「小名木善行 ねずさんの ひとりごと 」より転載させて頂きます。
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英国がEUから離脱しました。
このことを大きく見ると、「グローバリズム」が「ローカリズム(Localism=地域主義(ちいきしゅぎ))に敗北したということができます。
ちなみにグローバリズムの対義語がナショナリズム(国家主義・孤立主義)という人がいますが、私は違うと思います。
ローカリズムというのは、地域共同体が一体感を持って地域の行政的、経済的自立性と文化的独立性とを保とうとするものです。
もともとEUは、ヨーロッパ各国の地域共同体が互いに仲良く共存するために提唱された国家連合体です。
国家連合体というからには、各地域の独立性や主体性はそれなりに保たれ、その中で、共同すべきものを共同していくという姿勢になります。
たとえば、共同して通貨を発行するなどが、それにあたります。
ところがそのEU連合は、いつの間にかグローバリズム屋さんたちに乗っ取られ、地域は文化性や主体性が否定されてただの観光屋の根城へと変化し、豊かな地域には郷に入って郷に従わない特定有色人種等が大量に乱入していきました。
つまり、EUが理想とした地域共同体の共存自体が、むしろ地域共同体の否定につながってしまったのです。
これでは何のためのEUかわかりません。
だから英国国民が、いまいちどローカリズムを選択したということは、これは当然過ぎるくらい当然の流れであったのではないかと思います。
さらにおもしろいことがあります。
彼はインドの大哲学者プラブハット・ランジャン・サーカー(ヨガの指導者としても有名)を師として、サーカーが昭和34(1959)年に唱えたプラウト理論を継承しています。
この理論が面白いのです。
ひとことでいえば、社会を支配する階層が、戦士(Warrior)、知識人(Intellectual)、資本家(Acquirer)が順別に循環することで歴史は展開されるというのです。
プラウド論は、単に循環論とも略称されます。
EUは、もともとは戦士の時代を終わらせるために提唱されたものです。
ところが現代社会は、資本家の時代です。
ということは、EUは、戦乱を終わらせるためのものではなく、結果として資本家がよりいっそう儲けるための連合体と化します。
その結果、一部の大金持ちは、さらに大金持ちとなりますが、他の大勢は貧乏になります。
すると民衆が立ち上がって戦士の時代になるというのが循環論なのですが、現代社会においては、その戦争は、ドンパチもさりながら、情報戦の時代になっています。
このことを明確に証明したのが、イラク戦争でした。
イラク戦争では、米ソの大戦車部隊が砂漠で決戦をしたのですが、世界最強を誇ったソ連製の戦車部隊を、またたく間に粉砕したのは、日本製のジャイロスコープとGPSでした。
戦いは、わずか5分で終わり、ソ連製の戦車は、全台が破壊され、米国側戦車部隊はまったくの無傷に終わったのです。
つまり、現代戦においては、戦う前に勝負はついている。
情報が戦いを制するのです。
同時に戦士は、何かを護るために戦うものです。
守ろうとするのは、資本家の命でしょうか。
それとも、人々が豊かに安全に安心して暮らせる地域社会でしょうか。
英国は、資本家の富よりも、英国の民衆が豊かに安全に安心して暮らせることを選択したということが、今回のEU離脱の意味するところであろうと思います。
そしてこの動きは、今後ますます加速していくものと思われます。
英国のEU離脱によって、いま円高が加速しています。
世界三大通貨といえば、ドルとユーロと円ですが、ユーロの信用は英国の信用です。
そのユーロから英国が離脱すれば、ユーロの信用は落ちます。
ドルは米国経済の不透明感があります。
そうなると、安心できる通貨は円だけとなりますから、円高が加速します。
今後はますますその傾向が顕著になることでしょう。
そうなると日本は、円高対策として、円の供給量を増やさなければなりません。
インフレ誘導をしなければ、円高がとまらなくなるからです。
そうなると今後は、短中期的には、
円高加速→政府介入による円発行→円安→インフレ誘導→デフレ脱却
という方向に経済が流れます。
これに加えて、世界的なローカリズムの台頭の中で、日本も主体性を取り戻す動きが加速することになります。
全部はここでは書けないことが多いので書きませんが、いま、大変革の時がやってこようとしています。
そしてそれは、私たち日本人にとって、良い変化です。
すくなくともグローバリズムは、今回、明確に世界の中で敗退したのです。
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