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韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑬

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韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑬



韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑫



★★★

 変わり果てた父を見てジュンジェは涙を浮かべた。腕を取って言った。
「ここを出よう」
「どこへ?」
「どこへって、家を出るんだ」
 イルジュンはジュンジェの腕を振り払う。
「どうしてだ?」
「ここは危険なんだよ」
「ここは私の家だ。危険などない」
「おじさんの事故も父さんの病気も、ぜんぶカン・ソヒんお仕業だ」
 イルジュンはジュンジェを見た。
「どうやってここに入ったか知らないが、10年ぶりに帰って来て母親の侮辱を?」
「誰が母親だって?」
「お前は…私の選択を否定したいんだろうが」
「ああ、そうだ。何から何まで間違ってる」
「なぜ、それをお前が決める?」
「…」
「私の人生だ。私は幸せに生きてきた」
 ジュンジェは悔しい顔をする。
「視力が落ちたからと、お前にそんなことを言われる筋合いはない」
「…」
「それに…この目は手術で治る」
「…」
「体が回復して手術さえできれば…何も問題はない」
 ジュンジェは呆れた。
「本当に何も分かってないんだな」
「…」
「父さんの人生は、今、どんどん破滅に向かってるんだ。あの女のせいで」
「…そんなにソヒを貶めたいのか? ソヒは今でもお前の部屋を掃除し、帰りを待ちわびてる。そういう女だ。私はあの優しい女と17年間連れ添ってきた。お前に何がわかるというんだ!」
 ジュンジェは目をつぶった。父親の言葉がすべて空しかった。見えなくなった目のように心の目もすっかり曇ってしまっている。
「カン・ソヒの本名はカン・ジヒョンだ」ジュンジェは言った。「過去、二人の夫が失明後に謎の死を遂げた。よく似たこの状況をどう思う?」
「…!」
「偶然であってほしかったけど、父さんが口にした希望はもう持てないんだよ!」
 うろたえながらイルジュンは言った。
「よ、よくもそんな嘘を…」
「信じなくてもいい。でも―父さんをここにおいておけない。力づくでも連れていく。行こう」
 ジュンジェはイルジュンの身体を抱きあげようとする。
 しかし、イルジュンは精一杯逆らった。
「お前は詐欺師なんだろ? 父親の私まで騙そうとするとは…こいつが…!」
 ジュンジェの身体から力が抜けた。握った父の腕から手を離れた。
 親を心配する本当の気持ちを汲み取ってもらえない。ジュンジェは自分を恥じるとともに父を思う素直な気持ちを信じてもらえないのが悲しかった。

 二階の異変から業者に不信感を持った家政婦は主人に電話を入れた。
「何だか今日来た業者さんたちの様子が変なんです…ただの業者とはとても思えません。二階で”父さん”という声が…」
「分かりました。すぐ帰ります」
 電話を受けたチヒョンはそう答えた。
「父は外に出さず、何かあったら通報を」
 電話を終えたチヒョンはセファを見た。
「僕を誘った電話はこのためでしたか?」
「…」
「ジュンジェが家に来たようなのでこれで失礼します。送って行けず申し訳ない。ではこれで」
 チヒョンは車に乗り込み、セファを残して走り去った。

★★★



 チヒョンの車を見送った後、セファは自分を窺う人の気配を感じた。
その方角に目をやった。ビルを支えるコンクリート柱の陰から見覚えのある男が現れる。
 マ・デヨンだった。彼は薄ら笑いを浮かべてセファに近づいて来る。
 しかしセファは恐れない。尻込みなどせず彼に向かって歩きだす。
 両手を後ろにやったマ・デヨンの手には太い金づちが握られていた。数メートルの距離になるとマ・デヨンは堂々と金づちを見せた。



 金づちなどに負けない。セファは彼に立ち向かおうとする。
 しかし、マ・デヨンの握った金づちはセファと戦う武器ではなかった。
 セファが向かって来ようとした瞬間、マ・デヨンは金づちを天井に向けて投げつけた。金づちはスプリンクラーのヘッドを直撃した。配管の各所からいっせいに水が噴き出し始めた。
 セファは慌てて背を返す。出口めがけて駆け出した。
 逃げるセファをマ・デヨンが追った。
 セファは階段を駆け上がる。その後をマ・デヨンが追う。セファは一気に屋上まで駆け上がった。外に出てドアを閉めた。
 マ・デヨンは屋上までセファを追いかけて来た。
 追い詰めたとばかりドアを押した。



 開いたドアの前にセファが立っている。
 驚く間もなくマ・デヨンは腕を取られた。セファは屋上の端っこまでマ・デヨンを引っ張ってきた。
 握ったマ・デヨンの手首を離さないでセファは言った。
「あなたの記憶をすべて消し去ってあげる」
 マ・デヨンは慌ててセファの手から逃れようとする。しかし逃れることはできない。
「罪を思い出せないのに、罰を受け続ける地獄を味わうのよ」
 そう言ってセファは目をつぶった。
 セファの念力は手を伝ってマ・デヨンの脳内へ流れ込んでいった。マ・デヨンの記憶はセファの胸に回収されてすべての発端に向けて巻き戻されていく。それらの記憶に巡り合いながらセファは涙を流し続けた。
 この時、セファは本当のことを知った。

『二人は幸せに暮らした―病気もケガもせず、子宝にも恵まれて…末永く幸せに暮らしたんだ』

 とジュンジェは話してくれた。しかし、そうではなかった。ジュンジェが見て語った夢は自分を気遣っての嘘だった。マ・デヨンの意識に残っていた記憶こそが事実だった。
「またウソを…ウソだったのね…」
 セファは屋上に立ち尽くして泣き続けた。




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