ひまわり進学ルーム

「戻る」勇気

中3の生徒が私にこう言いました。
「ねえ、先生。テスト対策の時の休み時間って、先生暇?」
「まあ、暇っていうか、なんかあった?」
「あのね、『割合』が教えてほしいんだけど。」

よくよく聞くと、彼女は小学生の頃、病気で長期に休んだことがあって、
割合の単元の授業をまるっと受けていないんだそうです。
でも、割合の考え方って、中1の文字式、一次方程式、中2の連立方程式で使っているし、
理科の水溶液の濃度や湿度でも使っているので、
出来てないはずないんですが、彼女の中では苦手カテゴリーになっていたようです。
『小学生のときにやってない』から『出来ない』と思い込んでいたと言ってもいいかもしれません。

多分、本人にそう言っても納得しないだろうな~と思ったので、
一応小学校の問題集を引っ張り出してきて、説明、問題を解かせます。
「あれ、そんだけのこと?」
「うん、そんだけのこと。ちっとも難しくないでしょう?」
「うん、難しくなかった。」
「で、小学校で習うのはそんだけだけど、中1になると文字式になるよね。数字じゃなくて、文字でも表せる。こっちも念のためやって見る?」
「やってみる。」
・・・・・・。
「ああ、こういうことやったんや!」
「そうそう。出来るやん。そんで、方程式が使えると、実は小学校より簡単になるっていうね。」
「え?中学の方が簡単なの?」
「そうだよ~♪ だって、Kちゃん、これとか、これとか出来るヤン?これも割合の問題やよ?」
「それは公式に当てはめただけやもん。これも割合なの?」
「そうだよ~。でも、今まではただ公式に入れてただけだったんだね。割合の意味がわかって良かったよ。」

というわけで、見事Kちゃんは食わず嫌いならぬ、やらず嫌いだった「割合」を克服できたのでありました。


テスト対策中の生徒を見ていると、どんどん先に突き進むばっかりの子をみかけます。
次々と問題集を解いて、「先生、他にプリントください。」と要求してきます。
じゃあ、できるようになっているのか?
答えはNO。
何度も同じタイプの問題を間違えます。
自分で、どこか出来ていて、どこをどのように間違えたのか分析しないまま突き進んでいるからです。
時には、Kちゃんのように、おおもとに戻る勇気も必要。

中3の受験勉強をしているなかで、Kちゃんは長年心にひっかかっていた「割合」に着手できました。
さあ、あなたは何にひっかかっていますか?
自分を見つめ直すことも大切な時間です。
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