閑人帖

恨めしや

自然界は生きるか死ぬか、食うか食われるかの厳しい世界である。

カマキリがセセリチョウを狙っていた。蝶を助けてやるべきか、それとも自然界の掟に従うべきか、迷いながらもハラハラドキドキしながら、ファインダーを覗き続けた。

危険を察知したセセリチョウがカマキリの鎌が飛び出す前に、飛んで逃げた。あっ、逃げちゃったと残念がっている自分がいた。残酷な場面を期待していた自分もいた。

カマキリを見ると、お前のせいだぞと言わんばかりに、恨めしそうな顔をして私を睨んでいた。

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