韓国ドラマ「30だけど17です」(連載149)
「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)⑥
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
― 10年以上意識不明でした。何事もなければ、私もステキなドレスを着て舞台に立てたはずなのに…。いつか舞台に立ちたい。
― 頑張って練習して資格がある人になりたい。
― 今日が初練習なんです。行って来ます。
事務所に戻ってウジンは思案に沈んだ。
自分のとった行動は果たして正しいと言えるのか。ただの理想論じゃないのか…?
「ソリさん、フェスティバルのステージに立たないで」
自分の毅然とした態度にヒスは叫んだ。
「イカれたの?」
ソリも自分の手を取って懇願してきた。
「私、仕事で支障を出してません。誰よりも早く出勤して仕事をしてるし」
自分は彼女のその手を押しのけた。
ほんとにあれでよかったのか…?
★★★
背を返したウ・ソリを目で追いながらウジンは頭に手をやった。
ソリの実直な思いを知る分、ウジンの思いも自分のことのようにやるせなかった。
ソリはバイオリンの練習に打ち込んだ。
ひたすら練習に打ち込みながらもソリの脳内は雑念で溢れていた。
今もリン・キムの言ってた言葉が頭の中で動き出す…。
― 逆境を克服した姿を多くの人が期待してると思うわ。
どう思われてもいい、とソリは思った。だから、ウジンに反発した。
― どうして止めるの? 私は…話題作りに利用されてるから?
― イヤなんだ。
…ソリはウジンの言葉を思い浮かべた。バイオリンを弾く手は緩む。ウジンの言葉を反芻する。
― 僕の好きな人が…いや、思いを寄せる女性が傷つくのは―死ぬほどイヤだ。
ウジンの言葉がソリの脳天を揺らす。思わず弓を持つ手に力が入った。その瞬間、弦の一本がプツッと切れた。
ウジンは家の表でソリの帰りを待った。
しかし、いつまで待っても姿が現れない。
痺れを切らしていると携帯が鳴った。チャンからだった。
「ソリさん、家にいないね。出かけたの?」
「ああ、ちょっとな」
「…おばさんは徹夜で練習しなきゃダメなの?」
「ん? もしや、連絡があったのか?」
「うん。ジェニファンの携帯に」
「…!」
「練習室で徹夜するってさ。体調が心配だよ」
「練習室か?」
「そう」
「わかった。先に寝てろ」
ウジンはそう言ってズボンのポケットから車のキーを取り出した。
警備員が巡回で練習室にやってきた。
照明が点っているのを見て彼はぼやいた。
「また電気を消し忘れてる」
中に人がいるかどうかをきっちり確かめないで警備員は練習室の明かりを消した。
明かりが消えてもソリは動かなかった。スモールの乏しい明かりの下にソリは取り残された。
ウジンはホールに駆け付けた。ロビーを通って練習室に向かった。
練習室に向かう通路を入って行こうとするウジンを警備員が制した。
「もう入れませんよ」
「いや、練習室に知人がいるんです」
警備員は怪訝そうにした。
「さっき確認したけど、誰もいませんでした。誰一人、出てこなかったですよ」
「そうですか?」
ウジンは嘆息した。
「いったいどこへ?」
暗くなった練習室でソリはじっと物思いに耽り続けていた。
ウジンはソリを捜しきれずに帰宅した。
そして夜は明けた。
ウジンが部屋から出ると、まるで息を合わせたようにチャンたちも寝間着姿で出てくる。
ドクスがウジンを見て元気よく挨拶する。
「おはようございます。おじさん」
ヘボムも続いて頭をさげた。
「大会を控えて合宿中です」
「…」
「パジャマも同じで一心同体です」とドクス。
チャンは訊ねた。
「一心同体って?」
「四字熟語だよ」
ドクスは答える。
リアクションの乏しいウジンを見てチャンは訊ねた。
「もしかして寝てないの?」
「そうじゃない」
ウジンはチャンの頭を撫でて階段を下りて行った。
ウジンを見やってチャンは首を傾げた。
「何かあったみたいだな…」
ウジンはソリの部屋のドアが開いたのを見て階段を駆け下りた。
「いつ帰って…」
声をかけたら、中から出て来たのはジェニファーだった。
「…私です」
ジェニファーは紙バッグを差し出した。
「ソリさんの着替えです」
「…」
「届けてやっていただけませんか?」
紙バッグをウジンに持たせてジェニファーは言った。
「ソリさんの体調が心配です。練習に追われているようなので…」
「それならいいんですけど…」
ウジンは小さく言葉を返した。
「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)⑥
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
― 10年以上意識不明でした。何事もなければ、私もステキなドレスを着て舞台に立てたはずなのに…。いつか舞台に立ちたい。
― 頑張って練習して資格がある人になりたい。
― 今日が初練習なんです。行って来ます。
事務所に戻ってウジンは思案に沈んだ。
自分のとった行動は果たして正しいと言えるのか。ただの理想論じゃないのか…?
