Waterfalls Blog

The Blog of "Waterfalls: Taka's Hemisphere"

Madeleine Peyroux 東京公演 @ SHIBUYA CLUB QUATTRO

2007-04-14 | Live Report
4月3日(火)、渋谷 クラブクアトロにて行われたマデリン・ペルーの東京公演を観に行ってきました。

初めてマデリン・ペルーを知ったのは、2005年春、前作『ケアレス・ラヴ』日本盤が発売になった時でした。店頭で、日本盤のみのスリップケース仕様のオリジナル・ジャケットを見て、ヨーロッパの街角で聞こえてくるような音なのでは、と試聴してみたのがきっかけだった訳ですが、実際、ある意味予想した通りな音ではありましたが、それ以上にマデリン・ペルーの独特で個性的な歌声やジャジーでフォーキーでブルージーな音楽性に惹かれて、即購入に至った次第でした。

実際、“21世紀のビリー・ホリデイ”と称される彼女の退廃ムード漂う魅惑的な歌声には、よく引き合いに出されるノラ・ジョーンズと比べても、よりスモーキーでノスタルジックな映像を想起させるヨーロッパ的なアンニュイさがあり、聴き手の心に入り込んでくるものがあります。

そして、この度、待望の新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』と共に、プロモーションを除く、正式なかたちでの初来日公演がついに実現したということで、漸くマデリン・ペルーの歌声を生で聴くことができた訳ですが、15歳のときにパリのストリートで歌い始めてから、ひたすら弾き語りを続けてきたというだけに、まるでストリートで聴いているかのような雰囲気を醸し出していました。しかも、Darren Beckett(Drums)、Barak Mori(Bass)、Kevin Hays(Keyboards)からなるトリオ編成をバックに彼女がギターを抱えながら歌うという、シンプルなステージングだったのですが、彼女のレイドバックした歌い方といい、ボーカルを引き立てるように控えめなバンドの演奏といい、実に洒脱でクールでした。

ただ、日本のオーディエンスの控えめな反応には、正直、戸惑っていたように感じました。実際、「I hate to say thie but(言いたくないけど)…」と前置きして、バックバンドのソロ・パートへの拍手を促したりもしていましたしね。とはいえ、新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』や前作『ケアレス・ラヴ』の収録曲を中心に、「悲しみにさよなら(I'm All Right)」や「悲しみのダンス(Dance Me To The End Of Love)」、「ドント・ウェイト・トゥー・ロング(Don't Wait Too Long)」等、絶対聴きたかった代表曲はほぼ全て演奏してくれましたので、セットリストには満足でしたが、そんな中でも個人的な一番のハイライトは、シングル「スマイル」のカップリング曲で新作『ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法』未収録曲である大好きな「悲しい雨が(I Think It's Going To Rain Today)」が聴けたことでした。実は、ケイティ・メルアのファースト・アルバム『コール・オフ・ザ・サーチ』に収録されていたカヴァーで初めて知った曲で、その後、ノラ・ジョーンズもハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズの復興支援チャリティー・ライヴで演奏(2005年11月30日発売のチャリティ・アルバム『ハイヤー・グラウンド』収録)した、ランディ・ニューマンの名曲ですが、ライヴではマデリン・ペルーも「ハリケーン「カトリーナ」の大きな被害を受けたニューオーリンズに捧げる」と言って歌ったので、偶然かどうかは知りませんが、同じ曲を取り上げたという、その共通性に驚かされました。また、アンコールで最後にチャーリー・チャップリン作曲の歌詞・メロディ共に大好きな不朽の名曲「スマイル」をウクレレを弾きながら演奏してくれたのも、個人的には最高の締め括りでした。ということで、全体的にはハートウォームな素敵なライヴだったと言えるかと思います。(ただ、昨年のプロモーション来日時の中川ヨウさんによるインタビューマデリン・ペルーが語っていた、日本のオーディエンスとのことばの壁の克服という願いは、残念ながら叶わなかったと感じましたが。)

ところで、この夜は、私にはもう一つのハイライトが待っていました。実は、ミート&グリートに当選したということで、終演後に、マデリン・ペルー本人と握手や写真、そしてサインも直接その場で戴けた訳ですが、ペアでの招待だったということで、急遽お誘いしただまさんと共にお会いし、少々話す機会も持てたのですが、とても気さくでチャーミングな方で、ますます好きになりました。

ということで、次回の来日時も、是非また観に行きたいですし、今度はもっともっと聴き込んで、命とまでいう歌詞をもっともっと感じながら聴きたいと思う次第です。


ジャックス・マネキン JAPAN TOUR 2007@東京DUO MUSIC EXCHANGE

2007-01-28 | Live Report
1月14日(日)、サムシング・コーポレイトの中心人物でもあるアンドリュー・マクマホンのソロ・プロジェクトであるジャックス・マネキンによる、キャッチーでメロディアスな楽曲満載の初のアルバム『エヴリシング・イン・トランジット』を引っさげての初来日公演を観に、東京 DUO MUSIC EXCHANGEに行ってきました。

昨年は、ジェイムス・ブラントダニエル・パウター等、所謂男性シンガー・ソングライター達の作品が脚光を浴びた年でしたが、特に、ダニエル・パウターの大ブレイクのお陰か、所謂ピアノ・エモ系のアルバムもCDショップの試聴機で、SSW系と並んでよく見かけました。そんな中でも、ピアノがリードするメロディックなポップ・ロックのバンドのアルバムとしては、ザ・フレイの『HOW TO SAVE A LIFE~こころの処方箋』はとても気に入りまして、実際、昨年9月11日にはタワーレコード渋谷店B1Fの『STAGE ONE』で行われたINSTORE LIVEにも行きました。実は、そのINSTORE LIVEの後、偶々試聴機で初めて聴いたのが、このジャックス・マネキンによるアルバム『エヴリシング・イン・トランジット』でした。というのも、ザ・フレイ等、所謂ピアノ・エモ系のバンドの紹介文の中で、コープランドと並んで先駆的なバンドとして頻繁に目にしたのがサムシング・コーポレイトというバンド名で、以前から気になっていたところに、サムシング・コーポレイトの中心人物によるソロ・プロジェクト作品というのが目に留まったからなのですが、実際、聴いた瞬間にその音楽性、美しいピアノの音色に魅了されまして、即購入に至りました。

