my amazing castle!!!

色々な感想など。

【読書】光圀伝/冲方丁

2021-03-16 17:35:30 | 読書


前作『天地明察』では師と呼ぶべき人々が印象に残りましたが、今回は夢を共に追い求めた朋友の存在に心を打たれました。
誰もが義を全うしようと生き、生き抜いていく。それでいて、後世に託すことを受け入れられる。
あまりにも美しいその姿。
どうしたらこのように生きることができるのでしょう。
私も、一つ一つ焦らず積み重ねていけば、漠然とではなく芯を持って力強く美しくなることができるのでしょうか。

泰姫、読耕斎、紋太夫。一人一人との別れがとても悲しく、けれど彼らの生涯を見ることができて途方もなく胸に満ち満ちるものがあります。
人間を描いた、小説ながらの「歴史」の書です。

【読書】水の柩/道尾秀介

2021-03-16 15:49:23 | 読書


笑子さんの「とにかくぜんぶ忘れて、今日が一日目って気持ちでやり直すの」に励まされました。

それから印象に残ったのは、蓑虫の話。
ああ、私も他人を外面だけで判断してしまうなぁ、私も外に出てるところだけで評価されてるのかなぁ。それじゃあ私の中身はどうなんだろう。やっぱり黒い芋虫のようなものなのかな、みんなそうなのかな。そうすると大したものじゃない気がするけど、多分これは絶望しろと言っているのではない。今はまだ上手く噛み砕けないけれど、敦子が言ったようにきっと意味がある。私たちを転ばすためではなく、「忘れる」「乗り越える」ための意味が。

敦子は、とても強い子だと思います。

一つ一つの静かな積み重ねが、ラストへ向かって行きます。
最後は眩いほどの輝きではないけれど、雨粒が生み出した金色の細かく優しい光に包まれています。
静かだけれど、登場人物たちの幸せを願いたくなるラストシーンです。

【読書】ロートケプシェン、こっちにおいで/相沢沙呼

2021-03-16 14:00:43 | 読書


一つ一つの言葉がきらめいて、ときめいて。
小さなことで胸がいっぱいになって悶えたりにやけたり、素敵な始まりのあの頃を思い出させてくれるような。

それは、いつかのクリスマスの夜のときより、とてもありふれた言葉なのに。どうしてか、ここに辿り着くまで、とても時間がかかったように思えた。
ここがたまらんのです……!

【読書】ツナグ/辻村深月

2021-03-16 13:48:05 | 読書


私が使者に依頼することができたら、誰に会いたいか──勿論、考えました。

「生者の都合で死者を消費する」なんてことに思い至らなかった私は、とても傲慢なのかな。
でも、私はもし自分が死んだ後、大切な人が心の中に私の存在を置いて、支えにしてくれたらとても嬉しい。
いなくなった後でも、あなたのために生きられたらとても嬉しい。