栃木県警那須塩原署は29日、住居不定、無職大野正勝容疑者(34)を道交法違反(無免許、酒気帯び運転)の現行犯で逮捕した。
大野容疑者は酒気帯び運転で摘発され、9月5日から30日間の免許停止中だった。
調べによると、大野容疑者は28日午後11時25分ごろ、同県大田原市美原3の市道で、無免許の上、酒気帯びの状態で乗用車を運転した。
同署のパトカーが暴走族のバイクを追尾中、パトカーの後をついてくる大野容疑者の車を不審に思って停止させたところ無免許と酒気帯びが判明した。呼気1リットル中0・35ミリ・グラムのアルコールが検出されたという。
大野容疑者は調べに対し「駐車場に止めた車の中で飲酒した」と容疑を認めているという。
酒気帯び運転で捕まる者が後を絶たない。
上記のニュースは読んで眉をしかめるというより、失笑してしまった。
暴走族のバイクを追尾しているパトカーの後を、酒を飲んだ身で車を運転してついていくなど、普通の感覚では考えられない。緊急車両の走って行く後は確かに走りやすいだろうし、いい調子で後ろについて走る車を目撃したりもするが、緊急走行中のパトカーの後をアルコールの臭いプンプンでついて行く話はさすがに聞いたことがない。
酒を飲むと、それだけ冷静な判断が失われるということであろう。
車に乗って走るということは、それに慣れきってしまうと身体だけが自在に動き回っているような感覚に陥ってしまう。だが実際は硬い鉄のかたまりが時速何十キロ(場合によっては百キロ以上)かで動いているのである。何かにぶつかれば、その硬さ+スピード+重量の力が対象物に加わることになる。その衝撃をまともに受ければ、当然、人間はひとたまりもなく身体を破壊される。車対車の場合は中の安全性が問題になるが、道路は歩行者と共有しあっている。中に乗っている者の安全だけがいくら高まっても仕方ないものである。
免許更新の時など、車が引き起こす悲惨な事故の姿などをみんなは記録映画などで見て頭に刻み込んでいるはずだが、酒気帯び運転の相次ぐこの現状からすると、それらから学習している者は少ないように感じられる。
酒に酔って車で人をはねて、よく覚えていない、で片付けられては歩行者もたまらない。取り返しのつかない事故が頻発してきているが、酒気帯び運転がこんなにあるようではそれも無理ない。
走る凶器を制御不能の状態で走り回っている者がゴロゴロいるようでは、うっかり横断歩道も渡れない。
車を運転する者はもう一度よく考えてほしい。車とは時速何十キロものスピードで移動する鉄のかたまりだということを。