韓国ドラマ「30だけど17です」(連載124)
「30だけど17です」第14話(2人きりの夜)⑨
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
外での仕事をすませてウジンは帰ってきた。
ヒョンがウジンに言った。
「代表が帰ってきたら会議を始めます」
頷いてウジンはソリの後ろに立った。
沈み込んだソリの表情は出かける前と変わらない。おそらく仕事も手につかなかっただろう。
ヒョンはウジンに訊ねた。
「ソリさんを帰しますか?」
「ああ、そうだな」
ウジンは小さな声で頷く。
ヒョンは腕を伸ばし、考え込んでいるソリの肩を叩いた。
「ソリさん、お疲れさま。また明日ね」
席を立ち、給湯室に向かいかけてヒョンは訊ねた。
「コーヒー飲みますか?」
ウジンはソリの背を見つめたまま首を横に振る。
少し間があってからソリは席を立った。
「それではお先に失礼します」
ウジンが帰って来たのにも気づかない様子でバイオリンケースを背負い、事務所を出て行く。
「どこへ行くの?」
ウジンはようやく声をかけた。
「え?」
振り返ったソリは無表情で答えた。
「家です」
ウジンはソリに歩み寄った。両腕でソリの身体を横に動かす。
「こっちは屋上、出口はあっちだ」
「そうだった…」
ソリはウジンにペコンと頭を下げた。
「ありがとうございます」
ソリはゆっくりした足どりで事務所を出ていった。
魂が抜けたようなソリを見送った後、ウジンは大きくため息をついた。
★★★
ソリの姿が外に消えた後、ウジンは心配になって後を追った。ソリを追い越して立ちはだかった。
「僕が送るよ」
「考え事をしたいのでひとりで帰ります」
「…」
「失礼します」
ソリは他人行儀に一礼して歩き出す。
ウジンはもう一度、ソリの前に回り込む。
「ちょっと待って」
「歩いて帰ります」
「だ、だから、その…」
傍らを見て声をあげる。
「あった、これだ。見て!」
樹脂でできたおもちゃのバイクを指さす。
「これに乘って帰れと?」
「いや、そうじゃなくて…その〜、研究のため、家に持ち帰ります」
「人が捨てたゴミを?」
「持ち帰ろうと思ってたオブジェなんです」
「あれをオブジェに?」
「そうです」
ウジンは力強く頷いた。
「使うんです」
おもちゃを両手で掴みあげ、そりに押し付けた。
「仕事で使うから、助手席でしっかり持ってて」
”仕事で使う”と言われ、ソリはおもちゃを抱いてウジンの車に乗り込んだ。
ウジンはソリを助手席に乗せてようやくほっとなった。満足して言った。
「重要だから落とさないで」
「はい…でも、これのどこが重要なのか、私にはさっぱり…」
「むろん、芸術に詳しい人にしか分かりません」
「ああ、詳しい人…なるほど」
ソリはおもちゃをジロジロ見てつぶやく。
「どこが芸術なんだろう…」
切り出した手前、ウジンも説明するしかなかった。
「つまり、”傷ついた魂”を象徴する一種のメタファー…?」
言い回しは次第に難しくなり、話す本人にも分からない。ウジンは適当に頷いた。
「まあ、そういうことです」
ソリはうなずいてもう何も聞かなかった。
自宅前に到着した。
ソリは車をおり、抱いていたおもちゃのバイクを路上におく。続いてバイオリンのケースを取り出す。
そしたらおもちゃが坂道を走り出していく。ソリは慌てて追いかける。
「あっ、オブジェ、どこいくの? 大事なオブジェが」
ウジンも追いかけ、ウジンの前に立った。
「そんなに慌てたら怪我するだろ」
「…」
「これがオブジェなわけないだろ」
「だって、おじさんが…」
ウジンはため息をつく。決然とした口調になった。
「考え事をしながら歩いて、怪我でもしたらと心配で一緒について来たんだ」
ソリは何の言葉も返せなかった。
「30だけど17です」第14話(2人きりの夜)⑨