でも、日本盤のライナーノーツを読んで、アンドリュー・マクマホン急性リンパ性白血病を患っていたことを知り、健康面を考慮したら(克服したとしても)まだ日本ツアーなんてあり得ないな、と思い込んでいたので、今回の来日公演を知ったのは何と先月のことで、既に1月13日の公演はSOLD OUTとなっていたものの、幸い追加公演となる14日の公演のチケットがまだ残っていたので、急遽購入し何とか参加できた次第でした。

それにしても、ジャックス・マネキンのライヴは、オーディエンスとの一体感溢れる、想定外の熱い(暑い)ライヴでした。実際、客電が落ちるまでは整然と待っていた訳ですが、客電が落ちた瞬間からは凄い盛り上がりでしたし、演奏もCD以上にピアノがロックしていまして、ある意味、ベン・フォールズ・ファイヴのライヴを彷彿とさせるものがありましたし、アンドリュー・マクマホンも、急性リンパ性白血病を患っていたとはとても思えない程、エネルギッシュなパフォーマンスを披露してくれました。しかも、笑顔を絶やさずに凄く楽しそうに演奏している姿がまたとても微笑ましくて、その真摯な姿勢にも非常に好感を抱きました。ということで、ジャックス・マネキンのライヴを、是非とも近い将来にまた観てみたいです!

最後に、その日のセットリストを下記にご紹介します:

1. Bruised
2. Holiday From Real
3. Dark Blue
4. Last Straw, AZ*
5. I'm Ready
6. La La Lie
7. Kill The Messenger
8. Message In A Bottle (The PoliceのCover)*
9. Rescued
10. The Mixed Tape
11. Into The Airwaves
(Encore)
12. Punk Rock Princess (Something CorporateのCover)*
13. My Name Is Jonas (WeezerのCover)*
14. MFEO
Pt1 - Made For Each Other Pt2 - You Can Breathe

*印:『Holiday EP』収録の未発表曲、或いはカヴァー
ほかはアルバム『エヴリシング・イン・トランジット』収録曲

FOURPLAY LIVE@BLUE NOTE TOKYO

2007-01-15 | Live Report
今年2007年の最初のライヴは、1991年のデビュー時からの大ファンであるフォープレイBlue Note Tokyoでの来日公演でした。フォープレイのライヴは、リー・リトナー在籍時の1996年3月4日のOsaka Blue Noteでの公演が初めてだったのですが、幸運にもその時、メンバー全員より個別にサインを貰うことができ且つネーザン・イーストとは少し談笑することもできたことがきっかけとなり、元々はリー・リトナーが好きなことから興味を持ったフォープレイでしたが、その日からはネーザン・イーストもその人柄から大好きになってしまいました。もっとも、(初めて生で聴いたネーザン・イーストのベース演奏は、1991年12月2日の大阪城ホールでのジョージ・ハリスン with エリック・クラプトン and ヒズ・バンドによる今や伝説となる日本だけで実現したライヴにおいてでしたし、)奇しくもリチャード・マークスフィル・コリンズ等、他の好きなアーティストの好きな曲でも、ベースが良いなと感じた曲のクレジットを見たら、ネーザン・イーストだったということが度々あり、そもそも彼のベースの演奏が好きだった、ということも勿論ありますけどね。

ただ、そうは言っても、リー・リトナーが脱退し、ラリー・カールトンに代わった後の最初の新生フォープレイの来日公演(1999年5月)は、いまいち気分が乗らず行きませんでしたが、それ以降は2002年9月17日の1st Show、2005年4月20日の1st Showと、毎回Blue Note Tokyoで観てきました。そして、今回も1月10日の2nd Showを同じくBlue Note Tokyoで観てきたのですが、フォープレイ加入直後は多少違和感を覚えることもあったラリー・カールトンのブルージーなギター・プレイも、(実際、今やラリー・カールトンフォープレイ在籍期間の方が、リー・リトナーの在籍期間を上回っている訳ですが、)今ではフォープレイの洗練されたサウンドに完全に馴染んだ感があり、もはや無くてはならない魅力の一つとなっているのを実感しました。

また、熟成したワインのように円熟味を増した、ボブ・ジェームス(キーボード)、ネーザン・イースト(ベース)、ハーヴィー・メイソン(ドラムス)、ラリー・カールトン(ギター)の4人からなるバンドの見事なアンサンブルや個々の卓越した演奏テクニックは息を呑むほどの素晴らしさで、一糸乱れぬ演奏の中にも時にはアドリブ演奏やトークでユーモアを交えて、実に素晴らしい余裕のある演奏を聴かせてくれましたし、インプロビゼーションの閃きやアドリブの応酬に至っては、思わず笑ってしまう程面白く、まさに贅沢に音を楽しませてもらいましたし、今回は1996年3月4日のOsaka Blue Noteでの公演の時以来となる1列目で観れたこともあり、4人全員と握手も出来ましたので、心底堪能させてもらいました。

最後に、この1月10日の2nd ShowのSet Listを下記にご紹介します:

1. ANGELS WE HAVE HEARD ON HIGH
2. CHANT
3. BLUES FORCE
4. CINNAMON SUGAR
5. EASTERN SKY
6. ROBO BOP
7. AMAZING GRACE
8. BALI RUN
(Encore)
9. SMILES AND SMILES TO GO
10. WESTCHESTER LADY

U2//VERTIGO//2006 TOUR@さいたまスーパーアリーナ

2006-12-26 | Live Report
12月4日、U2による1998年3月のポップマート・ツアー以来8年ぶりとなる来日公演を観に、さいたまスーパーアリーナに行ってきました。当初4月4日に横浜日産スタジアムで予定されていたものの、メンバーのひとり(エッジ)の家族(娘さん)の病気(白血病)の為、日本公演を含むワールド・ツアーの残り全公演が延期となっておりまして、この度決まった延期公演は、なんと会場がさいたまスーパーアリーナに変更となり且つ日程も1日限りから3日間に変更となり、今回のVERTIGOツアーでは、全米を除いて海外では初となるアリーナ・ヴァージョンのステージ・セットを観れるという、とても貴重な公演となりました。しかも、私は、アリーナの最前ブロックとなるAブロックのチケットを入手できましたので、今年の締めのライヴとして、物凄い期待を胸に会場へと向かいました。

