日日不穏日記gooブログ版

雰囲気ばかりの報道の山

 食の安全で重用なのは「食中毒」「異物混入」それに「食生活」だ・・・って、10日の日記に書いたんだけど、今マスコミで洪水のような報道がされている菓子メーカーの件を見ていてなんか腑に落ちない。
 「商品撤去」「二転三転する説明」「経営がどうのこうの」「賞味期限切れ」・・・食品メーカーとしては、もちろん問題。だけど食品リスクで考えれば、賞味期限を一日過ぎた食品がそれほどキケンなものなのか?って考えるとそれほどじゃないだろうって気がしたんだよね。むしろ、「食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷」の方が大問題じゃないか・・・って思ったんだけど、意外なほど、マスコミ報道で触れられていないんだ。



 「FoodScienceプレミアム」で松永和紀さんが書くのを心待ちにしてたんだけど、今日アップされた「松永和紀のアグリ話●何が重要なのかか分からない雰囲気報道にご注意」によれば、「洋生菓子の最近基準は1gあたり10万個とされていて、今回のシューロールは何と640万個。それも出荷時の数値なのだから、店頭で販売された時点ではどれほどの数値になっていたのか。一般に食用に供することの出来る「可食限界」が一般には、100万個から1000万個/g。それ以上の腐敗の起きる数値が1000万個から1億個/g程度」だというから、とんでもない細菌汚染だったってことになる。松永さんは「はっきり言って、社長の辞任とか経営苦境などと言っている場合ではない。これまで働いてきた人たちには大変気の毒だが、「もうこの会社に食品を作ってもらっては困る」というレベルの話だと私は思う」と書く。
 やっぱり・・・。本当に伝えるべき情報の優先順位がヘンじゃないかって思ってたけれども、松永さんのコメントにわが意を得たりって気がする。何でこういう重要なことをマスコミは伝えてくれないのだろう。雰囲気ばかりの報道の洪水にもううんざりだ。

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コメント一覧

haikyotansaku
 一番怖いのは食中毒ですからね~
ヌーボー
検査担当者が未経験者でよく分かっていないようです。こんな検査で食中毒は大丈夫か~
haikyotansaku
 いろいろ参考になる意見ありがとうございます。言われるほどの細菌数ではなかった可能性はあるかもしれません。ただ、それはそれとして工場内の管理、周知徹底の面は批判されてしかるべきものですし、食品メーカーとして大丈夫なのか?という疑問を抱かせるもの・・・という気はします。
ヌーボー
いちごとか生鮮農産物にはよく洗っても、加熱しない限り、菌数はどーんと多くなるのは検査しているとわかることですが、逆に言えばそういうものは管理をきっちりしてもらいたいですね。
問題点は、検査の担当者の知識レベルと、知らなかったとは言え(工場全体は問題山積み)それを誤魔化した品質管理の愚かさでしょうね。
ぴら
不二家の細菌数について、次のような話も出ています。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070116k0000m040174000c.html

このニュースが確かだとすると、実は問題ないレベルの菌数だったことも考えられます。
もちろん、検査方法の周知徹底ができていなかったという点で、不二家の管理体制に問題があったことには間違いないのですが。

あと、マスコミの報道で気になるのが細菌数を対数でとらえるということは伝わっているかが疑問です。

基準の100倍の菌数というとそれは事実なのですが、微生物検査する人は普通5乗、6乗といった感覚でとらえているので、一般の人がとらえている感覚と品質管理している人が受け取る感覚は少し違うでしょう。もちろん640万は十分悪い結果なのですが。
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