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
外での仕事をすませてウジンは帰ってきた。
ヒョンがウジンに言った。
「代表が帰ってきたら会議を始めます」
頷いてウジンはソリの後ろに立った。
沈み込んだソリの表情は出かける前と変わらない。おそらく仕事も手につかなかっただろう。
ヒョンはウジンに訊ねた。
「ソリさんを帰しますか?」
「ああ、そうだな」
ウジンは小さな声で頷く。
ヒョンは腕を伸ばし、考え込んでいるソリの肩を叩いた。
「ソリさん、お疲れさま。また明日ね」
席を立ち、給湯室に向かいかけてヒョンは訊ねた。
「コーヒー飲みますか?」
ウジンはソリの背を見つめたまま首を横に振る。
少し間があってからソリは席を立った。
「それではお先に失礼します」
ウジンが帰って来たのにも気づかない様子でバイオリンケースを背負い、事務所を出て行く。
「どこへ行くの?」
ウジンはようやく声をかけた。
「え?」
振り返ったソリは無表情で答えた。
「家です」
ウジンはソリに歩み寄った。両腕でソリの身体を横に動かす。
「こっちは屋上、出口はあっちだ」
「そうだった…」
ソリはウジンにペコンと頭を下げた。
「ありがとうございます」
ソリはゆっくりした足どりで事務所を出ていった。
魂が抜けたようなソリを見送った後、ウジンは大きくため息をついた。
★★★
ソリの姿が外に消えた後、ウジンは心配になって後を追った。ソリを追い越して立ちはだかった。
「僕が送るよ」
「考え事をしたいのでひとりで帰ります」
「…」
「失礼します」
ソリは他人行儀に一礼して歩き出す。
ウジンはもう一度、ソリの前に回り込む。
「ちょっと待って」
「歩いて帰ります」
「だ、だから、その…」
傍らを見て声をあげる。
「あった、これだ。見て!」
樹脂でできたおもちゃのバイクを指さす。
「これに乘って帰れと?」
「いや、そうじゃなくて…その〜、研究のため、家に持ち帰ります」
「人が捨てたゴミを?」
「持ち帰ろうと思ってたオブジェなんです」
「あれをオブジェに?」
「そうです」
ウジンは力強く頷いた。
「使うんです」
おもちゃを両手で掴みあげ、そりに押し付けた。
「仕事で使うから、助手席でしっかり持ってて」
”仕事で使う”と言われ、ソリはおもちゃを抱いてウジンの車に乗り込んだ。
ウジンはソリを助手席に乗せてようやくほっとなった。満足して言った。
「重要だから落とさないで」
「はい…でも、これのどこが重要なのか、私にはさっぱり…」
「むろん、芸術に詳しい人にしか分かりません」
「ああ、詳しい人…なるほど」
ソリはおもちゃをジロジロ見てつぶやく。
「どこが芸術なんだろう…」
切り出した手前、ウジンも説明するしかなかった。
「つまり、”傷ついた魂”を象徴する一種のメタファー…?」
言い回しは次第に難しくなり、話す本人にも分からない。ウジンは適当に頷いた。
「まあ、そういうことです」
ソリはうなずいてもう何も聞かなかった。
自宅前に到着した。
ソリは車をおり、抱いていたおもちゃのバイクを路上におく。続いてバイオリンのケースを取り出す。
そしたらおもちゃが坂道を走り出していく。ソリは慌てて追いかける。
「あっ、オブジェ、どこいくの? 大事なオブジェが」
ウジンも追いかけ、ウジンの前に立った。
「そんなに慌てたら怪我するだろ」
「…」
「これがオブジェなわけないだろ」
「だって、おじさんが…」
ウジンはため息をつく。決然とした口調になった。
「考え事をしながら歩いて、怪我でもしたらと心配で一緒について来たんだ」
ソリは何の言葉も返せなかった。
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