクスらを促した。
「行こう」


 チャンらはスタート台についた。
 実況が開始された。
「ボート競技大会、最終日。個人戦の決勝です。出場選手は1レーンから、キム・ヒョンギュ、キム・サンチュル、ユ・チャン、チョン・ジヌン、ファン・インテク、イ・ヨンミン選手 〜」


 スタート台についたチャンはスタートの号砲を待ちながら自分に言い聞かせる。
「7分間でいい。足よ、持ちこたえてくれ」


 スタンドに陣取ったウジンとソリは固唾を呑んでスタート地点を見守った。
「アテンション〜!」
「いよいよ個人戦の決勝が始まります。選手たちは号砲を待ちます」
 スタートの旗が振られた。
「いっせいにスタートしました!」

「行け!」
 ドクスらの応援も熱がこもりだす。

「― スタートからチョン・ジヌン選手が好調です」

 ウジンはチャンらに向けて双眼鏡を向ける。

「チョン・ジヌン選手がトップに躍り出ました」

 ウジンは立ち上がる。
「ダメだ。遅れてる!」

「ユ・チャン選手はスピードが鈍っています」

 後手を踏むチャンを見ながらドクスらは心配する。
「見ろ、どんどん遅れてる。見てられないよ」
 叫ぶヘボム。
「頑張れ、ユ・チャン〜!」
 ヘボムは近くの岸辺で妙な恰好で応援する女子に気付く。
「頭に紙袋をかぶり、花束かかえて応援するのは誰なんだ?」
「そうだな…誰だろう?」

「チャン、頑張って」
 目と鼻と口のあたりをくりぬいた紙袋をかぶって応援してるのは、自称チャンの彼女のイ・リアンだった。

「誰でもいいや」とドクス。「チャン、もっと速度をあげろ」

「現在、チョン・ジヌン選手がトップをキープ。それをユ・チャン選手が追いかける展開です」

 ユ・チャンは前を行くチョン・ジヌンを必死に追った。
 ソリに向けて言ったことを思い出しながら必死に追った。
「僕には目標が出来たんです。全国大会で優勝してしたいことがあるんです。きっと達成します」
 おばさんもそれを励ましてくれた。
「きっと達成できます」
「こんな時こそ、あの言葉があります。ドント・シンク・フィール!」
 おばさんも一緒に唱和してくれた。
「ドント・シンク・フィール!」

「2番手のユ・チャン選手が―どんどん追い上げる。トップに迫る勢いです ― 上位2人の差は徐々に縮まっています ― チョン・ジヌン選手とユ・チャン選手は接戦です 2人は並んだ。ユ・チャン選手がトップに追いつきました」

 ソリは両手を合わせ、目をつぶった。
 双眼鏡を向けながらウジンも叫んだ。
「チャン、行け!」

「両者、一歩も譲りません。― 両者、並んでラインを通過しました。ほぼ、同時のゴールインです」

 ソリは叫んだ。
「追いついた。同着よ」

「どっちが勝ったんだ?」とドクス達。

「審判の判定が待たれます〜」

 場内が静まり返る中、結果が発表された。
「1位はテサン高、7分6秒69」

 ソリははしゃいだ。手を叩いた。
「おじさん、1位よ」
 
 ウ・チャンは天に向けて息をついた。チョン・ジヌンはうな垂れた。

「よかったね、おじさん」
 見るとウジンの様子はおかしい。
 なぜか、涙ぐんでいる。
「どうしたの」ソリは声かけた。「泣いてるの?」
 グスンとなったウジンはソリに言葉を返せなかった。
「おじさん…」

 チャンはやり切った表情を浮かべた。笑顔の花を咲かせた。
 その時、足の痛みも戻ってきた。
 苦痛で顔を歪ませながらチャンは安堵の声をもらす。
「痛み止めを飲んでおいてよかった…」






<script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script>  google-site-verification: google3493cdb
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「30だけど17です」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事