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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載63)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
プレーヤー」第5話→(仲間とは何か)④
★★★
ビョンミンは対抗意識むき出しで訊ねる。
「気軽に呼んでみろ」
アリョンは顔を上げた。
「詐欺師」
ジヌンとビョンミンは吹き出した。
嫌そうにするハリを見てもっと大きな声で笑った。
「アリョン」
ジヌンはアリョンを見た。両手を頬に当てて訊ねた。
「俺は?」
アリョンはあっさり答える。
「おじさん」
ビョンミンはけたたましく笑った。ハリを見て言った。
「これがお前たちの現実さ…」
ビョンミンを見てアリョンは言った。
「おい、オタク」
ジヌンはビョンミンを指さして笑い返す。
「現実ね…」
「気軽に答えてみたまでよ」
白いスーツ姿になったハリは言った。
「今日はこれで解散だ」
しかしビョンミンは話を蒸し返す。
「ほんとにこいつはけしからん。いつまで”あの人”と呼ぶつもりなんだ」
「…」
★★★
3人を尻目にハリは言う。
「好きにやっててくれ。俺はともかく出かける。じゃあな」
「どこへ行くの?」
アリョンが訊ねた。
「デート」
「…」
「じゃあ、俺もそうする」
ジヌンも立ち上がる。
「約束でも?」
とアリョン。
「兄貴が退院するからさ」
「ちょっと待て」ビョンミンもタブレットPCを抱えて立ち上がる。「俺も乗せていってくれ」
「意外だわ」
アリョンはビョンミンを見ていう。
「俺だけがか?」
ビョンミンは左手を広げた。
「お前は視野が狭いな」
「暇つぶしにゲームでもやろう」
アリョンはおねだりっぽい仕草でいう。
ビョンミンは笑った。
「俺は子供じゃない」
「いつもやってるのに?」
「お前とは絶対やらない」
アリョンは顔を背ける。
「すねてるのね」
「暇なら友達でも呼んで遊べ」
ビョンミンはアリョンのもとにタブレットPCを滑らした。馬鹿笑いしながら出ていった。
3人がそれぞれの用向きで出かけ、1人残されてみるとアリョンも出かけたい気分でうずうずしてきた。
車やオートバイで仕事する今、1人で車に乗ったり、オートバイ
にまたがったりする気分にはならない。
街に出て1人で電車に乗った。
電車の中は連れ立った若者や男女、家族らの様々な会話で溢れている。
「何か付いてる」
「どこ?」
アリョンはちらちら目を走らせる。
「行こうか」
「いいよ」
いずれも楽しく幸せそうなのがアリョンを複雑な気分に走らせる。
アリョンは携帯を取り出した。
SNSのラインを開く。自分への投稿はない。自分が積極的じゃないから当然と言えば当然だ。
それでも寂しさに駆られた。誰かに何かを打とうと思ったが、書きたいものもなくコーナーを閉じた。
結局、1人外出は退屈だった。
車内に目をもどした。
不思議なものだ。職業柄というべきか、怪しい動きをする人間はすぐアリョンの目線に引っかかった。一人の帽子を被った男が彼女の目に飛び込んできた。
男は移動してきて中年女性の背後に立った。バッグのそばで手を動かし、こちら側に移って来る。すぐ別の女が移動してきてバッグから何かを…。
アリョンの目はその一点にくぎ付けになる。女が抜き取ったのは財布だった。
女は腰元のバッグに財布をすべりこませながらこっちへ移動してくる。
怪しい動きだったがアリョンにその一部始終が見えたわけではなかった。しかし、盗み取ったのは確信した。
アリョンは席を立った。立って彼女を待ち受けた。女はちらとアリョンに目を走らせ、反対側に向けて立った。
電車をおりてアリョンがホームを歩いていると、背後で誰かが叫んだ。
振り返るとさっきの男と女がこっちへ逃げてくる。アリョンの横を走り抜ける。
2人を追いかけて電車から走り出て来たのも、被害者と思われる女性だった。
異変なのは2人を捕まえるために警察官がこのホームで待機していたことだ。電車内の地点で通報が入っていたらしい。
警察官に追われ、逃げ焦った女はホームで転んだ。男は女を捨て置いて逃げ去った。
アリョンは女のもとに駆け寄った。助け起こすと女のバッグをすかさず腰から握り取った。そのまま何食わぬ顔で女のそばから歩き去った。
女も逃げようとするが、追いついた2人の警察官に拘束された。
女は逆らった。
「何するんですか」
「盗んだ財布はどこ?」
「何なの、知らないわよ」
財布を盗まれた女性もやってきて女の身体を調べ出す。
「盗んだのはあなたでしょ。どこに隠したのよ」
しかし女の身体から財布は出てこなかった。
捕まりかかった女を手助けしたアリョンは郵便ポストの前にきた。財布を郵便ポストに投げ込み、盗んだ金を調べる。
「ずいぶん、盗んだわね」
いろいろ調べているとその手を掴んだ者がいる。
さっきの女だった。
「やっぱり、姉御だったね」
女は馴れ馴れしく笑っている。
それはアリョンにとって困惑だった。
案の定、女はアリョンに付きまとう。憧れをこめていう。
「あんな一瞬でやれるとは全然気づかなかった」
付きまとわれてアリョンはため息をつく。
「プロよね。今もこれで? 私にも教えて」
「ついてこないで」
「そんなこと言わないで。私も姉御みたいになりたいの」
「もう、足を洗ったからついて来ないで」
「だったら」女はアリョンの前に立つ。「後輩に引き継がないと。私はピョン・ヨンジ」
女は握手を求めた。
アリョンは呆れ、黙って行こうとする。
女は引き留める。
「わかったわ。一度だけ…」
アリョンはその手を振り払う。一瞬で女から水色の財布を抜き取る。
「教えたわよ」
女は驚く。
「カッコいい」
アリョンは財布を後ろに投げて歩き出す。
「ああ、もう~」
女は財布を拾いに走り、叫んだ。
「姉御、待って」