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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載62)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
プレーヤー」第5話→(仲間とは何か)③
★★★
この状況はまずい。パク社長はドアを押して外に逃げ出す準備にかかる。
すると車はいきなり急カーブした。逃げ出す方角と逆にハンドルを切られ、下手すりゃ外におっぽり出されるところだった。
「わわ―っ! 何するんだ」
ここからアリョンの運転は乱暴になった。車はスピードをあげてジグザグ走り、パク社長は逃げ出すどころか身を守るのに精いっぱいとなった。
「この人、逃げようとしてるの」とアリョン。
「おとなしくしてろ」とハリ。
パク社長は後部席から命ガラガラで叫ぶ。
「車を止めろ! 止めてくれ」
「そうだ、止めろ」とハリ。
アリョンは急ブレーキで車を止めた。
パク社長は転げるように外へ逃れ出た。身体をフラフラさせながら助手席のハリに詰め寄った。
「顔は覚えたからな。あとで覚えていろよ。そっちもだ。わかったな」
ハリは渋い顔で言った。
「こっちに眼つけてないで後ろを見ろ」
振り返るとメン係長らが立っている。
「これはこれはパク社長じゃないですか」
「ここは?」
「わざわざ出向いてくださるとは…歓迎です」
ハリは言った。
「だから後悔すると言っただろ。あとは頼みますね」
パク社長は車に乗り込もうとする。
「せっかくですからどうぞ」
メン係長らがパク社長を車からはがして連れていく。
「ご苦労様」
メン係長の声がした。
ハリは手をあげて応えた。
ひと呼吸入れてアリョンに指示を出す。
「行くぞ」
★★★
ソウン中央地検特捜部が繰り出して某社に捜査で入った。人数を率いてやってきた。
「探すふりでいい。さっさとやれ。何人が賄賂を受け取ったと思ってる」
やってきた特捜部職員は関係書類などを押収し、箱に入れて引き上げて行く。
駆けつけてきたマスコミは捜査に入った特捜部のリーダーに訊ねた。
「関係者はいますか? 追加で召喚する予定は?」
「今はお答えできません。押収した物を全て調べて…」
リーダーは当たりさわりのない言葉を並べて応えている。
その時、誰かと接触し押収物を入れた箱を抱えた署員が転んだ。
「これは失敬」
誰かの声がする。
「何をしてるんだ」
インタビューを受けていたリーダーが怒鳴った。
「これはすみませんね」
段ボール箱を抱えて起き上がったのはチャン検事だった。
段ボール箱は底が抜けている。それを署員に返してチャン検事は言った。
「おケガは?」
チャン検事はパク社長への取り調べを行った。
「工事資金を膨らませ、リベートを受け取り、それに…幽霊会社に備品を送って通行料をもらう。しかも30%も」
「幽霊会社だと?」
「ワンルームで社員二人で仕事してたんでしょ?」
「…」
チャン検事はファイルのページをめくった。
「しかもそれが、社長と副社長だ。毎月、給料として3千万ウォンだって?」
「…」
「その上に粉飾、不正会計、不動産投機までか…」
チャン検事はファイルを閉じた。それを握って言った。
「いったいこんな大金がどこに行ったんだ」
パク社長は答えた。
「俺のためだけじゃない。私腹を肥やすためではありませんよ」
「だから、そこが知りたい。疑問に思ってるところなんだ」
ファイルを投げ置いた。
「誰の懐を満たしていたのかをね」
パク社長は鼻先で笑った。居直って切り出した。
「後悔しないようにこの辺で終わらせましょう」
「…」
「あなたでは責任が取れない」
チャン検事は受け流す。
「責任感がないので平気ですよ」
「呆れたな」
パク社長は自信を漲らせる。
「話の通じない人ですね。それなら探せばいい。金がどこに流れるのか」
