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韓国ドラマ「青い海の伝説」第3話②
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 3②
第3話①…
「陸に上がれば足が生えるとも…」
セファは目を落とした。
「でも、今は無理なの」
少年はセファに言った。
「私はお前と離れたくない。むりやり妻を娶らされるけど、お前以外の女と暮らすのは嫌なんだ」
「でもどうすればいい?…私たちは住む世界が違うのよ」
少年が何も言えずにいると、セファはさっと海に飛び込んだ。海へ帰って行った。
少年のそばには彼女の流した涙でできた真珠がひとつ残っていた。
★★★
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初夜を迎えた少年は、娶った妻を部屋に残し家を抜け出しました。
馬に乗り、数日かけて海へ向かったのです。
逢瀬を重ねた海に着くとセファの名を叫びました。海に向かって何度も何度も呼び立てました。
ついには海に入って行きました。少年は知っていたのです。こうして海に身をまかせたら、彼女が必ず助けにやって来ると…少年は目をつぶり、海の底へ沈んで行きました。
しかし、少年は人魚の持つ…特殊な力を知りませんでした。
その力とは――口づけで人間の記憶から自分を消してしまう能力でした。彼女は口づけで少年の記憶を消しながら助け、海にどこかへ姿を消したのです。
「あら、目を覚ましたようよ」
少年は海辺に住むおばさんたちの言い交わす声を耳にして意識を取り戻しました。
少年は濡れた身体を起こし、おばさんたちに訊ねました。
「自分はなぜここにいるんですか?」
おばさんたちがそれを知るはずもありません。
タムリョンは人魚に言った。
「妻は祝言を挙げた翌年に病で死んだ。初夜に私がいなくなったことを最後まで恨んでいたが…その夜、自分のとった行動は何一つ思い出せなかった」
「…」
「あの夜、私はなぜ家を抜け出したのか…」
タムリョンは人魚をじっと見つめた。
「私は…その少年ではないのか?」
人魚は舟に近づいた。ヘリに手をかけた。
二人はまじまじと見つめあった。
ジュンジェは彼女(人魚)の口づけで再び記憶を消されていった。
この地で起きた女とのあらゆる出来事を消され、浜辺にひとり取り残された。
意識を取り戻した彼は自分がどうしてここにいるのかを思い出そうとした。
韓国からやってきた追っ手から逃げ回ったのはくっきり頭に残っている。
ホテルから逃げ出し、海水浴客の溢れる砂浜を走り、自転車で逃げ、迷路も逃げ回った。
ヘラクレスの塔の海岸で追いつめられ、海に飛び込んで逃れようとしたことも…。
しかし、それらの出来事の中に女の姿はいっさいなかった。
ジュンジェはそれらの記憶をたどってため息をついた。
今まであんな無謀なやり方で逃げようとしたことは一度もなかった。
「あんな所から飛び降りるなんて…」
あんな豪胆さが自分にあったのは驚きだ。不思議でならない。
「いったい何を考えてあんな行動を…まったく身の毛がよだつ」
顔をしかめた。頭に手をやった。
「ああ、頭が痛い」
頭をおさえた右手を見て腕輪に気付いた。
「何だこれは?」
場面はしっかり蘇ってきても意識の流れとの整合性がまるで希薄だ。頭の中がよどんで感じられるのはそのせいなのか…?
ジュンジェは身体を後ろに伸ばした。後ろにそった身体を両手で支え、空を見上げた。
そんな彼のそばに真珠がひとつ落ちていた。
ジュンジェは飛行機で帰国の途についた。
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