ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ ルーニー・マーラ主演/映画「ローズの秘密の頁(ページ)」予告編

ルーニー・マーラ主演/映画「ローズの秘密の頁(ページ)」予告編

 

アイルランドの製作映画。
1940年代に青春を生きた、アイルランドでの一人の女性の人生。
第2次世界大戦でのナチのイギリスへの侵攻。
イギリスとアイルランドの問題。
宗教の問題。
精神病患者への虐待や未婚女性の出産の問題などなど。

あの時代だからこその背景がある。
主人公のローザは、己の愛を貫き通したが為に、色情狂という精神異常者の烙印を押され、子殺しをした女として、その生涯を精神病棟に収監されてしまう。
ある時、その病院がホテルとスパへに改造されることになり、引き取り手のある入院者や引き取り手がない入院者は転院することになる。

ローザは、40年前、イギリス軍の兵士となった夫マイケルが、かならずこの地の戻るという約束のためか、転院を拒否する。
そこにカトリックのゴーント大司教から依頼された精神科医が、ローズの転院について再審査を依頼され、やって来る。(このことが実は、この映画の重要な鍵!!)

ローザは、聖書の空白部分にずっと日記を綴りつづけていた。

ひょっとしてホーソーンの『緋文字』的な展開かと思ったり、中世なら魔女裁判だと思ったり、いろいろ憶測してしまう。

結末はハッピーエンドで、気持ち的にはヤレヤレと安堵する映画だし、監督の描きたかった世界観も理解する。
でも、細部の描写がちょっと雑。
気持ちは分かるけれど、そこはちゃんと描いて下さいといいたくなる。
そこだけが残念。

大司教になるまえのゴーント神父を演じたテオ・ジェームズ、ローズの再検査にやって来たグリーン医師役のエリック・バナ。
この二人の演技がなかなかいい。
勿論主役の老女役のヴァネッサ・レッドレイヴも、若い時のローザを演じたルーニー・マーラも、よかった。

そして、映画が始まった途端に、ピアノの鍵盤が奏でるのは『月光』の第1楽章。
『月光』から映画が始まり、BGMとして、随所で流れ、またローザ役のヴァネッサ・レッドレイヴの弾く『月光』が、すごくよかった。

 

 

 

 

 

最新の画像もっと見る

最近の「映画を観る」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事