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凄く、辛く、残酷な映画でした…
韓国で、実際に有った事件だそうですが……辛すぎます…
…夫婦で一生懸命に働いても、生活は楽にはならず、でも、平凡で、
ごく、普通の家族だった親子にある雨の日に突然の悲劇が訪れた。
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小学二年生の娘のソウォンが朝、学校へ行く途中に…
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酔っぱらいに廃工場に連れ込まれ、暴行されたのだ。
警察から、連絡が来たとき、母親は事態が飲み込めなかった…
仕事中の父親も慌てて病院に来た…
娘は見つかったとき、瀕死の状態にもかかわらず、自分で警察に電話をしたそうだ。
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医師の説明では、直腸から大腸の最上部まで、穿孔と裂傷があり、開腹をして、すぐに、
大腸の一部と肛門摘出しなければ、命が危険だと…
手術に同意をしてください。人口肛門にすれば、助かります。
でも、一生、人口肛門の生活です。
しかし、父親は「命を助けて下さい。」
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そして、嘆き悲しむ妻を抱きしめた…
無事に手術がおわり、付き添ってた父親に、目が覚めたソウォンは、弱々しく
パパ、来たの?…ママは?…
ママも居るよ…すると、ソウォンは話し出した…
「パパと、ママは忙しいと思ったの…でも、悪い人は捕まえなきゃならないし、私も
大怪我したから、警察に電話したの。」
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「偉いぞ、お利口さんだな。」
そして、ソウォンは犯人の特徴をパパに言った。凄く眠いから、忘れる前にと…
「大丈夫だよ、警察の人と一緒に必ず悪い人を捕まえておく、だから、安心して、
寝なさい。」
警察の担当官が父親に言った。
心理療法士に頼まれたので身近な文房具と好きな玩具を持って来て下さい。
家に戻り、お絵かきノートと、大好きなぬいぐるみを持って来た。
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その後犯人が逮捕されたと聞いて、父親は警察に走った。犯人はどいつだ、顔を見せろ…
だが、其処には大勢のマスコミが…被害者の父親ですか?…インタビューさせてください。
テレビでは八歳の女児を暴行した容疑者が逮捕された報道が…
今回被害児童の証言が検挙の重要な決め手となり、マスコミが病院に押しかけてきた。
個室から、合部屋に移ったばかりのソウォンを守る為に父親が抱きかかえて階段を
駆け上り、マスコミから逃げて、個室に入り、ベッドに寝かせると、人口肛門が外れて、
パジャマや布団がよごれてしまった。ソウォンは驚いて、私、悪いことをしたの?
マスコミから、逃げたことや布団を汚したことに対して思ったのか…
母親も驚いて、看護士さんを呼びに走って行った。しかし、妊娠中の母は途中で
倒れてしまった。それを知らずに…
娘の病室では父が慌てていた、大丈夫だよ…パパが拭いてあげるから…
パジャマを取り替えようとしたとき、ソウォンが叫んだ…辞めて…やめて…
事件の事を思い出したのだ……それに気が付いた父親は愕然とした…
それからは父親の辛い日々が始まった…
父親が来ると布団をかぶって、拒絶した。もう、近づく事が出来なかった。
心理療法士がケアしてくれたがその中のひとつにソウォンが好きなぬいぐるみの
ソーセージ、ココモンと仲間たちを呼んで歌と踊りを見せてくれた。
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ソウォンは久しぶりに笑顔をみせた。
父親は着ぐるみのレンタル屋に値段を交渉した。安月給で、しかも、今は、仕事を
休んでいる。とても、毎日は借りられる金額ではない…
気の毒に思ったのか、もう、使ってない古いココモンの着ぐるみをくれた。
父親は喜んでお礼を言うと、早速、着て、おそる、恐るソウォンの病室に入ってみた。
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ソウォンは嬉しそうにして、起き上がった…
声を出したらわかってしまう。身振りと、ボードに筆談で話した。
それでも、父親は満足だった。娘のそばにいられる。
心理療法士が心のケアに来てくれた日、ソウォンは「おばさん、こんな風に考えた事ある?
目が覚めたら昔に戻ってるといいなって…昨日はっきり感じたの目が覚めたらきっと昔に
戻っていると…だから、薬もはき出さないで、全部飲んで、お祈りして寝たの…
でも、目が覚めると、そのままだった。」
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「どんな気分だった?」
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「凄く、イライラした。」
少しずつ話すようになったソウォン…
しかし、回復をしたわけではない。心の傷は深いはず。
残酷な事に犯人は覚えがないと、否定している為、なかなか送検できず、被害者の証言が必要と
もう一度、複数の顔写真から犯人を確認させるビデオを撮らされた。
母親はおぞましい記憶を思い出させるからと、反対したが、父親は、絶対犯人を
有罪にさせるんだと…
…やがて、退院の日…娘の前に出られない父…
そっと、陰から……悲しい…
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退院して家に帰ると扉にクラスの友達からの温かいメッセージがたくさん貼られていた。
これで、学校への不安がぬぐえた…
父親は娘と顔を合わせないように、朝早くに仕事に出た。
そして、まだ、長い時間居ることが出来ないため、早退してくる娘を見守る父親…
ココモンの着ぐるみを着て、汗だくになって…
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仕事の昼休みも急いで出て行き、校庭で、教室のソウォンに、そっと、元気を
送る日々…そんなある日…ついに「パパなの?…私がパパを嫌がるから、そんな
格好をしているのね…暑いでしょう…」ソウォンが声をかけてくれた。
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パパはどんなにか、嬉しかった事でしょう。
この後、裁判にもこんな、子供をたたせる残酷さ……