「ソリさん、フェスティバルのステージに立たないで」
自分の毅然とした態度にヒスは叫んだ。
「イカれたの?」
ソリも自分の手を取って懇願してきた。
「私、仕事で支障を出してません。誰よりも早く出勤して仕事をしてるし」
自分は彼女のその手を押しのけた。
ほんとにあれでよかったのか…?
★★★
背を返したウ・ソリを目で追いながらウジンは頭に手をやった。
ソリの実直な思いを知る分、ウジンの思いも自分のことのようにやるせなかった。
ソリはバイオリンの練習に打ち込んだ。
ひたすら練習に打ち込みながらもソリの脳内は雑念で溢れていた。
今もリン・キムの言ってた言葉が頭の中で動き出す…。
― 逆境を克服した姿を多くの人が期待してると思うわ。
どう思われてもいい、とソリは思った。だから、ウジンに反発した。
― どうして止めるの? 私は…話題作りに利用されてるから?
― イヤなんだ。
…ソリはウジンの言葉を思い浮かべた。バイオリンを弾く手は緩む。ウジンの言葉を反芻する。
― 僕の好きな人が…いや、思いを寄せる女性が傷つくのは―死ぬほどイヤだ。
ウジンの言葉がソリの脳天を揺らす。思わず弓を持つ手に力が入った。その瞬間、弦の一本がプツッと切れた。
ウジンは家の表でソリの帰りを待った。
しかし、いつまで待っても姿が現れない。
痺れを切らしていると携帯が鳴った。チャンからだった。
「ソリさん、家にいないね。出かけたの?」
「ああ、ちょっとな」
「…おばさんは徹夜で練習しなきゃダメなの?」
「ん? もしや、連絡があったのか?」
「うん。ジェニファンの携帯に」
「…!」
「練習室で徹夜するってさ。体調が心配だよ」
「練習室か?」
「そう」
「わかった。先に寝てろ」
ウジンはそう言ってズボンのポケットから車のキーを取り出した。
警備員が巡回で練習室にやってきた。
照明が点っているのを見て彼はぼやいた。
「また電気を消し忘れてる」
中に人がいるかどうかをきっちり確かめないで警備員は練習室の明かりを消した。
明かりが消えてもソリは動かなかった。スモールの乏しい明かりの下にソリは取り残された。
ウジンはホールに駆け付けた。ロビーを通って練習室に向かった。
練習室に向かう通路を入って行こうとするウジンを警備員が制した。
「もう入れませんよ」
「いや、練習室に知人がいるんです」
警備員は怪訝そうにした。
「さっき確認したけど、誰もいませんでした。誰一人、出てこなかったですよ」
「そうですか?」
ウジンは嘆息した。
「いったいどこへ?」
暗くなった練習室でソリはじっと物思いに耽り続けていた。
ウジンはソリを捜しきれずに帰宅した。
そして夜は明けた。
ウジンが部屋から出ると、まるで息を合わせたようにチャンたちも寝間着姿で出てくる。
ドクスがウジンを見て元気よく挨拶する。
「おはようございます。おじさん」
ヘボムも続いて頭をさげた。
「大会を控えて合宿中です」
「…」
「パジャマも同じで一心同体です」とドクス。
チャンは訊ねた。
「一心同体って?」
「四字熟語だよ」
ドクスは答える。
リアクションの乏しいウジンを見てチャンは訊ねた。
「もしかして寝てないの?」
「そうじゃない」
ウジンはチャンの頭を撫でて階段を下りて行った。
ウジンを見やってチャンは首を傾げた。
「何かあったみたいだな…」
ウジンはソリの部屋のドアが開いたのを見て階段を駆け下りた。
「いつ帰って…」
声をかけたら、中から出て来たのはジェニファーだった。
「…私です」
ジェニファーは紙バッグを差し出した。
「ソリさんの着替えです」
「…」
「届けてやっていただけませんか?」
紙バッグをウジンに持たせてジェニファーは言った。
「ソリさんの体調が心配です。練習に追われているようなので…」
「それならいいんですけど…」
ウジンは小さく言葉を返した。
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