実は、私は、U2のポップマート・ツアーを、1998年3月11日の大阪ドーム公演だけでなく、1997年8月23日のLondon、Wembley Stadium公演も観ておりまして、その時、オール・スタンディングのWembley Stadiumのアリーナで、物凄い押し合い圧し合いのモッシュ(mosh)を経験したことがあります。ただ、日本ではクラブ・ギグ以外では、フェスくらいでしか、アリーナ級やスタジアム級の会場がオール・スタンディングになることはまずありえないだけに、今回の、アリーナ席は設けない、オールスタンディングの形式の採用は、嬉しかったですが、反面、押し合い圧し合いのモッシュとなるのでは、という不安も抱きました。しかしながら、正直言って、イギリスと違って日本だから、1997年8月23日のLondon、Wembley Stadium公演の時に経験したようなモッシュになることは、さすがにないだろうと高を括っていたのも事実です。

実際、客電が落ちるまでは、整然と待っていた訳ですが、客電が落ちた瞬間から、私の居たアリーナの最前ブロックとなるAブロックの前方は、物凄い押し合い圧し合いのモッシュとなり、右へ左へ、前へ後ろへと為す術も無く押し流され、将棋倒しとならないよう、持ちこたえるだけで精一杯というカオス状況となりました。特に、最初の3曲位の間は、自身が持ちこたえることに注意を払いながらの観賞という緊迫した状況が続いただけに、なかなかライヴだけに専念することができませんでした。

それにしても熱い(暑い)ライブでした。U2のメンバー4人の表情が、はっきりと肉眼で確認できるくらいの至近で観れたということもありますが、日本のU2のファンも、実はこんなに熱かったんだ、ということを実感したライブでもありました。実際、U2のメンバーも場内の物凄い盛り上がりを見ながら、とても嬉しそうな表情をずっと浮かべていたのも印象的でした。そんな中でも、ポップマート・ツアーで初めて生で聴いて以来、CDで聞いてもテレビやビデオで演奏を聴いても、いつもイントロからしてゾクゾクしてくる、正にこれこそがロック・アンセム(rock anthem)と呼ぶに相応しい名曲「Where the Streets have no Name 」は、今回も格別でした。何か降臨してくるものを感じるこの曲は、いつ聴いても鳥肌モノですし、私にとって、ライブで一番のロック・アンセム足る名曲を1曲だけ選べ、と尋ねられたら、迷わず挙げるのがこの曲です。実際、この曲は、CDでもビデオでもDVDでも神聖なものを感じますが、ライブで生で聴くと、それ以上に格別で、何か神聖なものが宿っているとしか感じずにいられないものがあります。また、U2Brian Enoと共にPassengers名義で1995年に発表したシングル「Miss Sarajevo」では、日本でも世界人権宣言の条文を(日本では和文でしたが)流しながら歌われ、スピーチも(こちらは英文のままで)流されたのですが、Bonoは途中オペラ調の素晴らしい歌唱力も披露し、こちらも感動的でした。また、本編最後の「One」演奏前には、会場のオーディエンスに携帯電話を掲げさせて、光のクリスマス・ツリーを作る、という素敵な演出もあり、実際に出来た携帯電話のイルミネーションによる何とも美しい光景に、これまた感動しましたし、そのまま演奏が始まった名曲「One」を聴きながら、まさに歌詞の中にある(今年Britain's most adored lyricにも選出された)フレーズ「One life with each other: sisters, brothers.」を体現しているようで、本当に心を打ちました。

そして、興奮も冷め切らないうちに、1st Encoreが始まったのですが、ここでは「Mysterious Ways」演奏中に舞妓さん3人が登場するという演出があり、これまた大盛り上がりとなりましたし、その後の1st Encore最後に演奏された名曲「With or Without You」では、淡々と歌う静かな導入部から徐々に高揚していく感じがまた素晴らしく、後半のコーラスは場内大合唱となり、まさに感極まる一瞬でした。

それでも、まだ終わることはなく、続く2nd Encoreでは、最新作『ザ・ベスト・オブ・U2 18シングルズ』に収録されている新曲2曲を立て続けに演奏した後、締めは何と予想外の二度目の「Vertigo」!「イチ、ニ、サン、catorce!」で、場内は再び興奮の坩堝と化したのは言うまでもありません。

とにかく、今回のU2の来日公演は、正直言って、1997年8月23日のLondon、Wembley Stadium公演と比べても全く甲乙つけ難いくらい、演奏もオーディエンスの盛り上がりもとても素晴らしかったですし、過去の自身が見てきた数々のライヴの中でも上位を占めるのは確実なくらい素晴らしかったです。実際、(各国で恒例だったとのことですが)ボノが花道の先端のステージに日本の国旗を持って登場したオープニングから、眩いばかりのLEDスクリーンによる光の中で繰り広げられたライヴは、まさに驚愕でしたし、反戦、人権、貧困国支援、エイズ撲滅といったU2のメッセージもしっかり伝わってくる演出となっていました。ただ、1点だけ残念というか気になったのが、人権を推進・擁護しているにも関わらず、日本公演で日本人拉致問題について一言も触れることがなかったことでした。(実は、この件にはそれなりの背景が色々あるようですが、ここではこれ以上の発言は控えます。しかし、関心のある方は、ウィキペディアの「アムネスティ・インターナショナル」の項目を参考までにお読みになってみて下さい。)とはいえ、今回は、全米を除いては海外で初となるアリーナ・ヴァージョンのステージ・セットをここ日本で観れたというだけでも、とても貴重な公演だったと言えるかと思いますし、U2のバンドのコンディションやオーディエンスの雰囲気、選曲等々、全体的なバランスも完璧なほど素晴らしく、まさに文句なしのステージだったと思います。ということで、今年観たライヴの中では文句なしのNo.1だったと断言します。

最後に、この最終日のセットリストですが、公式サイトによると、下記の通りとのことです:

