4月3日(火)、渋谷 クラブクアトロにて行われたマデリン・ペルーの東京公演を観に行ってきました。
初めてマデリン・ペルーを知ったのは、2005年春、前作『ケアレス・ラヴ』日本盤が発売になった時でした。店頭で、日本盤のみのスリップケース仕様のオリジナル・ジャケットを見て、ヨーロッパの街角で聞こえてくるような音なのでは、と試聴してみたのがきっかけだった訳ですが、実際、ある意味予想した通りな音ではありましたが、それ以上にマデリン・ペルーの独特で個性的な歌声やジャジーでフォーキーでブルージーな音楽性に惹かれて、即購入に至った次第でした。
実際、“21世紀のビリー・ホリデイ”と称される彼女の退廃ムード漂う魅惑的な歌声には、よく引き合いに出されるノラ・ジョーンズと比べても、よりスモーキーでノスタルジックな映像を想起させるヨーロッパ的なアンニュイさがあり、聴き手の心に入り込んでくるものがあります。
そして、この度、待望の新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』と共に、プロモーションを除く、正式なかたちでの初来日公演がついに実現したということで、漸くマデリン・ペルーの歌声を生で聴くことができた訳ですが、15歳のときにパリのストリートで歌い始めてから、ひたすら弾き語りを続けてきたというだけに、まるでストリートで聴いているかのような雰囲気を醸し出していました。しかも、Darren Beckett(Drums)、Barak Mori(Bass)、Kevin Hays(Keyboards)からなるトリオ編成をバックに彼女がギターを抱えながら歌うという、シンプルなステージングだったのですが、彼女のレイドバックした歌い方といい、ボーカルを引き立てるように控えめなバンドの演奏といい、実に洒脱でクールでした。
ただ、日本のオーディエンスの控えめな反応には、正直、戸惑っていたように感じました。実際、「I hate to say thie but(言いたくないけど)…」と前置きして、バックバンドのソロ・パートへの拍手を促したりもしていましたしね。とはいえ、新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』や前作『ケアレス・ラヴ』の収録曲を中心に、「悲しみにさよなら(I'm All Right)」や「悲しみのダンス(Dance Me To The End Of Love)」、「ドント・ウェイト・トゥー・ロング(Don't Wait Too Long)」等、絶対聴きたかった代表曲はほぼ全て演奏してくれましたので、セットリストには満足でしたが、そんな中でも個人的な一番のハイライトは、シングル「スマイル」のカップリング曲で新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』未収録曲である大好きな「悲しい雨が(I Think It's Going To Rain Today)」が聴けたことでした。実は、ケイティ・メルアのファースト・アルバム『コール・オフ・ザ・サーチ』に収録されていたカヴァーで初めて知った曲で、その後、ノラ・ジョーンズもハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズの復興支援チャリティー・ライヴで演奏(2005年11月30日発売のチャリティ・アルバム『ハイヤー・グラウンド』収録)した、ランディ・ニューマンの名曲ですが、ライヴではマデリン・ペルーも「ハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズに捧げる」と言って歌ったので、偶然かどうかは知りませんが、同じ曲を取り上げたという、その共通性に驚かされました。また、アンコールで最後にチャーリー・チャップリン作曲の歌詞・メロディ共に大好きな不朽の名曲「スマイル」をウクレレを弾きながら演奏してくれたのも、個人的には最高の締め括りでした。ということで、全体的にはハートウォームな素敵なライヴだったと言えるかと思います。(ただ、昨年のプロモーション来日時の中川ヨウさんによるインタビューでマデリン・ペルーが語っていた、日本のオーディエンスとのことばの壁の克服という願いは、残念ながら叶わなかったと感じましたが。)
ところで、この夜は、私にはもう一つのハイライトが待っていました。実は、ミート&グリートに当選したということで、終演後に、マデリン・ペルー本人と握手や写真、そしてサインも直接その場で戴けた訳ですが、ペアでの招待だったということで、急遽お誘いしただまさんと共にお会いし、少々話す機会も持てたのですが、とても気さくでチャーミングな方で、ますます好きになりました。
ということで、次回の来日時も、是非また観に行きたいですし、今度はもっともっと聴き込んで、命とまでいう歌詞をもっともっと感じながら聴きたいと思う次第です。
