1年を2日で使い切る岸和田住民には、だんじりがある。さすが肉食系でその倍の4日を大騒ぎするリオのブラジル人にも山車・・と呼んでいいのか・・がある。なにかといっては同窓会をやるぼーずの高校同級生達だが、やはり盛り上がるのはこの神輿(みこし)がある時だ。
今回の神輿は英語の先生であったFrancis Mathy(フランシス・マシー)神父。恩歳84になられた。この先生、母校で教えていたのはわずか数年でその後は退官まで上智大学で教えていた。転籍するなり教授になったので大いに驚いた覚えがある。当時小説家志望の親友、修二曰く『あのおっさん、偉いみたいや。夏目漱石研究の論文集ではかなり上位に名前が記載されている』
そう、彼は漱石の研究ではかなり有名なアメリカ人であり、翻訳された“門”は日本でも入手可能だ。数年前は遠藤周作の“お馬鹿さん”を“Wonderful Fool”というタイトルで英訳したと言っておられた。他にも志賀直哉や日本文学についての著書も多く、高校で漱石の“こころ”の授業中、教師が『この質問はマシー先生に聞いておきます』と言ったくらいだ。(お前、日本人か?のヤジあり・・笑)
但し、この大先生は、非常におっかない存在でもあった。ある日、早めに登校し、学校の自習室でその日の宿題を片付けていた時の事だ。前の方で友人のノートを写していた生徒を見つけ、叱り付けながら、最後にそのノートを真っ二つに引き裂いたのを目撃したことがあった。
かく言うぼーずも、当時は授業で教えてもらってないにも関わらず2回も怒られた。一度は朝礼に遅れまいと階段を駆け下りていた時、いきなり腕をつかまれ『君は朝先生に会って挨拶をしないのか』・・だってあんたのこと知りまへんで・・とは言えなかった(笑)。お陰で整列に間に合わず、朝礼中は列の横で立たされてしまった。
2回目は職員室に入ろうとドアを押したところ、対面からこっちに来られたので邪魔にならんようすばやく入ったら『先生を待たせて入るのか』とお叱りを受けた。但し、それからかなり後、職員室を出ようとドアを引いたところへ入ってこられたので、扉を引いたまま待っていたら満面の笑みを浮かべ『ありがとうございます』と言われ、驚いた覚えがある。
会社に入り、海外駐在中に欧米人が他人のためにドアを開けている時間はアジア人に比べ遥かに長いことに気付いた。相手が10m程離れていても開いたまま待ってくれる人はごく普通だった。そう、彼は教師の権威を振りかざして怒ったのではなかったのだ。今ではありがたい叱責を受けたと思っている。
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