City of Blinding Lights
Vertigo
Elevation
Out of Control
I Still Haven’t Found What I'm Looking For
Beautiful Day
Angel of Harlem
The First Time
Sometimes You Can't Make It On Your Own
Bad
Sunday Bloody Sunday
Bullet The Blue Sky
Miss Sarajevo
Pride (in the Name of Love)
Where the Streets have no Name
One

(1st Encore)
The Fly
Mysterious Ways
With or Without You

(2nd Encore)
The Saints are Coming
Window in the Skies
Vertigo

※ この最終日はEric Claptonも観に来ていたようで、Backstageの模様が公式サイトのこちらで写真が見れます。
※ Reutersによる初日公演に関するこちらの記事の中で、初日公演の模様が映像で2分52秒見れます。

Daniel Powter Japan Tour 2006 @東京国際フォーラム ホールA

2006-12-16 | Live Report
11月29日(水)、ダニエル・パウター初の単独来日ツアーの東京公演を観に、東京国際フォーラム ホールAに行ってきました。

前回の、8月10日(木)にShibuya O-EASTにて行われた日本で初めてとなるダニエルの東京での一夜限りの単独公演以来となる、今年二度目のライヴということで、正直、演奏曲目やバンド・メンバー等、ほとんど変更はないだろう、と予想していましたが、案の定、ほぼ予想通りの内容でした。

実際、今回もバックバンドがイントロを奏でる中、ダニエル・パウターは登場したのですが、服装は変わらず普段着な感じで、ライブでのアレンジもCDではファルセットを多用したヴォーカル・スタイルが印象的なダニエルですが、前回の東京での一夜限りの単独公演の時と変わらず、あまり用いていませんでした。でも、前回同様、力強いヴォーカル・パフォーマンスで良かったですし、客席に向けて配置されたキーボードでの、観客と向かい合いながらの演奏やMCでの飾らない話しぶり等から、観客とのコミュニケーションを大事にしているダニエルの真摯な姿勢がうかがわれて、好感と共感をおぼえる、等身大のパフォーマンスという感じでもありました。特に、今回の公演では、前回の東京での一夜限りの単独公演の時には(会場規模の関係からかもしれませんが)見られなかった、「Lie To Me」や「Bad Day」でのオーディエンス席への駆け込みや、新曲「Someday」での会場から女子高生をステージに引き上げるといったサプライズな目新しい演出も見られ、会場は時折大いに盛り上がりました。ただ、前回と異なり大きな会場となったせいかもしれませんし、あるいは自分の周りが偶々そうだっただけかもしれませんが、オーディエンスとの合唱はあまり実現せず、「Bad Day」でのサビの「Cause you had a bad day, you're taking one down. You sing a sad song just to turn it around. You say you don't know, you tell me don't lie. You work on a smile and you go for a ride. You had a bad day, the camera don't lie. You're coming back down and you really don't mind. You had a bad day...you had a bad day.」の部分も、日本ということを勘案しても、前回の東京での一夜限りの単独公演の時と比べて、予想以上に歌ってる人が少なく感じたのが、少々残念でした。

とはいえ、ダニエルとそのバックバンドによるパフォーマンス自体は本当に素晴らしいものがありましたので、やはり次回の来日ツアー実現の際には、是非とも前回のShibuya O-EASTのような、舞台と客席がひとつに溶けあうかのように近い小さい会場での、オーディエンスとの一体感溢れるライブを期待したいです。

因みに、ワーナーミュージック・ジャパンの公式ページによると、その日のセットリストは下記の通りとのことです。

1.Song 6
2.Styrofoam
3.Jimmy Gets High
4.Stupid Like This
5.Lie To Me
6.Free Loop
7.Give Me Life
8.Wasted+
9.Lost On The Stoop
10.Just Like Heaven (The CureのCover)*
11.Bad Day
(Encore)
12.Someday*
13.Love You Lately**+
14.Back On The Streets+

*印:新曲、或いは未発表曲。
**『ダニエル・パウター(ニュー・エディション)』日本盤収録曲
+『ダニエル・パウター(スペシャル・エディション)』(DVD+CD)日本盤収録曲
ほかはアルバム『ダニエル・パウター』日本盤収録曲

また、今回もバンド・メンバーは、前回と同様、下記編成でした:

Samuel Dixon : bass
David Levita : guitars
Kevin Lovejoy : keys
Brendan Ostrander : drums

最後に、この日の東京国際フォーラム ホールAでのライヴの模様は、WOWOWが収録しておりまして、2007年1月19日にWOWOWで独占放送されることが既に決定していますので、お見逃しなく!尚、詳細については、こちらよりご確認下さい。

Billy Joel In Concert 2006@東京ドーム

2006-12-12 | Live Report
11月28日(火)、ビリー・ジョエルの単独公演としては実に11年ぶり(エルトン・ジョンとのジョイント・ツアー『Face To Face』日本公演から数えても8年ぶり)となる日本公演の初日となる東京公演を観に、東京ドームに行ってきました。

ところで、ビリー・ジョエルのライブと言えば、先に触れずにはおれないことがあります。実は、11年前のアルバム『リヴァー・オブ・ドリームス』を引っさげての来日公演が、初のビリー・ジョエルのライヴ体験だったのですが、結果として、生涯忘れることの無いライヴとなることとなりました。と言いますのも、私の観に行く日は、1995年1月17日だったからです。そう、あの阪神・淡路大震災当日の夜の予定でした。その日は、翌18日の試験に備えて明け方まで試験勉強をしていて、準備万端となり安心して夜のライヴに備えて就寝しだした直後に、強烈な揺れと共に電気が全て消えて、とてもビックリした記憶が、今でも鮮明に残っています。幸い、我が家は大阪近郊に位置していたということもあり、家の倒壊は免れましたし、停電等も2時間程度で復旧しましたが、その後、テレビで惨状を目の当たりにし、当然その夜のコンサートは勿論、翌日18日の公演も含め、少なくとも大阪公演は中止となるだろうと思っていましたし、ビリー・ジョエル一行も大阪入りしているとしたら(実際、既に大阪入りしていて、大阪市内の宿泊先ホテルにて阪神・淡路大震災に遭遇)、怪我とかしている人が居たら、残りの日本公演全てが中止となる可能性もあるかもしれない、とまで思っていました。(実際、震災後の予定されていたライブのほとんどは、洋楽アーティスト・邦楽アーティスト関係なく、軒並み中止や数ヶ月先まで延期になっていました。)しかしながら、FM802で17日の公演は19日に延期して行うこと(18日は予定通り行うこと)を知り、被災した神戸の人達(友人も多くが被災しました)のことを考えると複雑な心境でしたし、余震の不安もかなりありましたが、友人と19日の延期公演に行きました。

