
旧市街地の中心らしい。
隣のテーブルの男性が、フランシスコ・ザビエルにそっくりで気になり、ついガン見してしまう。
(ザビエルを見たことはないが。ahahaha)
階段は、巡礼の道でもある。

ホテルから近く、徒歩3分。
晩ご飯のあと散歩がてら行くとライブをしていた。
カフェでワインを呑みながら,聴いていると、子どもたちまでノリノリで、聴いている。
踊りだす子もいた。
その翌日も、夕暮れ時、ミゲル広場のカフェで暢気にワインを呑む。

アスレチック・ビルバオの試合があって、ユニフォーム姿の老若男女が、目の前を通り過ぎて行く。
が、その、ずっと、奥を見て欲しい。
横断幕の一団が、分かるだろうか。
彼らは、かなりの高齢者の集団で、なんとフランコ政権の時に非合法活動をして逮捕された人たちの人権回復を訴えているのだ。
いまだ、非合法組織だという。
また、その翌日も、夕暮れ時、ミゲル広場へ行ってワインを呑む。

学生が、バスクの旗を持って、集まって来た。
なんだろう? と、興味津々。
明らかに、政治的な意図を感じ……。

カフェの席を立ってゆく観光客が目立ち始める。
私は、一部始終を、見届けたいと、思った。
陣取ったカフェの椅子に座り続けていた。

バスクを観光化することによって、民族、或いは歴史的な文化を破壊していると、学生たちは訴えている。
集会から、デモへと移行した。
学生がシュプレーヒコール(なんと、懐かしい)の声をあげながら、広場から去って市街地へデモ行進していった。
私は、思わず、「はぁー!」ふかーく息を吐いた。
すると、私のすぐ前のテーブルに一人いた、赤い洋服のおばさんが、突然、ふり返ると、「なぽりたあーの」と言って、私に抱きついた。
私は、集会の最中から、このおばさんの存在に気付いていたが、地元の人なんだと思っていた。
「やーぱんせー!」(なぜか、咄嗟、オランダ語になってしまった。)
と、言って、なんだか、おばさん二人が抱き合ったまま、お互い、ワッハハハと笑った。
それなりの緊張感が、ほどけた瞬間だった。
彼女は、予想もしない学生の集会に遭遇し、緊張のあまり席から立つこともできなかったのだという。
私は、その一人旅のおばさんの気持ちが察せられ、ちょっと切なくなった。
そんなこんなで、
NO! と、明確に意思表示する学生の集団を、外側から見て、私の脳裡には、いろんな記憶が甦った。
こういうのって、複雑だ……。
私も、学生、だった時があったからね……。
で、今、私は、彼らが否定する観光客である。
同じ日、カタールニャでは、大規模なデモがあり、スペインは大変なことになっていた。
民族って、なんだろう。
なんだと思う?
そんなことを、考え続けている。