今日はマジメなお話。
表題の書籍は2018年に発刊され、2019年に話題になったもので、もう、内容は少し古くなっているのですが、教科書が変わっても、指導要領が変わっても、子ども達の置かれている学習環境は改善されるどころか、悪化しているように感じるので、この書籍に書かれている内容を引用しながら、常々思っていることを書こうと思います。
さて、『教科書が読めない子どもたち』と聞いてどうお感じになったでしょうか。
「え、やばい、ウチやん!」という生徒の声が聞こえてきそうなのですが、保護者の方々はどうでしょう。
「え?教科書くらい読めるでしょ?日本語で書いてあるのだし。」
とお思いになりませんでしたか?
でも、著者の新井さんが全国2万5000人の中高生に対しておこなった基礎的読解力調査では、3人に1人が簡単な文章を理解できていないという結果でした。(本では具体的な問題例と、それぞれの設問に対する学年別の正答率が示されていますので、もし興味がおありでしたら、そちらもご参照ください)
『中学の授業は、国語の難解な小説や評論文は別として、生徒は社会や理科の記述の意味は読めば理解できることを前提として進められています。そうでなければ授業は成り立ちません。そこを疑っている人は、少なくとも教育行政に携わる文科省の官僚の方々や、高等教育の在り方を審議する有名大学の学長や経済界の重鎮といった人にはいませんでした。』
なるほどねえ、そうなんだ。
「先生、教科書に書いてある意味がわかりません!」
なんて質問されることは日常茶飯事だし、
「わからなかったら教科書を調べなさい」
と言っても、ふだん教科書を読みこんでいないから、どこに書いてあるかわからない、調べ方もわからない、このページだよ、と示しても「書いてない」と宣う(書いてあるって!)なんてオールウェイズだよ!!!!
お偉い人たちは、知らなかったのかーーーーー。
というか、保護者の人たちも気づいていましたか?
これって、かなりヤバいことなんですよ。
一生懸命、語句や用語を覚えても、「テストの問題」で「問われていること」が読み取れていないから正解できない子も多いのですから。
まあ、テストの点数がとれないだけなら「それで死ぬわけじゃないし」とも言えるのですが、学校を卒業して社会に出たらどうしましょう。説明書に書いてあることが理解できない、他人が言っている意味を正しく受け止められない大人になってしまったらどうしましょう。(今もたくさんいる気はしますが)
著者の新井紀子さんもこう断言します。
『基礎読解力は人生を左右する』と。
さて、長くなったので、続きはまた次回。
読解力がなぜ人生を左右するのか、読解力をあげるためにはどうしたらいいのか、書き綴っていこうと思います。お楽しみに!