しかしながら、いざ大阪城ホールに入ってみると、元々はステージ裏席まで完売で立ち見席の追加まで出る程の売れ行きだったはずなのに、かなり空席が目立っていて、来れなくなった人達の中には被災した方も多いのだろうと思うと、やはりかなり複雑な心境となりました。しかし、ビリーは開演時、通訳を伴ってステージに現れ、複雑な心境で来ている我々の心境を察してか、収益金は被災地に寄付することや、一度は中止を考えたがこういう時だからこそ自分がコンサートをすることによって、被災された人々に勇気を与えることができればと思って、コンサートの日程を変更してまでも開催することにした、といったようなことを語ってくれて、漸くその夜は楽しもう、という気になれた記憶があります。(その後、朝日新聞の記事で、スタッフは怖いのでもう残りの公演を中止して帰国したいと言い出していたのを説得してまで、大阪公演やその後の日本公演を行ったことを知り、その心意気に感動した記憶があります。)

その後、1998年3月28日に大阪ドームで行われたエルトン・ジョンとのジョイント・ツアー『Face To Face』大阪公演にも行きましたが、やはりもう一度、単独公演を後ろめたさを感じることなく観てみたい、と思っていただけに、ほんとに楽しみにしながら会場へと向かいました。

ということで、非常に前置きが長くなりましたが、今回の11年ぶりの単独公演には、色々な思いが交錯しました。ただ、風貌も随分変わり、かなり頭は禿げて恰幅も良くなっていましたし、近年はアルコール依存症や鬱病が原因で入院したり、2度の交通事故を起こしたりと、私生活で数多くのアクシデントに見舞われていたこともあり、11年前や8年前の時のようなエネルギッシュなライブはもう観れないかもしれない、という不安も多少ありました。また、1993年発表の『リヴァー・オブ・ドリームス』を最後に新曲中心のポップ・アーティストとしての活動から離れると宣言して以降、本当にオリジナルの新曲だけのポップ・ミュージックの新作アルバムを出してきていないことからも、果たして平日の東京ドーム二日間って、11年前までならまだしも、今でも観客入るのかな、とも不安に感じていまして、ガラガラの会場での単なる懐メロ・ショーに終わったら寂しいかもな、とも思っていました。

しかしながら、いざ会場に入ってみると、2階席中程まで埋まっていて、ほぼ満員でホットしましたし、1曲目の「Angry Young Man」でのイントロの印象的なピアノの早弾きを聴いた瞬間、まずピアノの演奏テクニックに対する衰えの不安が解消されましたし、歌いだした瞬間、歌声にも衰えは全く感じられず、高音まできれいに響いていたことに、素直に感動を覚えました。そして、二曲目の「My Life」からは、自身が中高生時代に慣れ親しんだ曲のオンパレードでしたので、自然と懐かしさが込み上げてきて、少しばかり感傷的にもなってしまいました。そんな中でも三曲目の「Miami2017 (I've Seen The Lights Go Out On Broadway) 」は、リチャード・マークスによるカヴァー(1994年発表のアルバム『Paid Vacation』日本盤収録)がきっかけで大好きになった曲ということもあり、ライブで今回聴けると思ってなかっただけに、とりわけ感動しました。また、「I Go To Extremes」では、ベン・フォールズばりに椅子を蹴り倒して、中腰でピアノを弾いたりお尻で弾いたりと、激しくアグレシッブな演奏を披露してくれました。途中、AC/DCの「Highway To Hell」のカヴァーでは、“Chain Saw”ことRicky "Chain Saw”LaPointeというGuitar Technicianに、長年一緒にツアーをしてきた彼にチャンスをあげてくれ、と言って歌わすコーナーがありましたが、その時のギターを楽しそうに弾きながら走り回っているビリーもまた印象的でしたし、その曲以降はロックン・ロールのオンパレードで、会場は一気に大盛り上がりとなり、ビリーもマイクスタンドを担いだり蹴り上げたりといったパフォーマンスで観客を大いに沸かせました。また、最後は定番の名曲「Piano Man」の演奏だったのですが、米国とかでは観客に歌わすと大合唱となるサビの「Sing us a song, you're the piano man. Sing us a song tonight. Well, we're all in the mood for a melody. And you've got us feeling alright」の部分も、さすがに日本ということもあり大合唱とまではいきませんでしたが、想像以上にきれいな合唱が実現しまして、まさに“we're all in the mood for a melody”という感じで、感動的でした。

ということで、漸く今回、ビリー・ジョエルのライブを心置きなく楽しむことができました。ただ、やっぱし、新曲が1曲もないというのは、寂しく感じましたので、できれば、今回の久々のワールド・ツアーをきっかけに、1993年発表の『リヴァー・オブ・ドリームス』以来となるオリジナルの新曲だけのポップ・ミュージックの新作アルバムを再び作って、次回は新作からの新曲中心の構成での現在進行形のライヴパフォーマンスを披露してもらいたいものですが、やはり無理なのでしょうか。

最後に、Sony Music Online Japanの公式ページに載っていたその日のセットリストを下記にご紹介します:

1.Angry Young Man / 怒れる若者
2.My Life / マイ・ライフ
3.Miami2017 (I've Seen The Lights Go Out On Broadway) / マイアミ2017
4.Honesty / オネスティ
5.The Entertainer / エンターテイナー
6.Zanzibar / ザンジバル
7.New York State Of Mind / ニューヨークの想い
8.Allentown / アレンタウン
9.Don't Ask Me Why / ドント・アスク・ミー・ホワイ
10.The Stranger / ストレンジャー
11.Just The Way You Are / 素顔のままで
12.Movin' Out (Anthony's Song) / ムーヴィン・アウト
13.An Innocent Man / イノセント・マン
14.Keeping The Faith / キーピン・ザ・フェイス
15.She's Always A Woman / シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン
16.I Go To Extremes / 愛はイクストリーム
17.The River Of Dreams / ザ・リヴァー・オブ・ドリームス
18.Highway To Hell / 地獄のハイウェイ(AC/DCのカヴァー)*
19.We Didn't Start The Fire / ハートにファイア
20.Big Shot / ビッグ・ショット
21.It's Still Rock And Roll / ロックン・ロールが最高さ
22.You May Be Right / ガラスのニューヨーク
---------ENCORE1------------------------------
23.Scenes From An Italian Restaurant / イタリアン・レストランで
---------ENCORE2------------------------------
24.Piano Man / ピアノ・マン

Roger Joseph Manning JR.東京公演@SHIBUYA CLUB QUATTRO

2006-11-30 | Live Report
10月30日(月)、SHIBUYA CLUB QUATTROにて行われたロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.の東京公演を観に行ってきました。

今でもポップ・ミュージック・ファンの間では人気の衰えないジェリーフィッシュの中心メンバーであり、ポップの魔術師の異名を持つロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.による、渾身の傑作『ソリッド・ステイト・ウォリアー』を引っさげての初の単独公演ということで、ジェリーフィッシュのライヴに当時行けなかった私にとっては、漸く13年越しの夢が叶うということで、いつになくワクワクしながら会場へと向かいました。

今回の公演では、サポート・アクトとして、ロジャーのツアーメンバーの一員でもあるライナス・オブ・ハリウッドがソロ出演し、オープニングを飾ることは事前に知っておりましたが、東京公演だけは更にもう一組、フジファブリックもサポート・アクトとして出演することを当日会場で知り、正直、前座二組には驚きました。しかも、フジファブリックの演奏の最後の曲で、なんとロジャーが早くもステージに登場し、フジファブリックとの共作曲を披露するというサプライズがあり、大変驚きました。(因みに、フジファブリック公式サイト内の「志村日記」のコーナーの10月30日の日記にこの件が触れられており、実は、ロジャーとは一年くらい前か、もっと前から曲を共同制作していて、今回ようやくそれが形になったとの事でした。但し、まだ曲名とかは決まってないそうで、いつかリリースしてくれそうですが、現時点では未定のようです。詳しくは公式サイトより参照下さい。)

また、ポップ・マエストロと称され高い評価を受けているKevin Dotsonのソロ・ユニットであるLinus of Hollywoodもアコースティック・ギターの弾き語りライヴを披露してくれまして、とても心地良い雰囲気を醸し出してくれていました。実際、ライナスの楽曲のポップセンスは弾き語りで聴いてもメロディーが美しく、ポップ・マエストロと称されるだけのクオリティの高さを実感しました。また、カヴァー曲もGilbert O'Sullivanの「Alone Again」を取り上げたりと、ポップ・ミュージック・ファンには堪らない選曲でした。

このように、前座だけで2時間弱経過しており且つ立ち見での鑑賞ということで、結構疲れましたが、漸く満を持してロジャーが登場!新作『ソリッド・ステイト・ウォリアー』の楽曲を中心に、カヴァー曲も「古き良きポップ・ミュージックの後継者」を自認するロジャーだけに、(残念ながら期待していたポール・マッカートニーの楽曲は演ってくれませんでしたが)QueenThomas DolbyThe QuickElton Johnの楽曲をオリジナル・ヴァージョンに忠実に演ってくれて、これまたポップ・ミュージック・ファンには堪らない選曲でした。特に、クイックの「Pretty Please Me」なんかは、ジェリーフィッシュと共にパワーポップ界を支えていた重要なバンドRedd Kross が、アルバム『Show World』でカヴァーしていた曲としても有名ですので、溜まりませんでしたし、エルトン・ジョンの初期の代表作『Goodbye Yellow Brick Road』の冒頭を飾る名曲「葬送~血まみれの恋はおしまい(メドレー)」の完コピなんかはもう圧巻の一言に尽きるパフォーマンスでした。そんな中でも一番のハイライトは、何と言ってもアンコールでついに演奏してくれたジェリーフィッシュの「半分裸の王様」に尽きます。実際、演奏後、ライナスもジェリーフィッシュへのリスペクトを表して、素直にロジャーと一緒にジェリーフィッシュの楽曲を演れたことに喜びを表していましたが、私にとっても13年越しの夢が叶った一時ということで、本当に素敵な一時でした。

因みに、その日のセットリストは下記の通りです:

1. Fat Bottom Girls(Queenのカヴァー)*
2. Too Late For Us Now
3. The Land Of Pure Imagination
4. Pray For The Many*
5. Wish It Would Rain
6. The Loser
7. You Were Right
8. Europa And The Pirate Twins (Thomas Dolbyのカヴァー)*
9. What You Don't Know About The Girl
10. Creeple People
11. Pretty Please Me (The Quickのカヴァー)*
(Encore)
12. Sandman
13. The King Is Half Undressed (Jellyfishのカヴァー)*
14. Funeral For A Friend / Love Lies Breeding (Elton Johnのカヴァー)*

*印:米国発売アルバム『The Land Of Pure Imagination』収録曲、或いはカヴァー。
ほかは日本発売アルバム『ソリッド・ステイト・ウォリアー』収録曲。

最後に、今回のバンドのメンバーを、下記にご紹介します:

Linus of Hollywood : bass
Aaron Kaplan : guitars
Eric Skodis : drums

注)当公演で初披露されたロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.フジファブリックの志村との共作曲ですが、「Chocolate Panic」というタイトルで、フジファブリックのニュー・アルバム『TEENAGER』に収録されて、2008年1月23日に正式にリリースされました。

