雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話①






韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話①
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 9 ①
 


 第8話⑭


「俺の質問が先だ。答えろ。なぜ具合が悪いんだ?」
ジュンジェはセファの手を取った。額に手を当てた。セファと見つめ合った。
「ジュンジェ…私は何も話してあげられない。隠し事ばかりよ」
「…」
「その隠し事のせいであなたを傷つけるのは嫌なの」
「…」
「悲しむ姿も見たくない」
「だから?」
「私、帰るわ。手遅れになる前に元いた場所へ…」
 ジュンジェはセファを見つめる。
「好きになる予感の話だが…」
 セファの潤んだ目を見つめ、噛みしめるように言葉を吐き出す。
「それを今感じだしてる」
「…」
「だから、どこにも行くな」
 二人は黙って見つめあった。

★★★

「行こう」
 ジュンジェはセファの手を取った。
「一緒に家に帰ろう」
 セファの手を引いて歩きだそうとした時、ジュンジェは腹を押さえた。地面に崩れ落ちた。そのまま意識を失った。
 驚いたセファは必死にジュンジェの名を呼び続けるが、彼はまったく反応を見せない。
 
 気を失ったジュンジェは朦朧と夢の中をさまよった。さまよう彼の前にたくさんのタムリョンが登場する。よく見ると自分も大勢の自分だった。
 これは何なのか? 無数の鏡の中なのか?
 ジュンジェは一人のタムリョンと向き合った。…

 セファは気を失ったジュンジェを何度も何度も呼び続ける。大きな声で助けも呼んだ。
 通りかかったカップルが駆けつけてくる。
「どうしたんですか?」
 通りかかりの人らが次々集まってくる
「早く救急車を」






 タムリョンが訊ねる。
「そなたは誰だ?」
 ジュンジェが訊ね返す。
「あなたは?」 
「私は…タムリョンだ」
「…」
「そなたが来世の私であるなら、目覚めても忘れるな。すべては繰り返される。良縁がその世界まで続き――悪縁もまた然りだ。危険な者たちからそなたの想い人を――守れ」
「…」

 タムリョンの言葉を聞き終えたタムリョンは静かに目を開ける。セファの顔がぼんやりなままの視野に入ってくる。
「大丈夫ですか?」
 救急隊員も駆けつけている。
 目を開けたジュンジェに隊員が尋ねる。
「指が何本に見えますか?」
 ジュンジェはそれには答えず起き上がった。
「大丈夫です」
「ほんとに大丈夫?」
「俺は大丈夫だ」
 セファは安堵の声をもらす。ジュンジェの身体に自分の身体を預けた。みんなの見てる前で二人は抱き合い、しばらくそうしていた。




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