もうそんなに経ったのかというのが正直な感想
当時私はまだ実家暮らし、でも一人暮らしの憧れもあり、実家の向かいにある古いマンションの一室を借りて、夜だけそこで寝ていた
ほとんど地震を経験したことがなく、初めは何が何だかわからなくて、恐怖も感じなかった
慌てて実家に戻ると、あちこち大変なことになっていたが、覚えていることは少ない
母が寝ていた布団の上には本棚が倒れていた
ガラスの扉だったため、割れて布団に刺さって使い物にならなかった
その日はたまたま早く起きていたらしく、母も、飼っていた犬も無事だった
階段に吊り下げ式の電球があったが、壁にぶつかって粉々に割れていた
電気は幸い大丈夫だったが、ガスは止まっていた
借りていたマンションの部屋の壁は大きなヒビが入っていて、そのまま住めなくなった
テレビのニュースを見て愕然とした
まだ携帯電話などなく、あちらこちらに固定電話で安否確認をしたが繋がらない
姉と妹の無事も夕方くらいまでわからなかった
犬の散歩には行かねばならず、余震が来たらしゃがみ込み、ブロック塀が崩れている家をたくさん見た
ありがたいことに家族、親戚、友人、知人に犠牲者はいなかった
後日テレビが飛んできたとか、家具が倒れてきたとか、食器が割れた等の話は聞いた
実家も玄関、部屋の扉が開きにくくなった
でもそれだけ
修理すれば直る
家具は新しいものを買えばいい
人の命は帰って来ない
黙祷