「そうしますよ」
チャン検事は飄々と応じ、ペットボトルのキャップを外した。
一口飲んでゲップをした。
ハリはチャン検事から電話を受けた。
「分かった。心配は御無用、OKだ」
ジヌンがハリに訊ねた。
「何だって?}
他のメンツも揃っている。
「その前に要点を整理しよう」とハリ。
「OK」とビョンミン。「画面を見てくれ。キム(キム・ジフン)とチェ(チェ・ユンギュ)というのはこいつらのことだ」
写真入りのプロフィールが大画面で示される。
「チョ・サンムは総責任者だ。裏金の帳簿を持ってる可能性が高い」
「資金洗浄はどうやって?」とハリ。
「いくつもの借名口座を使ってるみたいだ。つまり、借名口座を使って、小切手を切っては入金してる」
「現金を使うようにする…」とアリョン。
「そういうことだ」
「見積もりはどのくらいだ?」
「60億ウォンといったところかな」
アリョンは途方もない表情をする。
ハリは言った。
「たぶん、それ以上だろう。追徴補填の前に現金を回すはずだ」
「追徴補填って何?」とアリョン。
「それは、現場で没収できない場合、刑の確定後に還収するんだ。だから財産を隠しておく」
「じゃあ、大忙しね」
「予想額は?」とビョンミン。
ハリは腕を組んだ。
「最低でも…200億かな」
「200億?」
ジヌンとビョンミンは驚きの声を揃えた。
「本当に?」アリョンも追従する。
「そんな大金をどうやって隠すんだ」
ジヌンの疑問にハリはさらっと答えた。
「サラ金を使うんだろう」
ビョンミンは言った。
「チョン会長の時と同じだな」
車の運転手と秘書に化けたアリョンとハリのコンビはパク社長の電話のやりとりを録音していた。
― ああ。キムとチェにも持ってこいと伝えろ。できる限り集めてペク・ソンに…
「”出来る限り集めて、ペク・ソンに渡せ”って電話で言ってたけど、そいつが背後の?」
「ペク・ソン?」
ジヌンはビョンミンを見た。
「知ってるか?」
「初めて聞く名前だ」
「知る必要はない」ハリは椅子から立った。「俺たちは横取りすればいいだけの話だ」
「…」
「重要なのは現金が一か所に集まること。これからその算段を打つ。ビョンミン、パク社長の周辺人物の不動産を調べろ。動きも把握するんだ」
ビョンミンは顔をしかめる。
「そんなにたくさん、徹夜しても調べられないよ」
「高い山に登ればよく見える」
ビョンミンは両手を広げた。
「何で俺一人で登るんだ」
ジヌンはニヤニヤしている。
ハリも両手を広げた。
「お前がハッキング界の巨匠だからじゃないか」
ビョンミンはもっと大きく両手を広げた。
「都合のいい時だけ巨匠かよ。ぜんぶお前のせいだ」
ふいにアリョンを睨む。
「八つ当たりしないでよ。あの人のせいでしょ」
アリョンは反発する。
「見ろよ、失礼なヤツだ。いつまで”あの人”と呼ぶつもりだ」
「だったら何て呼べばいいの?」
ジヌンがやんわりとからかう。
「”ハリさん”とか?」
アリョンは両耳を押さえた。
「気持ち悪い」
「俺だって嫌だよ」
「好きなように呼べよ」
ハリはそう言って席を離れる。
「何て呼びたいんだ?」とジヌン。
「さあ…」
ビョンミンは対抗意識むき出しで訊ねる。
「気軽に呼んでみろ」
アリョンは顔を上げた。
「詐欺師」
ジヌンとビョンミンは吹き出した。
嫌そうにするハリを見てもっと大きな声で笑った。
「アリョン」
ジヌンはアリョンを見た。両手を頬に当てて訊ねた。
「俺は?」
アリョンはあっさり答える。
「おじさん」
ビョンミンはけたたましく笑った。ハリを見て言った。
「これがお前たちの現実さ…」
ビョンミンを見てアリョンは言った。
「おい、オタク」
ジヌンはビョンミンを指さして笑い返す。
「現実ね…」
「気軽に答えてみたまでよ」
白いスーツ姿になったハリは言った。
「今日はこれで解散だ」
しかしビョンミンは話を蒸し返す。
「ほんとにこいつはけしからん。いつまで”あの人”と呼ぶつもりなんだ」
「…」