MADONNA Confessions Tour@東京ドーム

2006-10-13 | Live Report
9月20日、マドンナのコンサート来日としては実に13年ぶりとなる、アルバム『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』を引っさげての「コンフェッションズ・ツアー」日本公演を観に、東京ドームに行ってきました。正直、マドンナのファンという訳ではありませんし、新作『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』についても未聴のままでしたが、デビューから約25年、四半世紀もの間、2児の母となり48歳になった今もなお、世界中を魅了するクイーン・オブ・ポップとして君臨するマドンナを一度は見ておきたいと思い、行く事にしました。

実際、マドンナは、多感な時期に慣れ親しんだ80's(エイティーズ)の洋楽シーンを代表するアーティストの一人でもあり、未だ音楽業界の頂点に君臨し続ける数少ないスーパースターの一人でもある訳ですが、今回の「コンフェッションズ・ツアー」は、文字通り、新作『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』からの新曲中心の構成で、代表的なヒット曲といえば「ライク・ア・ヴァージン」「リヴ・トゥ・テル」「ラ・イスラ・ボニータ」等数曲に過ぎず、しかも音は全て新曲のような今風にアレンジされており、懐メロ的要素が少ない分、正に現在進行形のライヴパフォーマンス、ということを実感したエンターテイメント・ショーでした。ただ、にわかファンとしてはもう少し歴代のヒット曲も聴きたかったな、とも正直思いました。

因みに、個人的には、「Equestrian Section」「Bedouin Section」「Never Mind The Bollocks Section」「Disco Section」の4部構成のショーのうち、『サタデー・ナイト・フィーバー』を連想させる白のパンツスーツ姿でのダンスや、アバの名曲「ギミー・ギミー・ギミー」をサンプリングした新曲「ハング・アップ」でのレオタード姿でのダンス等、70年代風のダンスフロアがテーマとなっていた4部構成の最後となる「Disco Section」が、アゲアゲで大盛り上がりとなったこともあり、特に楽しめました。

とにかく、通常のライヴ・コンサートとは異なる完成されたダンス・ショーということで、アンコールもありませんでしたが、東京ドームのアリーナ席だったということもあり、十分満足しましたし、今も大ヒットを連発し続け、しかも第一線で絶えず進化を遂げる前進姿勢で活躍し続けているマドンナは、やっぱし凄いなと実感しました。(あと余談ですが、多数の芸能人も予想通り観に来ていた訳ですが、私はそのうち叶姉妹とキングカズこと三浦知良選手を間近で見ました。)

最後に、その日のセットリストを下記にご紹介します:


“Equestrian Section”

01.Future Lovers
02.I Feel Love
03.Get Together
04.Like A Virgin
05.Jump

“Bedouin Section”

06.Live To Tell
07.Forbidden Love
08.Issac
09.Sorry
10.Like It Or Not

“Never Mind The Bollocks Section”

11.I Love New York
12.Ray Of Light
13.Let It Will Be
14.Drowned World/Substitute For Love
15.Paradise (Not For Me)

“Disco Section”

16.Music
17.Erotica
18.La Isla Bonita
19.Lucky Star 
20.Hung Up

Daniel Powter 東京公演 @Shibuya O-EAST

2006-08-16 | Live Report
8月10日(木)、Shibuya O-EASTにて行われた日本で初めてとなるダニエル・パウターの東京での一夜限りの単独公演を観に行ってきました。

初めてダニエル・パウターを知ったのは、昨年末、ジェイムス・ブラントのデビュー・アルバム『バック・トゥ・ベッドラム』日本盤が発売になった時でした。と言いますのも、アルバム『Daniel Powter』輸入盤が同じ試聴機に入っていたからで、ついでに聴いたのですが、その時はそんなに惹かれなかったので、購入にまでは至りませんでした。しかし、今年春頃から街中やレコード店内で頻繁に「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」を耳にするようになり、しかも耳にすればするほど心に沁みこんできたので、アルバム『ダニエル・パウター』日本盤の発売を機に試聴機で再度じっくり聴いてみたところ、全曲聴いていて心地よかったので、購入に至りました。

その後の日本での大ヒットは、以前当ブログの「News Clippings」というカテゴリーでも(こちらで)報じた通りですが、同時期にシングル「Bad Day」がビルボード総合シングル・チャートでも4月8日から5週連続全米No.1を獲得したと知ったときは、米国でもそれ程の大ヒットになるとは、正直予想だにしていなかっただけに、大変驚きました。(尤も、アメリカの超人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』で、エンディング・テーマとして、落選者の映像と共に毎回フィーチャーされていたという背景を知ってからは、納得しましたけど。)

ということで、昨年のヨーロッパ各国での大ヒットに引き続いての、シングル「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」やアルバム『ダニエル・パウター』の日米での大ヒットの後、というタイミングでの初日本公演となったということもあってか、取材カメラも入っていて、場内は開演前から熱気ムンムンでした。

そして、開演時間をやや過ぎた頃、バンドに引き続いてダニエル・パウターが登場したのですが、服装は普段着な感じで、ライブもCDではファルセットを多用したヴォーカル・スタイルが印象的なダニエル・パウターですが、アレンジを変えていて、あまり用いていなかったのも意外でしたが、力強いヴォーカル・パフォーマンスで良かったですし、客席に向けて配置されたキーボードでの、観客と向かい合いながらの演奏スタイルに、MCでの飾らない話しぶり等、全体的に暖かな雰囲気に包まれたライヴでもあり、正に等身大のパフォーマンスという感じでした。因みに、途中、「ギヴ・ミー・ライフ」という曲の間奏部分では、Kevin Lovejoyというバンドのキーボードを、センターのダニエル用のキーボードに座らせ、ピアノ・ソロからジャム・セッションへと展開させたのですが、弾き終えて自身のキーボードへと戻る際、ダニエル用のキーボードをタオルで拭きながら弾くという演出もあり、会場の笑いを誘っていましたし、大いに盛り上がりました。でも、一番盛り上がったのは、言うまでも無く、ライヴ本編最後に演奏された大ヒット・シングル「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」で、サビをオーディエンスに歌わせていましたが、(日本での洋楽アーティストのライヴでは、この演出は失敗するケースが多いだけに)予想以上に皆さん歌えていて感動しました。やっぱし、今が旬の新人アーティストによる絶好調の時期の初ライヴというのは、オーディエンスの一体感というか盛り上がりも凄く、感動も一入ですね。