初めてマデリン・ペルーを知ったのは、2005年春、前作『ケアレス・ラヴ』日本盤が発売になった時でした。店頭で、日本盤のみのスリップケース仕様のオリジナル・ジャケットを見て、ヨーロッパの街角で聞こえてくるような音なのでは、と試聴してみたのがきっかけだった訳ですが、実際、ある意味予想した通りな音ではありましたが、それ以上にマデリン・ペルーの独特で個性的な歌声やジャジーでフォーキーでブルージーな音楽性に惹かれて、即購入に至った次第でした。
実際、“21世紀のビリー・ホリデイ”と称される彼女の退廃ムード漂う魅惑的な歌声には、よく引き合いに出されるノラ・ジョーンズと比べても、よりスモーキーでノスタルジックな映像を想起させるヨーロッパ的なアンニュイさがあり、聴き手の心に入り込んでくるものがあります。
そして、この度、待望の新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』と共に、プロモーションを除く、正式なかたちでの初来日公演がついに実現したということで、漸くマデリン・ペルーの歌声を生で聴くことができた訳ですが、15歳のときにパリのストリートで歌い始めてから、ひたすら弾き語りを続けてきたというだけに、まるでストリートで聴いているかのような雰囲気を醸し出していました。しかも、Darren Beckett(Drums)、Barak Mori(Bass)、Kevin Hays(Keyboards)からなるトリオ編成をバックに彼女がギターを抱えながら歌うという、シンプルなステージングだったのですが、彼女のレイドバックした歌い方といい、ボーカルを引き立てるように控えめなバンドの演奏といい、実に洒脱でクールでした。
ただ、日本のオーディエンスの控えめな反応には、正直、戸惑っていたように感じました。実際、「I hate to say thie but(言いたくないけど)…」と前置きして、バックバンドのソロ・パートへの拍手を促したりもしていましたしね。とはいえ、新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』や前作『ケアレス・ラヴ』の収録曲を中心に、「悲しみにさよなら(I'm All Right)」や「悲しみのダンス(Dance Me To The End Of Love)」、「ドント・ウェイト・トゥー・ロング(Don't Wait Too Long)」等、絶対聴きたかった代表曲はほぼ全て演奏してくれましたので、セットリストには満足でしたが、そんな中でも個人的な一番のハイライトは、シングル「スマイル」のカップリング曲で新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』未収録曲である大好きな「悲しい雨が(I Think It's Going To Rain Today)」が聴けたことでした。実は、ケイティ・メルアのファースト・アルバム『コール・オフ・ザ・サーチ』に収録されていたカヴァーで初めて知った曲で、その後、ノラ・ジョーンズもハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズの復興支援チャリティー・ライヴで演奏(2005年11月30日発売のチャリティ・アルバム『ハイヤー・グラウンド』収録)した、ランディ・ニューマンの名曲ですが、ライヴではマデリン・ペルーも「ハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズに捧げる」と言って歌ったので、偶然かどうかは知りませんが、同じ曲を取り上げたという、その共通性に驚かされました。また、アンコールで最後にチャーリー・チャップリン作曲の歌詞・メロディ共に大好きな不朽の名曲「スマイル」をウクレレを弾きながら演奏してくれたのも、個人的には最高の締め括りでした。ということで、全体的にはハートウォームな素敵なライヴだったと言えるかと思います。(ただ、昨年のプロモーション来日時の中川ヨウさんによるインタビューでマデリン・ペルーが語っていた、日本のオーディエンスとのことばの壁の克服という願いは、残念ながら叶わなかったと感じましたが。)
ところで、この夜は、私にはもう一つのハイライトが待っていました。実は、ミート&グリートに当選したということで、終演後に、マデリン・ペルー本人と握手や写真、そしてサインも直接その場で戴けた訳ですが、ペアでの招待だったということで、急遽お誘いしただまさんと共にお会いし、少々話す機会も持てたのですが、とても気さくでチャーミングな方で、ますます好きになりました。
ということで、次回の来日時も、是非また観に行きたいですし、今度はもっともっと聴き込んで、命とまでいう歌詞をもっともっと感じながら聴きたいと思う次第です。