春のワルツ 第13話「イナの策略」
まずはNHKのあらすじガイドから
婚約発表の場で、ウニョンを「僕の愛する人」と紹介してしまったチェハ。会場は騒然となり、チェハの両親は激怒する。ウニョンは身を引こうとするが、チェハはもうウニョンを離さない決意を固めていた。
予想外の展開に腹を立てたイナはフィリップを責めるが、フィリップはだまし討ち的な婚約発表をたしなめ、「今チェハに一番必要なのはウニョンだ」と言い切る。そこでどうしてもチェハを取り戻したいイナは、ウニョンを職場に復帰させることを計画。チェハとウニョンをいつでも自分の監視下に置いておこうというのだ。ウニョンにチェハを諦めさせるため、イナの巧妙な作戦が開始される・・・。
チェハはタクシーを走らせ、ウニョンに追いついた。
ウニョンはチェハが追いついてくるのを待っていた。
チェハは自分の親のことを謝る。ウニョンは言った。
自分が惨めなのはかまわないけど、私はあなたにつりあわない存在だとわかっている、私はあなたに変わってほしくない、あんなのはだめよ、と。
しかし、チェハはウニョンの手を強く握って言った。
「やり方は正しくないかもしれないけど、君をもう離さない」
イナはフィリップを捕まえて言った。
「何しているのよ」
「何が」
「友達ならあんなこと止めるべきじゃないの。愛する人を奪われていいの」
「チェハも悪いけど、彼の両親も悪い。あんなやり方はないよ」
「あの席は私のものなのよ」
「しかし、今のチェハに必要なのは彼女だ。それはわかってるんだろう? 今は二人を見守るしかないんだ」
チェハとイナの婚約発表が不発に終わり、チスクは寝込んでしまう。
母を見舞ったチェハを呼び出し、ミョンフンは彼の身勝手な行動をとがめる。
「ごめんなさいか。簡単な言葉だ。重要な場だとわかっていたはずだ」
「だけど、自分の気持ちを知ってほしかったんです」
「人がどういおうと、結婚だけは勝手にさせるわけにいかない」
「結婚は自分の愛する人とします」
ミョンフンはチェハを睨みつけて言った。
「私たちを失望させるな」
イナはウニョンの辞職願を手に思案をめぐらした。
どうしたら二人をうまく別れさせられるかの算段だ。イナは下手に出て、ウニョンを職場復帰させようとする。
チェハは混乱しているけど、ピアニストである自分のそばにいるべき相手は誰であるか、そのうちわかるはずよ、と大事なところはゆずらない。そのうちそれがあなたにもわかるはずよ、と念押しのつもりのようだ。
イナの思い上がったようなそういうところがいやだというのを、イナはわかっていないようである。
チェハの練習ははかどらない。そんな彼を見てフィリップはチェハと話を持つ。
「驚いたよ。大胆なことをしたもんだ」
「他の人が傷つかないことを願ってる」
「もう傷ついてる」
「すまん。でも、自分が気持ちをはっきりさせないともっと傷つけると思った」
「しかし、僕はウニョンを忘れられない」
「わかってる。わかってるけど、ウニョンさんをはさんで辛い立場にあるけど、このことで君との友情まで失いたくない」
ジョンテは息子のカングに、金づるのチェハと今度会わせてくれ、と言い出す。
父親の魂胆がわかっている息子は、それを察して顔を背ける。
取材記者の友人といっしょにいるイナを訪ね、もう一度ここで働く気持ちを伝えるウニョン。
イナが何を考えているのか怪訝そうにする友人。どうやら、意地が悪く負けん気の強い彼女の気性が多少わかっている様子。
職場復帰したウニョンを見て喜ぶチェハ。チェハのそばに戻ってこれて、嬉しさをかくしきれないウニョン。感情の素直な交流が心地よい場面。
チスクを見舞って、昔の自分を思い出しているイナ。イナにも素朴で純情な時代があったようだ。
しかし、今のイナは違う。ウニョンに最初の落とし穴をしかけたのがチスクの病室なのだ。
ウニョンがやってきたことに驚いたチスクは激怒して、
「今すぐここを出て行け」
と彼女を外へ追い出す。
この時、わざと席を外していたイナは、彼女から初めて、ソ・ウニョンという言葉を耳にする。
チェハの練習ははかどりを見せだしたようだ。
退院したチスクはさっそくウニョンの家へ押しかけ、職場復帰した彼女をとがめてタクシーで去る。
ウニョンは熱を出して寝込む。
のり巻きの店が高値で売れた疑問につきあたったウニョンの義母は、不動産屋に出向いてその経緯を知る。
チスクを訪ねた義母は、娘を売る気はありません、と言って契約書をつき返そうとするが、彼女はそれを押し返して行ってしまう。
義母から話を聞いたチェハはウニョンを気遣う。熱があるだろう、といっておんぶしてあげたり・・・。
そして、いよいよこの物語発端の功労者、どん底男ジョンテが動き出す。父と子の再会がすぐそこまでやってきたようだ。
ここから先は、いろいろの意味で展開が面白くなりだす。
ここからの数分間は説明抜きで見てもらったほうがいい。終章に向かううねりの始まりである。