因みに、今回のバンドのメンバーですが、下記編成とのことです:

Sam Dixon : bass
David Levita : guitars
Kevin Lovejoy : keys
Brendan Ostrander : drums

最後に、その日のSet Listを下記にご紹介します:

1. Song 6
2. Styrofoam
3. Wasted*
4. Lost On The Stoop
5. Jimmy Gets High
6. Stupid Like This
7. Lie To Me
8. Free Loop
9. Give Me Life
10. Bad Day
(Encore)
11. Back On The Streets*
12. Love You Lately*

*印:新曲、或いは未発表曲。
ほかはアルバム『ダニエル・パウター』日本盤収録曲

平原綾香 LIVE TOUR 2006 "4つのL"@東京・日本武道館

2006-06-20 | Live Report
6月13日(火)、平原綾香の通算4枚目となるニュー・アルバム『4つのL』を引っさげてのLIVE TOUR 2006 "4つのL"ツアーファイナルとなる日本武道館公演を観に行ってきました。

邦楽アーティストのライヴは、昨年末12月27日の東京ドームでのMR.CHILDREN DOME TOUR 2005‘I ♥ U’追加最終公演以来2度目となった今回の平原綾香 LIVE TOUR 2006「4つのL」ツアーファイナル日本武道館公演ですが、まず何よりも驚いたのが、その客層の幅広さでした。今まで、洋楽を中心に多くのコンサートに足を運んできましたが、これ程の老若男女幅広い世代の客層は、ポール・マッカートニーの来日公演以外は思い浮かびませんし、ましてや平原綾香のような20代前半の若手アーティストの公演で、これ程の幅広い客層を目の当たりにしたのは初めてで、大変驚きました。やはり、クラシカル・クロスオーヴァーというジャンルに属する音楽性と関係はあるとは思いますが、それでも現在、これ程の老若男女幅広い世代に支持されている若手アーティストって、日本のみならず世界的に見ても希有な存在だと思います。

また、シックな衣装で歌っているイメージがあったので、ミニスカート姿での登場にも予想外でビックリしましたし、歌っているときの本格派な雰囲気と全く異なるMCでの現役音大生らしいお茶目さにも、良い意味でのギャップを感じました。

そして、コンサートについては、ツアーファイナル日本武道館公演ということもあるのでしょうが、ツアーバンドに加えて24人編成のオーケストラや父であるサックス奏者、平原まことを含むブラス・セクションも加わっていて、アンサンブルが素晴らしく、感動しました。また、ニュー・アルバム『4つのL』収録の「アリエスの星」では、作曲者の宮川彬良がピアノで加わり、平原まことの演奏するソプラノサックスと共演するというスペシャルな演出もあり、まさに鳥肌モノでした。また、その共演の前にあったアリーナ中央に設けられたセンターステージでのアコースティック・セットも、本来はステージ自体回るものを用意したかったそうですが、予算の関係で断念した、と語っていた平原綾香ですが、代わりに用意したという回転椅子の上で、クルクルと回りながら歌っていたのも、かわいらしくて良かったですし、そこで演奏されたニュー・アルバム『4つのL』収録の「I will be with you」やカヴァー集『From To』収録のサザンオールスターズの名曲「いとしのエリー」のボサノバ調カヴァー、「Come On - A My House」(51年の米ヒット曲)といった曲の新カヴァーもジャジーな感じで素晴らしかったです。

また、コンサート後半でのアルバム『The Voice』収録の「虹の予感」では、ストリングス・セクションが間奏から立ち上がって楽しそうに演奏していたのも、曲調ともマッチしていて印象的でしたし、コンサート前半でのニュー・アルバム『4つのL』収録のNHKトリノ放送テーマソング「誓い」やコンサート後半でのアルバム『The Voice』収録のNHK「みんなのうた」として2004年10~11月に放送された「Hello Again, JoJo」、ニュー・アルバム『4つのL』収録の映画『四日間の奇蹟』主題歌「Eternally」やこの度2年5ヵ月あまりの歳月をかけて出荷枚数で100万枚を突破したデビュー曲「Jupiter」での、壮大なパフォーマンスと圧倒的な歌唱力はもう圧巻の一言でした。

そして、アンコールでは、折角だから、ということでファンの要望に応え、荒川静香選手のイナバウアーのまねをお茶目に披露したのですが、その上体反らしが凄く、その体の柔らかさに会場一同驚きの声と共に拍手が沸き起こり、「歌より拍手が大きいです!」とお茶目な笑いを誘ったりもしていました。それからツアーファイナル日本武道館公演ということで、特別に7月19日発売予定の新曲「Voyagers」が初披露され、その後、長いタメの後、ついに自分が平原綾香を好きになったきっかけの曲でもあるドラマ『優しい時間』の主題歌「明日」が披露されました。この曲は、ハープ音がキーボードで演奏されていたのだけが少々残念で、できれば生ハープで演奏してもらいたかったです。でも、あの深みのある豊かな歌声で語りかけるように歌う様は、まさに鳥肌モノで、グッときました。そして、最後はニュー・アルバム『4つのL』収録の「スタート・ライン」で締めくくったのですが、その壮大な聖歌を聴きながら、自分もまだまだこれからだ、と気持ちを新たにした次第でした。

ということで、壮大なスケールが圧巻のツアーファイナル日本武道館公演でしたが、それにしても平原綾香のスケールの大きい圧倒的な歌唱力は、生で聴いても素晴らしく、正しく本物だと再認識しました。今後の益々の活躍がとても楽しみな逸材です!

最後に、その日のSet listを下記にご紹介します:

~Theme of LIVE~
1. Circle Game
2. i
3. はじまりの風
4. 誓い
~Theme of LOVE~
5. I will be with you (acoustic)
6. いとしのエリー (acoustic)
7. Come On - A My House (acoustic)
8. アリエスの星
9. Hello Again, JoJo
~Theme of LUCK~
10. TRUE LOVE
11. 虹の予感
12. 君といる時間の中で
13. Reset
~Theme of LIFE~
14. 心(「WILL」シングル・バージョン)
15. Eternally
16. Jupiter
17. Music

Encore
18. Voyagers
19. 明日
20. スタート・ライン